自分セラピー

「自分を好きでいる」ことは人生を豊かにしてくれます。そこに気づかせてくれる沢山のファンタジー文学を紹介していきます

入江杏さん講演「悲しみを癒すグリーフワーク」

2012-03-19 07:25:39 | 講演
二日目のブラッシュアップセミナー。


午前中は入江杏さんの講演です。


「悲しみを癒すグリーフワーク」について。


すでに何度もブログに書いていますが、杏さんは「世田谷事件」の被害者の宮沢泰子さんの実のお姉さん。


大の仲良しの杏さんと妹さんは、壁一つ隔てた2世帯住宅に住んでいました。



お互いの子供たちの成長を楽しみにしながら、いつもと同じように過ごしていた大晦日の夜の事件です。


2001年元旦の朝に、なかなか起きてこない娘たちの様子を見に行ったお母様が発見した惨状。


それ以来、杏さんと杏さん家族の人生は一変してしまいました。


6年以上、事件について振り返ることもできず、津波にのみこまれるような夢を何度も何度も見ていたそうです。


長い苦しみののち、杏さんは、亡くなった小学校2年生だったにいなちゃんが描いた、一枚の絵をきっかけに再生の道を歩みはじめました。


それは好きな本を読んでその話の一場面を絵にする、と言う授業で描かれたもの。


にいなちゃんが描いたものは、『スーホの白い馬』。


冒頭の白い仔馬を見つけた場面でした。






事件から何年もたったある日、杏さんは担任の先生から受け取った当初には目に入らなかった、一人の羊飼いをその絵の中に見つけます。


このスーホの物語は、杏さんにとってはつらい物語でした。


最愛の仔馬を救えなかったスーホに自分を投影し、「なぜ大切な妹家族を救えなかったのか」と、自分を責め続けていたからです。


でも、何年も経過して、改めて手にしたその絵の中に、物語には登場しない一人の羊飼いを見つけました。


その羊飼いは黄色いバンダナをして、仔馬を抱えるスーホをじっと見守っています。


杏さんは、その時に気付きました。


黄色のバンダナは、杏さんが事件当日に見かけたにいなちゃんが頭に着けていたもの。


その羊飼いは、ほかの誰でもないにいなちゃんであることを!


にいなちゃんが、ずっとスーホを・・・杏さんを見守っていたのです。



この体験をきっかけに、杏さんの心の回復がスタートしたのかもしれません。


杏さんは、自らも絵を描き、いくつもの絵本を作りました。


出版された、『ずっとつながっているよ』の読み語りは、何度聞いても心打たれます。





昨日は、ジャズピアニストの池田みどりさんが、生演奏をつけてくださった、さらにその言葉達が心に響きます。


杏さんの体験に基づいた、グリーフワークについての講演はプロのアートセラピストたちにとっては、本当に貴重なものでした。


私たちのしてきた世田谷の子どもたちの教室について、何度も何度も感謝の言葉をいただきました。


杏さんとは、これからも大切なかかわりを指定けるうような気がします


杏さん、ありがとうございました。


午後のアートワークについてはまた明日。










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