今回は、厳しい話かも・・をつれづれなるままに・・ですが。
今回のことは、多くのニュースで言われているように、三菱自動車とユーザー間に終わらず、対日産自動車、販売店、部品メーカー、エコカー減税など多岐に影響がありそうで、さらにお金だけではない世の中への悪い影響もはかりしれないでしょう。
それ程の事なのに、「部長レベルが指示」して出来るものなのか? よくわからない。
まったく三菱自動車のガバナンス・コンプライアンスはどうなっているのか?
自動車メーカーの工場は認定を取得した自動車を生産するわけで、しかも「完検証」を発行する認定工場な訳だから、生産された自動車の出荷品質に責任をもたなければならない。
つまり、認定項目を保証しなければならない。
三菱自動車の工場は、そういう立場で完成車の燃費をみていたのだろうか?
なんで認定値と異なる性能の自動車が作られ工場から流出していったかということが、理解できない。
「三菱自動車ブランドに大きなキズ」と言われているが、私は「インナーブランディング」への影響も大変大きいと思う。
ブランドでは、お客さんが感じるアウターブランディングは大切ですが、社内向けのインナーブランディングも大切です。
つまり、従業員の「やる気」、「モチベーション」「プライド」「社会人としての自覚」などのベクトルとその大きさが「魅力的商品」を作るベースとなるためインナーブランディングは大切なのだが、それが根本から崩れてしまう。
今後三菱自動車は、こういう内側の課題が大きく残り、「魅力的なクルマづくり」が出来るのだろうか?
自動車メーカーは、作れば売れる時代を過ごしてきて、それがダメになっても、中々「本当の意味での顧客主義」でのマーケティングなど出来ずプロダクト・アウト体質が抜け切っていない、という全体としての課題もあるかと思う。
いつまでも「モノ」を作っている。
言われて久しいが、今は「コト」をつくる時代なのに、「モノ」から抜け出せない。
「本当の意味での顧客主義」になっていない。
また、多くの自動車メーカーには大企業病という課題もあるのではないか。
90年頃のバブル以降、自動車販売が落ち込み、お客さんにとって「魅力のある商品」を創造して販売台数を上げることに邁進するより、販売台数が期待出来ない中では収益管理など「お金」が大切になり、間違った「効率追求」が蔓延してきたのではないか。(効率は効果があってこそのものなのに、とにかく効率と。)
「効率追求」が厳しいと、「魅力のある商品」をうむクリエーティブ体質は弱くなる。
つまり、「魅力のある商品」をうむのは「非効率な作業」。
しかし、この「効率追求」→「ピラミッド組織によるオペレーション体質」は、社員にとっては意外と「楽」という面があり、なかなか抜け出せない。
考えずに、言われた事をひたすらやっておけば良いのだから。
そんな中で、商品はコモディティ化して、競合車との差も少ない。
(どの車のカタログも、ほぼ同じ謳い文句。スタイル良くて、広くて、乗り心地良くて、品質良くて・・・つまり同じコンセプトということになる。)
燃費は、NO1とか数字で表せるので、ユーザーにとって分かりやすい。
つまり、燃費22km/Lというのと、23.5km/Lとでは、天と地の差にみえるし、また売る側もそう言いやすい。
「魅力のある商品」を中々生み出せないカーメーカーが、グローバルでCAFEなど燃費が注目されるなか、日本のユーザーは商品選択時にあまり深く考えずに分かりやすいことで判断するという本質をついて、燃費での差別化を新技術でがんばっているのかもしれません。
・・・これはひねくれ過ぎ? (笑)
そんなお客さんの価値観の本質を知っているカーメーカーでは、競合車に燃費で勝てない新規開発車は、カタロググレード(装備を極端に剥ぎ取り、実際にはユーザーがとても買えないグレード)を作り、これでカタログ燃費の競争力はキープしながら、実際の販売は装備がキチンと付いて燃費が少し悪いグレードを売るという販売手法を考えだしたりもしました。
カタログ燃費の達成率は、ネットのe燃費などで見られますが、これはユーザーの投稿なので、発売されてからある程度時間がたたないとわからないのと投稿者の走行モードや走行環境がばらばらで、結構燃費もばらついて、実際ユーザーはどういうふうに判断していいか、わかりにくい。
しかし、数値は投稿者がズルをしていない限りリアルなので、だいたいの実用燃費は推察できます。
カタログ燃費重視のカーメーカーは、実用燃費を全く無視してカタログ測定モードだけに合わせてセッティングしカタログ燃費だけを良くしてしまうことも出来ます。この場合は、当然、実用燃費とカタログ燃費の乖離が大きくなってしまう。
普通、お客さんの事を考えるカーメーカーはカタログ燃費が少し落ちても、実用の燃費をキープする事を考えます。
こうなると、カタログ燃費と実用燃費の乖離の大きいカーメーカーの商品購入に関しては慎重になるということも、我々お客の責任として必要なのかも知れない。
ユーザーはメーカーの謳い文句にのせられない事を考え判断すべきということ。
カタログ燃費は数字で出るので、ユーザーに分かりやすい競合車との差別化となっているが、その本質を少しでも理解し車選びをしてほしいということです。
つまり、お客さん、ユーザーには、良く考えて欲しいのです。
まぁ、カタログ燃費をそのまま鵜呑みにするユーザーはもう居ないと思いますが、やはり惑わされているでしょ。
また、カーメーカーは燃費ばかりでなく、本来の商品魅力で競合車と差別化する事を考えるべきと思う。
魅力的商品が出ないから、「クルマは楽しくない、興味ない」となっている一面もあると思う。
言うのは簡単だが、カーメーカーは投資が大きいので、台数を売らなきゃ償却しないという産業構造が大きく、数売れるクルマの企画が大切になる。ここで間違ったマーケティングで「万人ウケ」を考えてしまう。
少ない台数でも成り立つカーメーカーは、差別化された魅力的商品を作りやすい。
今回の三菱自動車の燃費不正は勿論三菱自動車の責任ですが、私達日本国民も「うわべのわかりやすさでモノ事をみて購入」するのでなく、本質までとは言わないが「購入時にはモノ事に関して良く考える」責任があるのかも知れない。
国会議員やその他の選挙だって、国民に向かって「候補者の名前を連呼」し、「美しい日本」など誰も反対しないことを「政策キャッチフレーズ」にしたりして、これって国民がそれで動くからやっている訳ですから、私たちはもっとシッカリしなきゃいけないのではないでしょうか?
結局、自分達にかえってきます。
下記に添付したのは、昨年に私がオートプルーブという自動車媒体に寄稿した記事です。
カタログ燃費と実用燃費に触れています。チョット難しいですが良かったら読んでみてください。自動車の燃費に対する理解が少しアップすると思います。
・・・再度、読んでみると修正したいとこが出てきましたが(笑)。
http://car.autoprove.net/2015/02/3659/
今回のことは、多くのニュースで言われているように、三菱自動車とユーザー間に終わらず、対日産自動車、販売店、部品メーカー、エコカー減税など多岐に影響がありそうで、さらにお金だけではない世の中への悪い影響もはかりしれないでしょう。
それ程の事なのに、「部長レベルが指示」して出来るものなのか? よくわからない。
まったく三菱自動車のガバナンス・コンプライアンスはどうなっているのか?
自動車メーカーの工場は認定を取得した自動車を生産するわけで、しかも「完検証」を発行する認定工場な訳だから、生産された自動車の出荷品質に責任をもたなければならない。
つまり、認定項目を保証しなければならない。
三菱自動車の工場は、そういう立場で完成車の燃費をみていたのだろうか?
なんで認定値と異なる性能の自動車が作られ工場から流出していったかということが、理解できない。
「三菱自動車ブランドに大きなキズ」と言われているが、私は「インナーブランディング」への影響も大変大きいと思う。
ブランドでは、お客さんが感じるアウターブランディングは大切ですが、社内向けのインナーブランディングも大切です。
つまり、従業員の「やる気」、「モチベーション」「プライド」「社会人としての自覚」などのベクトルとその大きさが「魅力的商品」を作るベースとなるためインナーブランディングは大切なのだが、それが根本から崩れてしまう。
今後三菱自動車は、こういう内側の課題が大きく残り、「魅力的なクルマづくり」が出来るのだろうか?
自動車メーカーは、作れば売れる時代を過ごしてきて、それがダメになっても、中々「本当の意味での顧客主義」でのマーケティングなど出来ずプロダクト・アウト体質が抜け切っていない、という全体としての課題もあるかと思う。
いつまでも「モノ」を作っている。
言われて久しいが、今は「コト」をつくる時代なのに、「モノ」から抜け出せない。
「本当の意味での顧客主義」になっていない。
また、多くの自動車メーカーには大企業病という課題もあるのではないか。
90年頃のバブル以降、自動車販売が落ち込み、お客さんにとって「魅力のある商品」を創造して販売台数を上げることに邁進するより、販売台数が期待出来ない中では収益管理など「お金」が大切になり、間違った「効率追求」が蔓延してきたのではないか。(効率は効果があってこそのものなのに、とにかく効率と。)
「効率追求」が厳しいと、「魅力のある商品」をうむクリエーティブ体質は弱くなる。
つまり、「魅力のある商品」をうむのは「非効率な作業」。
しかし、この「効率追求」→「ピラミッド組織によるオペレーション体質」は、社員にとっては意外と「楽」という面があり、なかなか抜け出せない。
考えずに、言われた事をひたすらやっておけば良いのだから。
そんな中で、商品はコモディティ化して、競合車との差も少ない。
(どの車のカタログも、ほぼ同じ謳い文句。スタイル良くて、広くて、乗り心地良くて、品質良くて・・・つまり同じコンセプトということになる。)
燃費は、NO1とか数字で表せるので、ユーザーにとって分かりやすい。
つまり、燃費22km/Lというのと、23.5km/Lとでは、天と地の差にみえるし、また売る側もそう言いやすい。
「魅力のある商品」を中々生み出せないカーメーカーが、グローバルでCAFEなど燃費が注目されるなか、日本のユーザーは商品選択時にあまり深く考えずに分かりやすいことで判断するという本質をついて、燃費での差別化を新技術でがんばっているのかもしれません。
・・・これはひねくれ過ぎ? (笑)
そんなお客さんの価値観の本質を知っているカーメーカーでは、競合車に燃費で勝てない新規開発車は、カタロググレード(装備を極端に剥ぎ取り、実際にはユーザーがとても買えないグレード)を作り、これでカタログ燃費の競争力はキープしながら、実際の販売は装備がキチンと付いて燃費が少し悪いグレードを売るという販売手法を考えだしたりもしました。
カタログ燃費の達成率は、ネットのe燃費などで見られますが、これはユーザーの投稿なので、発売されてからある程度時間がたたないとわからないのと投稿者の走行モードや走行環境がばらばらで、結構燃費もばらついて、実際ユーザーはどういうふうに判断していいか、わかりにくい。
しかし、数値は投稿者がズルをしていない限りリアルなので、だいたいの実用燃費は推察できます。
カタログ燃費重視のカーメーカーは、実用燃費を全く無視してカタログ測定モードだけに合わせてセッティングしカタログ燃費だけを良くしてしまうことも出来ます。この場合は、当然、実用燃費とカタログ燃費の乖離が大きくなってしまう。
普通、お客さんの事を考えるカーメーカーはカタログ燃費が少し落ちても、実用の燃費をキープする事を考えます。
こうなると、カタログ燃費と実用燃費の乖離の大きいカーメーカーの商品購入に関しては慎重になるということも、我々お客の責任として必要なのかも知れない。
ユーザーはメーカーの謳い文句にのせられない事を考え判断すべきということ。
カタログ燃費は数字で出るので、ユーザーに分かりやすい競合車との差別化となっているが、その本質を少しでも理解し車選びをしてほしいということです。
つまり、お客さん、ユーザーには、良く考えて欲しいのです。
まぁ、カタログ燃費をそのまま鵜呑みにするユーザーはもう居ないと思いますが、やはり惑わされているでしょ。
また、カーメーカーは燃費ばかりでなく、本来の商品魅力で競合車と差別化する事を考えるべきと思う。
魅力的商品が出ないから、「クルマは楽しくない、興味ない」となっている一面もあると思う。
言うのは簡単だが、カーメーカーは投資が大きいので、台数を売らなきゃ償却しないという産業構造が大きく、数売れるクルマの企画が大切になる。ここで間違ったマーケティングで「万人ウケ」を考えてしまう。
少ない台数でも成り立つカーメーカーは、差別化された魅力的商品を作りやすい。
今回の三菱自動車の燃費不正は勿論三菱自動車の責任ですが、私達日本国民も「うわべのわかりやすさでモノ事をみて購入」するのでなく、本質までとは言わないが「購入時にはモノ事に関して良く考える」責任があるのかも知れない。
国会議員やその他の選挙だって、国民に向かって「候補者の名前を連呼」し、「美しい日本」など誰も反対しないことを「政策キャッチフレーズ」にしたりして、これって国民がそれで動くからやっている訳ですから、私たちはもっとシッカリしなきゃいけないのではないでしょうか?
結局、自分達にかえってきます。
下記に添付したのは、昨年に私がオートプルーブという自動車媒体に寄稿した記事です。
カタログ燃費と実用燃費に触れています。チョット難しいですが良かったら読んでみてください。自動車の燃費に対する理解が少しアップすると思います。
・・・再度、読んでみると修正したいとこが出てきましたが(笑)。
http://car.autoprove.net/2015/02/3659/
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