ナイトハイクは、グロースの名物。
暗闇の中を、子どもたちが一本のロープでつながって、約2.5~3キロ、森の中を無言で歩いていく。
そして樹齢800歳のみずならのご神木を目指す。
不安と緊張がボクたちにもあふれてくる実習。
何しろ、この森には、たくさんの動物たちが住んでいる。
時にはクマも。
子どもたちは、グループごとに出発する。
イントラがその後ろ、10メートルほど離れて歩く。
子どもたちは一本の懐中電灯だけが照らす道を、ひたすら無言で歩いていく。
ボクたちは、というと、はるか前方を行く子どもたちの持つ光を頼りに歩く。
これが、怖い。
道はくねくねしているため、光を頼りに歩いていると、ときおり、道を見失ってしまう。
みずならへのルートは二つ。
通称、「 右の道 」と 「 左の道 」。
どちらも、途中の沢の橋で合流する。
ボクは、チームキャプテンの千奈と一緒に、コッシ―チームと歩く。
途中で、子どもたちにはライトを消し、そこに5分ほどたたずむ、と言う実習がある。
まったく光のない闇の中で、森に住まう動物たちの動く気配を感じる。
全身を耳のようにしているその時間は、ボクにとっても緊張の時間。
自分が自然の一部になる感覚と、恐怖が入り混じる。
ボクはこの時間が好きだ。
否が応でも自分と向き合うことになる。
また歩き始める。
約40分ほど歩いて、ようやく 「 左の道 」 との合流地点の橋に着く。
その橋を渡り、坂を上ると道が突き当たる。
ここで、右に行かずに、うっかり左へと間違えてしまうことがある。
ボク自身も間違えたことがあるくらいに、間違いやすい場所。
何度も来ているリピーターも、暗闇の中では、道をなかなか覚えることはできない。
コッシ―チームは、無事に右の道を選択した。
と思ったら、ライトが戻ってくる。
ボクと千奈はあわてて、隠れる。
どうやら、リーダーが道を迷っているようだ。
しばらく、行ったり来たりしている。
そうこうしているうちに、千奈の携帯に電話が入った。
千奈があわてている。
「 カイから電話で、グループがいなくなったって言ってます。 」
カイは、イントラ。
初イントラのカイとなつみは、もともとわかりやすい 「 左の道 」 で出発させた。
一本道で、迷うはずもない。
ところが、5分間立ち止まる実習の間に、何を勘違いしたのかリーダーのMRAが、止まらずにそのまま歩いていってしまったらしい。
5分後に子どもたちのところに行くと、そこにはもういなかった。
二人は、あわてて追いかけたものの、見失ってしまったらしい。
コッシ―チームはようやく正しい道を選んだらしいい。
すぐに千奈にはグループについていかせて、ボクはいなくなった?わにごりらを探しに行くことにした。
橋を渡り、しばらく左からくる道を戻る。
歩きながら考える。
でも、どう考えても、一本道だから、迷子になるはずがない。
そうか、もしかすると合流地点で橋を渡らずに、右からくる道を言ってしまったのかもしれない。
息が切れる。
暗闇をボクは何度も走って探した。
しばらくすると、千奈からの電話。
どうやら、橋を渡った後、カイは、あの間違いやすい道を左に行ってしまったらしい。
わにゴリラは正しい道を歩いた。
グループがいなくなった、のではなく、つまり、自分たちが迷子になっていたってこと。
このことで、カイは、大いに反省し眼に涙を浮かべることになってしまうのだけれど、ともかく何事もなく、無事にMRAのチームはみずならに到着していた。
とにかく、よかった。
さて、みずならは800年の樹齢を終えて、今は大木を横たわらせている。
6月に下見に来たときには、まだ老木として健在だったけれども、ひと月の間に倒れてしまった。
ボクは、到着後、一人一人、その幹の上に乗せ、初めての子どもにも、リピーターにも、そこに起きた大自然の営みを目にさせた。
「 ここに、800歳になるミズナラがあった。君が乗っているのがその太い幹。
「 空に高くそびえ、枝は道を超えて向こうまで伸びていたんだ。
「 もう何年も前に、太い幹が雷で倒れてしまった。
「 ほら、向こうに倒れている太い幹が見えるか?
ボクが、ライトで照らすと、うっそうとした木々の間に幹が見え隠れしているのが見える。
「 倒れてしまったけれど、その幹から何本もの苗木が生えているのが見えるか?
「 このみずならは、もう倒れてしまったけれども、森は死なない。
「 こうやって、また再生していくんだ。
子どもたち一人一人に、ボクはこのことを伝えた。
誰もが皆、静かに耳を傾けていた。
ボクにとって、このみずならは特別なものだった。
グロースのシンボルだった。
100年後に、この場所にまた、みずならが天を目指して幹や枝を伸ばしているのだろうか。
誰かが、子どもたち連れて、この場所に、子どもたちが集ってきていたことを伝えてくれるだろうか。
帰り道は、わいわいとにぎやかにあるいた
忘れられない、ナイトハイクだった。
暗闇の中を、子どもたちが一本のロープでつながって、約2.5~3キロ、森の中を無言で歩いていく。
そして樹齢800歳のみずならのご神木を目指す。
不安と緊張がボクたちにもあふれてくる実習。
何しろ、この森には、たくさんの動物たちが住んでいる。
時にはクマも。
子どもたちは、グループごとに出発する。
イントラがその後ろ、10メートルほど離れて歩く。
子どもたちは一本の懐中電灯だけが照らす道を、ひたすら無言で歩いていく。
ボクたちは、というと、はるか前方を行く子どもたちの持つ光を頼りに歩く。
これが、怖い。
道はくねくねしているため、光を頼りに歩いていると、ときおり、道を見失ってしまう。
みずならへのルートは二つ。
通称、「 右の道 」と 「 左の道 」。
どちらも、途中の沢の橋で合流する。
ボクは、チームキャプテンの千奈と一緒に、コッシ―チームと歩く。
途中で、子どもたちにはライトを消し、そこに5分ほどたたずむ、と言う実習がある。
まったく光のない闇の中で、森に住まう動物たちの動く気配を感じる。
全身を耳のようにしているその時間は、ボクにとっても緊張の時間。
自分が自然の一部になる感覚と、恐怖が入り混じる。
ボクはこの時間が好きだ。
否が応でも自分と向き合うことになる。
また歩き始める。
約40分ほど歩いて、ようやく 「 左の道 」 との合流地点の橋に着く。
その橋を渡り、坂を上ると道が突き当たる。
ここで、右に行かずに、うっかり左へと間違えてしまうことがある。
ボク自身も間違えたことがあるくらいに、間違いやすい場所。
何度も来ているリピーターも、暗闇の中では、道をなかなか覚えることはできない。
コッシ―チームは、無事に右の道を選択した。
と思ったら、ライトが戻ってくる。
ボクと千奈はあわてて、隠れる。
どうやら、リーダーが道を迷っているようだ。
しばらく、行ったり来たりしている。
そうこうしているうちに、千奈の携帯に電話が入った。
千奈があわてている。
「 カイから電話で、グループがいなくなったって言ってます。 」
カイは、イントラ。
初イントラのカイとなつみは、もともとわかりやすい 「 左の道 」 で出発させた。
一本道で、迷うはずもない。
ところが、5分間立ち止まる実習の間に、何を勘違いしたのかリーダーのMRAが、止まらずにそのまま歩いていってしまったらしい。
5分後に子どもたちのところに行くと、そこにはもういなかった。
二人は、あわてて追いかけたものの、見失ってしまったらしい。
コッシ―チームはようやく正しい道を選んだらしいい。
すぐに千奈にはグループについていかせて、ボクはいなくなった?わにごりらを探しに行くことにした。
橋を渡り、しばらく左からくる道を戻る。
歩きながら考える。
でも、どう考えても、一本道だから、迷子になるはずがない。
そうか、もしかすると合流地点で橋を渡らずに、右からくる道を言ってしまったのかもしれない。
息が切れる。
暗闇をボクは何度も走って探した。
しばらくすると、千奈からの電話。
どうやら、橋を渡った後、カイは、あの間違いやすい道を左に行ってしまったらしい。
わにゴリラは正しい道を歩いた。
グループがいなくなった、のではなく、つまり、自分たちが迷子になっていたってこと。
このことで、カイは、大いに反省し眼に涙を浮かべることになってしまうのだけれど、ともかく何事もなく、無事にMRAのチームはみずならに到着していた。
とにかく、よかった。
さて、みずならは800年の樹齢を終えて、今は大木を横たわらせている。
6月に下見に来たときには、まだ老木として健在だったけれども、ひと月の間に倒れてしまった。
ボクは、到着後、一人一人、その幹の上に乗せ、初めての子どもにも、リピーターにも、そこに起きた大自然の営みを目にさせた。
「 ここに、800歳になるミズナラがあった。君が乗っているのがその太い幹。
「 空に高くそびえ、枝は道を超えて向こうまで伸びていたんだ。
「 もう何年も前に、太い幹が雷で倒れてしまった。
「 ほら、向こうに倒れている太い幹が見えるか?
ボクが、ライトで照らすと、うっそうとした木々の間に幹が見え隠れしているのが見える。
「 倒れてしまったけれど、その幹から何本もの苗木が生えているのが見えるか?
「 このみずならは、もう倒れてしまったけれども、森は死なない。
「 こうやって、また再生していくんだ。
子どもたち一人一人に、ボクはこのことを伝えた。
誰もが皆、静かに耳を傾けていた。
ボクにとって、このみずならは特別なものだった。
グロースのシンボルだった。
100年後に、この場所にまた、みずならが天を目指して幹や枝を伸ばしているのだろうか。
誰かが、子どもたち連れて、この場所に、子どもたちが集ってきていたことを伝えてくれるだろうか。
帰り道は、わいわいとにぎやかにあるいた
忘れられない、ナイトハイクだった。
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