繁浩太郎の自動車と世の中ブログ(新)

モータージャーナリストとブランドコンサルタントの両方の眼で、自動車と社会をしっかりと見ていきます。

スマート・ルームミラー・・???

2016-12-05 18:15:49 | 日記

 日産は、ルームミラーにディスプレイ液晶モニターを搭載し、車体後部のカメラ映像とミラーとを瞬時に切り替えることができる「スマート・ルームミラー」を開発し、セレナなどに搭載している。

今までの、鏡面のルームミラーでは後席の人や荷物で視界が遮られたり、また天候によって後方をクリアに確認できない場合があったが、カメラとディスプレイ液晶モニターで後方の状況をクリアな画像で確認できるようになり、さらに通常のルームミラーに切り替えて後席の様子を確認することもできるものだ。

 

今まで、ルームミラーは法規的に鏡面での直接視ないといけなかったものが、緩和され、というか時代に合わせて、直接視でなくても良くなった。

 

これが進むと、カメラとディスプレイで、やろうと思えば死角ゼロでドライバーに情報を与える事ができるようになる。

 

これで、クルマの形も変わるかもしれない。

 

つまり、外のドアミラーが無くなる日がくるかもしれないのだ。

日本は大昔、ドアミラーはご法度で、今でもタクシーには残っているが、フェンダーミラーだった。

フェンダーミラーからドアミラーに変わっていったときも、クルマの見え方は大きく変わった。

安定感のあるものから、いかにも走りそうなスピード感のあるものになった。

初代シティは、ボンネットが短くさらにスラントしていたために、あるべきフェンダーミラー位置とそれを取り付けるフェンダーの位置が大きく離れて、背の高いステーが必要だった。

 

フェンダーからの長いステーで、角のようだ。

ドアミラーが解禁されて、スッキリとしたデザインになった。

ボンネットが短くて大きくスラントするデザインにはフェンダミラーは辛い。

 

 

この延長で考えると、もしドアミラーが無くなると、それだけでクルマのフォルム全体がツルッとした感じになり、より未来感のあるものになるかもしれない。きっとそういうデザインのクルマはでてくる。

クルマのデザインもより未来感のある形に変貌するはずだ。

 

ただ、視界という機能的には良いのだが、ミラーとディスプレイでの大きな差は、焦点距離だ。

鏡面のルームミラーで後ろをみると数メートル以上の焦点距離となる。これが、ディスプレイを今までのルーフ前方やインパネあたりに設置するとなると、その焦点距離はせいぜい1m以内だ。

 

ドライバーの、前方運転視界は数メートルから数十メートルだ。ルームミラーが鏡面の時は、この感覚で後方も視認できる。つまり、外側の視界はすべて数メートル以上となっていて、人間の視覚感覚と同じだ。

しかし、ディスプレイになるとこの感覚が、前方だけリアルで、後方や後側方は室内の距離感で見ることになり、まさにゲーム感覚となる。

 

この感覚の差は、当然高齢化するほど意識してしまう感覚だ。

高齢化と言っても、認知機能や視力がどうのこうのより、若い頃からのってきた感覚と変わることが違和感になるのではないかと思う。

カメラとディスプレイモニターでクルマの後方から側方まで、つまり死角を無くすという事は、安全運転にとって素晴らしいことだが、何か感覚に違和感を覚えることのネガも研究しつくしてほしいと思う。

 

全部、ITでつながったりAIが判断しての自動運転になれば良いと思うが、それまでの過程では、少々の混乱はあると思う。

言いたいのは、自動運転に向けた過程の技術の技術は、作る方も認可する方も、そのことを慎重に認識してほしいということ。また、ドライバーも自分の責任で、流行りというだけでなく良く考えて選び、安全運転をして欲しい。

 

つまり、完全自動運転までは、ユーザー参加型の半自動運転で、その間は注意して、関係者が協力し責任分担していく過程があるということ。

 

もっというと、完全自動運転までは、自動車の品質の全責任がPL法のような製造者責任というような考え方では、難しいのかもしれないと、ユーザーも「オウンリスク」で考えて欲しいのだ。

環境対策において、ユーザーが行う「分別ゴミ」の様に、ユーザー参加が自動車の進化の過程でも必要になると思う。

 

テレビなどは、ラジオから進化し「白黒テレビ」「カラーテレビ」「ハイビジョン」など、進化の過程でそれぞれ楽しめたが、クルマの自動運転化は異なると思う。

 

 

 

 

 


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