讒夫毀士、如寸雲蔽日、不久自明。
媚子阿人、似隙風侵肌、不覚其損。
菜根譚 前集193項より
讒夫毀士は、寸雲の日を蔽うがごとく、久しからずしておのずから明らかなり。
媚子阿人は、隙風の肌を侵すに似て、その損を覚えず。
中傷したり悪口を言う連中は、ちぎれ雲が太陽を一時おおい隠すようなもので、やがては真実がひとりでに明らかになるものである。
だが、こびへつらう手合いは、すきま風が膚を冷えさせ風邪をひくようなもので、いつとはなしにわが身を損なわせるものである。
讒夫毀士(ザンプキシ)は放置してよい。
媚子阿人(ビシアジン)は麻薬のように己の体を蝕む。
「論語に学ぶ会・早川塾」様より参考にさせていただきました。
http://www.niigata-ogawaya.co.jp/rongo3/s-192.htm
どうやら媚子阿人の方が質が悪いようです。
讒夫毀士は一人称で、媚子阿人は隠れて自分を表に出しませんからね。
漢字を勉強するようになってから気付いたことがあります。
それは、「そしる」とか「へつらう」とか「おもねる」、「こびる」という言葉がやけに多く出てくること。
中国の人はそんな ”邪な” 気持ちを忌み嫌っていたからなのでしょうか。
それにしても同じ読みと同じ意味でたくさんの種類の漢字がありますが、TPOによって使い分けはあるのだろうか。
結構ダブって出てる漢字もありますね。
甲骨文・象形文字から成り立った漢字です。
あまり良い意味ではない漢字には、何となく厭な感じが漂っていると思いませんか。笑
そしる
非る
誹る
毀る
謗る
讒る
誚る
誣る
貶る
譏る
へつらう
諂う
佞う
諛う
讒う
おもねる
阿る
佞る
諂る
こびる
媚る
諂る
世の中には、誹謗中傷する者や自分より上の者にへつらい、日和見する輩はたくさんいます。
それは社会の縮図であるネットの世界では、匿名性がある分より顕著なのかもしれません。
特に強者に対し「媚びへつらう」ことは大人の社会ではもちろんのこと、
子供の間でもそのような自己防衛的な気持ちは自然と生まれてくるものです。
明治生まれの祖父はその辺りをしっかりと諫め戒め叱ってくれました。
いえ、世間一般・近所が協力して子供を育ててくれていたと思います。
今、団塊の世代の子供が親になっている年代です。
もう少し恐いオヤジがいても私はいいと思います。