子どもたちが作るカレーは、本当においしくて、楽しい。
自分たちが掘ってきたイモを洗い、刻んだ人参や玉ねぎ、そして肉を炒めます。
低学年は、一様に「カレールー」を刻んでいます。
グロースでは、当たり前になってしまったようですが、毎年子どもたちは、熱心に、せっせと、カレールーを細かく細かく刻むのです。
とりたてのイモは、手で皮がむけます。
そういえば、代官山の小川軒というフランス料理のお店で、玉ねぎをとろ~りとなるまで、刻んでいたのを思い出します。
でも、カレールーを刻むのは・・・・なぜ?
何度も来ている子どもたちは「カクシアジ」を、持ってきていたり、食材庫をあれこれ探して工夫を凝らします。
用意してあるカレーの具は、みんなおんなじなのに、出来上がったカレーの味は、それぞれ全く異なります。
どれも本当においしい。
たまらなくいとおしくて、そしておいしい。
富さんは、感想を言うときに、いつも涙ぐんでしまいます。
それほどに、おいしい。
子どもたちの熱心な顔や、みんなで協力する様子、「あと15分」という時間コールの声の響き。すべてに対して、誰もが一生懸命な・・・そんな一切合切が、カレーの中に閉じ込められて、ボクたちはそんなおいしいカレーを食べることができるのです。
優勝カレー、2チーム!4チームすべてのカレーが売り切れました。
ちょっと焦げているけど優勝。兄の焦げカレーの汚名を晴らしたコウタロウ
キャンプでカレーは定番かもしれませんが、このグロースのカレーは、絶対に世界一おいしいに決まってます。
何と幸せなことでしょうか。
満腹の後、一休みをして、今日の一番の冒険、ナイトハイクの始まりです。
4チームがそれぞれ別々にスタートします。
ルートは二つ。
去年久しぶりに、開通した森の道コース。
途中に、牧場の有刺鉄線があり、そのゲートを開かなければなりません。
道も、何度かわかれ道があり、リーダーは大変です。
黒カナは、久しぶりの参加のために、このルートを知りません。でも、チームにはダンがいます。
ボクは、ダンと白カナを呼びました。
「お前たちふたつのチームが、森の道を行きます。去年通ったから、だいたいは覚えているでしょ?」
「えっ、わかんない・・・?」
二人とも、表情が固まります。
そりゃそうです。
いくら歩いたことがあるといっても、暗闇ですからね。
覚えているはずもありません。
それに、毎年のことですが、クマが出没する場所です。
先発隊として、サポーターがガチャガチャ音を立てながら歩きますが、だからと言って、クマが出ないという保証はありません。
話はできないし、真っ暗だし、懐中電灯は一本だけだし・・・。
ボクは早速地図を描きました。
二人は、必死にそのルートを頭に叩き込みます。
不安が顔をよぎります。
「行けるな?」
「う・・・ん」
二人とも、何とかなるとは思ってもいなさそうでしたが、二人に任せるほかはありません。
「これから、ナイトハイクに出かけます。」
「真っ暗で、懐中電灯は1本だけ。チームで、気持ちを引き締めていかないと、何が起きるか分からないぞ!」
「全員で、ミズナラの木まで行くかどうか、決めてください!」
いつもながらに、このことを伝えている時の子どもたちの表情には、緊張が走ります。
ヌプカのロビーが、緊迫感にあふれ、いつもふざけている子どもも真剣なまなざしになります。
低学年が多い今年のグロースは、きっと、「イキタクナイ」子どもが出てくるだろう…という予想は完全に覆されました。
あの、コトハも、そしてすぐにおなかが痛くなるユカコも、眠くなってしまったケンイチロウも、初参加のイッセイやタイチも。
全員無言で出発。
チーム別にバスに乗り込みます。
リーダーの白カナは、ルートのことで頭が一杯なのに、並ぶ順番がなかなか決まらず、珍しく涙を流していました。
ようやく、解決した途端にユカコが、また「おなかが痛い」と言い出しました。
白カナにとっては、大きなチャレンジです。
しばしばは、ユカコを呼んで話をしてみました。
おなかが痛いと言っているユカコが、本当におなかが痛いのかどうかはわかりません。
でも、初めて何かをやる前に、必ずおなかが痛くなるようです。
心理的な原因が少なからずありそうです。
「オナカガイタイノ?」
「・・・・・」
うなづきはしますが、ユカコはボクの前ではほとんどしゃべりません。
髪の毛に覆われてほとんど顔が見えないユカコは、涙を拭きながら、しぼりだすように言いました。
「イク」
「えっ?」
予想外の言葉に、ボクは驚きました。
「行くの?」
「ウン」
「おなかは痛くないの?」
「イタイ・・・けど・・・イク」
何ということでしょう。
ユカコなりに、この実習に、ものすごい勇気を奮って参加しようとしているのです。
なみだ目の白カナも、ホッとしています。
よし、これで全員出発です。
ナイトハイク出発。緊張の表情が・・・。
雨が激しくなってきました。
今晩は新月です。
星も、月も見えない中を、たった一本のロープと、1本の懐中電灯だけを頼りに、暗闇を歩くのです。
しかし、今夜は、本当に、暗い。
さしだした自分の手のひらが、全く見えない暗闇です。
久しぶりの暗さに、ボク自身も緊張が走ります。
自分たちが掘ってきたイモを洗い、刻んだ人参や玉ねぎ、そして肉を炒めます。
低学年は、一様に「カレールー」を刻んでいます。
グロースでは、当たり前になってしまったようですが、毎年子どもたちは、熱心に、せっせと、カレールーを細かく細かく刻むのです。
とりたてのイモは、手で皮がむけます。
そういえば、代官山の小川軒というフランス料理のお店で、玉ねぎをとろ~りとなるまで、刻んでいたのを思い出します。
でも、カレールーを刻むのは・・・・なぜ?
何度も来ている子どもたちは「カクシアジ」を、持ってきていたり、食材庫をあれこれ探して工夫を凝らします。
用意してあるカレーの具は、みんなおんなじなのに、出来上がったカレーの味は、それぞれ全く異なります。
どれも本当においしい。
たまらなくいとおしくて、そしておいしい。
富さんは、感想を言うときに、いつも涙ぐんでしまいます。
それほどに、おいしい。
子どもたちの熱心な顔や、みんなで協力する様子、「あと15分」という時間コールの声の響き。すべてに対して、誰もが一生懸命な・・・そんな一切合切が、カレーの中に閉じ込められて、ボクたちはそんなおいしいカレーを食べることができるのです。
優勝カレー、2チーム!4チームすべてのカレーが売り切れました。
ちょっと焦げているけど優勝。兄の焦げカレーの汚名を晴らしたコウタロウ
キャンプでカレーは定番かもしれませんが、このグロースのカレーは、絶対に世界一おいしいに決まってます。
何と幸せなことでしょうか。
満腹の後、一休みをして、今日の一番の冒険、ナイトハイクの始まりです。
4チームがそれぞれ別々にスタートします。
ルートは二つ。
去年久しぶりに、開通した森の道コース。
途中に、牧場の有刺鉄線があり、そのゲートを開かなければなりません。
道も、何度かわかれ道があり、リーダーは大変です。
黒カナは、久しぶりの参加のために、このルートを知りません。でも、チームにはダンがいます。
ボクは、ダンと白カナを呼びました。
「お前たちふたつのチームが、森の道を行きます。去年通ったから、だいたいは覚えているでしょ?」
「えっ、わかんない・・・?」
二人とも、表情が固まります。
そりゃそうです。
いくら歩いたことがあるといっても、暗闇ですからね。
覚えているはずもありません。
それに、毎年のことですが、クマが出没する場所です。
先発隊として、サポーターがガチャガチャ音を立てながら歩きますが、だからと言って、クマが出ないという保証はありません。
話はできないし、真っ暗だし、懐中電灯は一本だけだし・・・。
ボクは早速地図を描きました。
二人は、必死にそのルートを頭に叩き込みます。
不安が顔をよぎります。
「行けるな?」
「う・・・ん」
二人とも、何とかなるとは思ってもいなさそうでしたが、二人に任せるほかはありません。
「これから、ナイトハイクに出かけます。」
「真っ暗で、懐中電灯は1本だけ。チームで、気持ちを引き締めていかないと、何が起きるか分からないぞ!」
「全員で、ミズナラの木まで行くかどうか、決めてください!」
いつもながらに、このことを伝えている時の子どもたちの表情には、緊張が走ります。
ヌプカのロビーが、緊迫感にあふれ、いつもふざけている子どもも真剣なまなざしになります。
低学年が多い今年のグロースは、きっと、「イキタクナイ」子どもが出てくるだろう…という予想は完全に覆されました。
あの、コトハも、そしてすぐにおなかが痛くなるユカコも、眠くなってしまったケンイチロウも、初参加のイッセイやタイチも。
全員無言で出発。
チーム別にバスに乗り込みます。
リーダーの白カナは、ルートのことで頭が一杯なのに、並ぶ順番がなかなか決まらず、珍しく涙を流していました。
ようやく、解決した途端にユカコが、また「おなかが痛い」と言い出しました。
白カナにとっては、大きなチャレンジです。
しばしばは、ユカコを呼んで話をしてみました。
おなかが痛いと言っているユカコが、本当におなかが痛いのかどうかはわかりません。
でも、初めて何かをやる前に、必ずおなかが痛くなるようです。
心理的な原因が少なからずありそうです。
「オナカガイタイノ?」
「・・・・・」
うなづきはしますが、ユカコはボクの前ではほとんどしゃべりません。
髪の毛に覆われてほとんど顔が見えないユカコは、涙を拭きながら、しぼりだすように言いました。
「イク」
「えっ?」
予想外の言葉に、ボクは驚きました。
「行くの?」
「ウン」
「おなかは痛くないの?」
「イタイ・・・けど・・・イク」
何ということでしょう。
ユカコなりに、この実習に、ものすごい勇気を奮って参加しようとしているのです。
なみだ目の白カナも、ホッとしています。
よし、これで全員出発です。
ナイトハイク出発。緊張の表情が・・・。
雨が激しくなってきました。
今晩は新月です。
星も、月も見えない中を、たった一本のロープと、1本の懐中電灯だけを頼りに、暗闇を歩くのです。
しかし、今夜は、本当に、暗い。
さしだした自分の手のひらが、全く見えない暗闇です。
久しぶりの暗さに、ボク自身も緊張が走ります。
ひまわりの今日の、夜ご飯ビーフストロガノフ!ひまわり、一人で作ったんだ惇は、すこし手伝ってくれたよ!
野菜を煮込んでいる間に「今何かすることないの?」って聞かれたので「ルーを小さくしておけば速く溶けるかも」と答えたような…で、子供たちが無心で刻んだんです。
家庭ではやりませんけどグロースでは時間が決まっているので実際にはどのくらい速いのか判らないのですが、1秒でも時間を惜しんだ子供たちの知恵なんですよ。
今でも続いてるんですね~
あの美味しさが懐かしいです。
スゴイ!
カレールー刻みの秘密は、カズネ&コトハハハにあったんですか!
はじめて知りました。
ボクは、カレー作りの間、4日目の準備をしているので、出来上がり直前までの子どもたちの様子をあまり知らないのです。
でも、これもグロースの伝統なんですね。