漢字を学び心を育む

2回目のチャレンジで漢検1級に合格。
現在、ペン習字に傾倒。
硬筆書写検定1級が欲しいです

「さわす」は秋の季語

2012-02-27 10:14:12 | ◇1級:読み(訓読み)

 
 白布を川の流れに す。







リン
さわ(す)、あわ(す)、さわしがき、たるがき



【解字】形声。酉+林。音符の林は、立に通じ、長時間立ち続けるの意味。長時間にわたって柿を酒の中にひたして、さわすの意味を表す

  1. 桃の塩漬け。
  2. わ-す(さはす)。あわ-す(あはす)。渋柿の渋をぬく。また、その柿。たるがき。
  3. みりん(味醂)




goo辞書では、

さわ-す さはす【醂す】

(1)湯や焼酎につけて、柿の実の渋を抜く。 「柿を―・す」
(2)水に浸してさらす。
(3)黒漆で、光沢が出ないように塗る。

 ※あわ-す あはす【淡す/醂す】も同じ意味



み‐りん【味醂/味淋】

焼酎に蒸した糯米(もちごめ)を混ぜ、米麹を加えて糖化発酵させて造り、粕をしぼりとった黄色透明の酒。甘味があり、調味料・飲料として用いる。



柿の産地で有名な庄内平野付近の訛りからきた言葉のようです。

醂すとは、渋柿の原因である”タンニン”を炭酸ガスや焼酎と一緒に密封し、化学反応によって渋みを消すこと。



「たるぬぎ たるぬぢ」

柿をつくってる人にとっては、
「渋柿を炭酸ガスや焼酎で渋みを消す」行為は、”さわす”しかありえないわけです。



 ”この柿、ちょっとさわしておいて”



 ほんわか ほっこり


 ♪ざわわ~ざわわ~





うろ覚え

2012-02-21 10:06:16 | ◇1級:読み(熟字訓・当て字)
 
 蠑螈
 守宮
 壁虎
 蝘蜓
 蜥蜴
 石竜子



当て字は特に不得意の分野

 とかげ、いもり、やもり・・・・



ひらがなで書いても違いがよくわかりません。

おそらく多くの方が難儀していると思われる。

動植物および物体を表す言葉(当て字)については、実際に”ブツ”にお目に掛かったものでなければ、なかなか頭には入りにくい。

当て字とブツが一致しないのだ。

なかでも同じ大きさくらいのこの動物達については、ブツを見分けるのさえ困難だ。

なのでいつもこんがらかり間違えてしまう。


綺麗な ”当て字” なら好きなんだけどな・・・・(←言い訳)


とかげ石竜子
蜥蜴
蝘蜓
いもり蠑螈
井守
やもり守宮
家守
壁虎
蝘蜓




井守(イモリ)と家守(ヤモリ)については、井戸を守るのと家を守るの対義語であろう。

でも、これは絶対に問題には出ない。笑

また、壁虎(ヤモリ)と壁蝨(ダニ)についても同じことか。


蛇足ながら、牽牛花 (アサガオ)と八仙花(アジサイ)もいつも間違えてしまいます。(恥)



それぞれの呼称

2012-02-02 14:38:58 | ◇1級:読み(熟字訓・当て字)
 
   薨去

  








コウ
みまか(る)、し(ぬ)



【解字】形声。死+瞢。音符の瞢(ボウ)=(コウ)は、目がかすんで暗くなるの意味。人の意識かすんで、やがてなくなるの意味を表す。

  1. しぬ。みまか-る。諸侯が死ぬ。日本では皇族、または三位以上の人に用いた。
  2. こわれる音の形容。
  3. 多い。
  4. 速い。






先の記事でも少し触れましたが、

 身罷(みまか)る ⇒ 薨る

とも書き、身がこの世から罷(まか)り去るの意。

罷りは、罷免という言葉でも使われているように「辞める」という意味を持つ。
よく時代劇で使われる ”罷り成らん” は、意味や語調を強めるのに用いているので注意が必要。
この場合は、「成らん」を強調している。


「薨る」はもちろん、「薨去」も初めて目にする方がほとんどかと思われる。

”死ぬ” という呼称についても多くの種類が存在する。



 崩御 天皇・太皇太后・皇太后・皇后の死去を敬っていう語。昔は上皇・法皇にもいった。

 薨去 皇族または三位以上の人の死去。

 卒去 四位・五位の人、皇族の王・女王の死去。卒。また一般に身分のある人の死去。

 逝去 他人の死の尊敬語。

 他界 死ぬこと。特に、貴人の死去をいう。

 死去 人が死ぬこと。死亡。死没。

 死亡 人が死ぬこと。死没。

 死没 人が死ぬこと。死亡。

 永眠 永遠に眠ること。死ぬこと。永逝。

 往生 この世を去って他の世界に生まれ変わること。

 物故 人が死ぬこと。死去。




死んでからも ”順位” があるということか。

英語では

 Die

以外の呼称があるのだろうか気になるところ。

崩御については、昭和天皇が亡くなられた時にマスコミで使われたのでご存知であろう。



ちなみに、年が若くして死ぬことを「夭逝(ヨウセイ)」と言いますが、1級試験問題では同じ意味で「夭折(ヨウセツ)」という言葉も出てきます。