繁浩太郎の自動車と世の中ブログ(新)

モータージャーナリストとブランドコンサルタントの両方の眼で、自動車と社会をしっかりと見ていきます。

クルマの整備の変化

2016-12-13 10:12:02 | 日記

クルマの整備士が3割減!自動車安全に深刻な危機??

 本日の週刊ダイヤモンドのWebニュースで表題の見出しを見つけた。

読んでみると、・・・

「自動車業界が頭を悩ませる問題が浮上している。自動車整備士の人材不足があらわになっているのだ。今後、電動化や自動運転といった先進技術に対応できなくなる零細の整備工場が増えるのは間違いない。行政や業界の無為無策が続けば、自動車の安全性を揺るがす問題につながるだけに事態は深刻だ。

 「10年後には整備不良の車が公道を走りかねない」。ある自動車メーカー社員は、そう危機感をあらわにする。」

とあった。

 

確かに、整備士の数は減少しているようだ。

しかし、これが「10年後には整備不良の車が公道を走りかねない」に直結するだろうか??

 

 

私は、いわゆる「車検」さえそんなに必要だとは思わない。

勿論、ユーザーではわかりかねる機械や電気のことなどを点検整備してもらえるのは、ありがたいし、周りに迷惑をかけるある一定の改造車の抑制にもつながっているので、全面否定をするつもりはない。

 

ただ、クルマの耐久性能は飛躍的に向上し、簡単に言うと、日本で10年10万キロ走ったクルマが、海外(新興国)に輸出され、その先で日本車は壊れにくいからと高値で取引され、クルマとしての第二の人生を生きている。

 

私は、あまりタクシーに乗らないが、乗ったら必ず運転手さんに「このクルマ何万キロ走っていますか?」「今までの故障は?」

この答えは、バラツキは勿論あるが、丸めると都内で2〜3年、20〜万キロ。そのクルマが地方のタクシーに天下りして、50〜60〜万キロ、5年〜8年程度のクルマ人生をおくるようだ。

故障は、一声でほとんどなし。あっても「ステアリングのウレタンがツルツルになって、交換した」などのような故障レベルでなく、「トランスミッション交換」というのもあるが、これも故障レベルとは言いにくく、ほとんど故障はないようだ。

タクシーは毎年車検を実施されているからかも知れないが、とにかく一般のユーザーよりも過酷に使用されていても、数十万キロ、50〜60万キロは大丈夫そうだ。

 

一方、海外(新興国)に出たクルマには車検はないが、日本車が高値で取引されるという事は、その耐久品質が良いということの裏付けになると思う。

 

 

あと、クルマは機械モノだった。

と過去形になるのは、今ではクルマは確かに機械モノには代わりはないが、実際にエンジンなどは、コンピューターがないと回らない。ヘッドライトなどもそうだ。

つまり、今のクルマ機能はほぼコンピューターで制御されている。

これの意味するところは、「クルマはコンピューター無しで動かない」ということだ。

 

そうなると、当然点検整備も変わってきている。

昔のクルマが機械の時代には「クルマの整備も見てわかるもの」が多かったが、いまでは「診断機」なしに点検整備は出来ない。

これは、クルマがコンピューターで制御されているため、故障箇所をみつけるのも、コンピューターが必要になると言うことだ。

つまり、「エンジンがかからない」という故障の時、昔は点火系や燃料系など、たどっていって故障箇所をみつけたが、今は「診断機」をつなぐことにより、そのディスプレイ上に故障箇所が表示されて、さらにその部品自体をバラして修理するのでなく、殆どASSY交換つまり全取っ替えしてしまう。

変な話だが、クルマの整備マンのスキルは昔と変わってきて、勘や経験はあまり要らないのかも知れない。

また、これは整備にかける工数ダウンも意味している。

結果「次の担い手」が減ること自体は当たり前なのだ。

また、クルマも販売台数は下降だし、保有は伸びているが地方の足としてのクルマがEVなどに代わっていくと、いわゆる「自動車整備」ニーズはさがると言う事になる。


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