自分セラピー

「自分を好きでいる」ことは人生を豊かにしてくれます。そこに気づかせてくれる沢山のファンタジー文学を紹介していきます

2015グロース日記 「 ブルームーン 」

2015-09-05 07:07:59 | グロースキャンプ
カレーは、どのチームも本当においしい。


でも、あえて、評価をする。


競争は良くないなんて言う人もいるけれど、いろんな競争があっていい。


グロースでは、じゃんけんも多数決もしないし、競争は全くない。


でも、このカレー作りだけは、あえて審査員に評価をしてもらう。


今回の審査員は、ボク、料理隊長のさだ、ともねぇ、富さん、そして山下のオヤジが来てくれた。


「 いっただっきまーす! 」 の声とともに、カレーを食べ始める。


ボクたち審査員は、ゆっくり食べている暇はない。


全てのチームの味を確かめなければならない。


各審査員2票ずつ。


食事が終わり、採点が集まる。


発表の前に、各チームのカレーの宣伝。


その場で考えて、その場で各チームで表現してもらう。


これがおかしい、面白い、腹を抱えて笑ってしまう。


こういった表現の場があって、こうやって自由に表現できていたら、こいつらの人生は本当に素晴らしいなって思う。


でも、人生ではそんな場所を、誰かに用意してもらうのではなく、自分自身で創り出していかなければならない。


だからこのグロースがある。


だから、グロースはキャンプじゃなくて 「 セミナー 」。


自分で創り出していく力、を養っている。


さて、そんな宣伝が終わって、いよいよ発表。


審査員の票をボクが一つ一つ読み上げていく。


「 わにごりらー! 」


わー、きゃあー、やったぁ


歓声と落胆の声が響く。


「 次、うしかしかぁー 」


おー!ぎゃー、えーっ


歓声が止まない。


さらに、、、、、


ところが、いつまでたってもずっとこの二つのチーム名だけ。


つまり、未確認生物コッシ―のチーム名が出てこない。


内心 「 まずいなぁ 」 と思いながら、事実は変えられない。


審査員4人目の票を読み上げた時には、もう、コッシ―チームから泣き声が聞こえる。


そして、5人目も、、、、、、。


結果、うしかしかと、わにゴリラに全投票が入り、こっしーはゼロ。


そのころには、うしかしかからも、わにごりらからもあんまり歓声が聞こえてこない。


うしかしかのリーダーYKKが、「 コッシ―のチームに、作りかたを教えてもらった 」


「 点数をわけてもいい 」


リートレで 「 与えあう喜び 」 に気づいたリーダーたちは、思いを伝える。


でも、この厳しい現実を受け入れなければならないし、受け入れることさえできれば、間違いなく成長していく。


きちんと受け入れなければ、それを誰かのせいにして被害者になるか、自分が悪いと言って、口先だけのあきらめを味わうことになる。


「 それじゃ、このカレー作りと、宣伝と、そしてこの結果についてチームで話して 」


コッシーチーム以外は、楽しく話してはいるけれど、心底楽しんでいるようには見えない。


泣いているコッシ-チームの事が気になって仕方がないようだ。


ボクも正直言って、困った。


大人が、分かった風なことを言ったところで、それは単なる慰めでしかない。


それに、こういう時に、どうしたらいいのかなんて、ボクにだってわからない。


子どもたちが話している間、ボクはバーベキューハウスの外に出た。


目の前は、夕闇が迫った平野が広がっている。


空には、真っ黒な雲が流れている。


でも、その黒雲が流れた後に、何と満月が顔をのぞかせた。


高原が月の光で満ち溢れた。


感動の瞬間だった。


満月の時期に重なったグロースは今までにも何度もあったけれど、こんなに目の前に満月を拝むことが出来たのは初めてだった。


おまけにだれかが、これは 「 ブルームーン 」 だという。


ひと月に満月が2回ある時の月。


良くは知らないけれど、そのブルームーンと言う名前と、実際に青く光る高原の幻想的な光景に、心打たれてしまった。


そうだ、月に任せよう。


ボクは、すぐにバーベキューハウスに入って、子どもたちに無言で外に出るように伝えた。


笑って話してた子供も、泣いている子どもたちも、皆無言で外に出る。


全員を座らせて、ボクは言った。


「 目の前の月を見てごらん 」


「 月は古くから、ボクたちの心をいやす力があると言われている。


「 どんな結果を今、手にしていようとも、それを自分の事としてきちんと受け止めること。


「 そのことがつらいのなら、月と話をして癒してもらう。うれしいのなら、そのことも月と分かち合う。


「 無言でしばらく月と話をしてください。


静かな時間が過ぎていく。


涙を流し続けている子どももいる。









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