自分セラピー

「自分を好きでいる」ことは人生を豊かにしてくれます。そこに気づかせてくれる沢山のファンタジー文学を紹介していきます

もう一度冒頭を読む 『凍りのくじら』 辻村深月

2013-11-23 06:23:16 | おもしろかった本
ドラえもん、と言えば、日本中知らない人はいないわけで、もちろんボクもよく知っている。


と、言いながら、いや、実はよく知らなかった。


ボクが小さいころにはなかったマンガだし、テレビでやっていても、きっとその時間は違う番組を観ていたんだと思う。


「どこでもドア」知ってる。


でも、「カワイソメダル」も、「もしもボックス」も、「いやなことヒューズ」も知らない。


感動的なお話や、中には涙を流すようなお話もあるらしい。


「先取り約束機」「ムード盛り上げ楽団」「ツーカー錠」「タイムカプセル」「どくさいスイッチ」「四次元ポケット」


どれもこれも、初耳で、ドラえもんのことをボクは何にも知らなかったのです。


藤子・F・不二雄先生が、ドラえもんがSFであるという事に対し、SFと言うのはそんなに難しいいものではなくて、「SFと言うのは、すこし(S)・不思議(F)」だと言っているらしい。


スタッフのマッキーから勧められた『凍りのくじら』辻村深月。


この人の作家の作品を読むのは初めて。


いや、ボクには難解でした。


女子高校生 理帆子が主人公。


ドラえもんを愛するカメラマンの父親が5年前に疾走。母親も末期がんで死を目前にしている。


理帆子はいろんな友だちや仲間が多いのだけれど、その友達や仲間たちに、この「SF」を当てはめる。


「少し・腐敗」だったり、「少し・不幸」だったり。


そして自分のことを「少し・不在」と言う。


ちなみにボクだったら、なんだろうか。


「少し・・・・・」いや、やめておきましょう。


この主人公の「不在」感は、ボクにも共感できることがある。


子どものころから、一人暮らしではなかったけれども、かぎっ子少年だったから、いつも一人で過ごしていた。


人とどうかかわっていいのか、よくわからない子どもだったような気がする。


この物語は、ドラえもんの不思議な道具をモチーフにはしているけれども、主人公理帆子の深いそして繊細な心情を書き上げている。


難解だったけれど最後の最後に、「えーーーー?」でした。


思わず、最初のプロローグから読み直してみて、あーそういう事だったのね、と一人満足。


このものがたりは「少し・ファンタジー」でした。




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