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繁浩太郎の自動車と世の中ブログ(新)

モータージャーナリストとブランドコンサルタントの両方の眼で、自動車と社会をしっかりと見ていきます。

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2015-08-26 17:23:28 | 日記
私の愛車遍歴 1 - シビック

私が初めて買ったクルマは初代のホンダ・シビックでした。

当時、何でシビックかというと、私の収入からすれば軽自動車でも高価だったのですが、気持ちからすると、どうしても軽自動車は嫌で「普通車」を買いたくて、価格を調べたらこのシビックが「普通車」で一番安く、販売店の値引きもあって、なんとか買えそうということで買いました。
また、私が購入した頃のシビックはそのピークは過ぎていましたが、まだ「安くても恥ずかしくない」、「これが欲しいと思って買っているように思われる」イメージが残っていました。

この写真が好きでした。

勿論、購入前からシビックの事は知っていて、友達も乗っていましたので運転もしたことがありました。
一言で言うと「車になっていない」という感想をもっていました。
当時は、サニーという良いクルマがあって、特にクロスレシオ5速は走りがよく、憧れました。
見てくれとスペックだけのトヨタ車はなんだか素人向けのクルマばかり作っている感じで嫌いでした。
当時、日産にはスカGがあって、これがL型直6ツインキャブ、ハイオクですごく良く走ったのです。「愛のスカイラン」というキャッチコピーでした。


次の、「ケンメリ」からは、日産ローレルとの共用感がまして、スカイランは名実ともに「日産車」となり、つまらなくなっていったと思っています。

「愛のスカイラン」には、プリンスの作り手の魂が感じられましたが、「ケンメリ」からは商売的な匂いがして、クルマとしての魅力が薄れました。 ※個人の感想です。(笑)
今日本の、ほとんどのカーメーカーは商売色が濃いから、クルマの魅力が伝わらないのではないでしょうか???
また、作り手は社内で尊重されてない感じですね、というのも作り手の魂を感じないのです。


当時、ほとんどがサニー、スカイラインのようなFR車で、FF車は珍しく「変わり者」でした。
だって、ハンドルは重いし、やっと切っても曲がらないし、前タイヤは減るし、センターコンソールのない室内はかっこ悪いし・・・。
そんな時代でしたが、軽の「Nっコロ」ハッチバックスタイルは、若々しく、VAN/JUNの時代にあっていたと思います。結果、価格が安く馬力があるということもありましたが、爆発的に売れています。
シビックは「Nっコロ」の拡大版でしたが、FFが先進というよりも、ハードがどうのこうの言うよりも、やはりシビックのスタイルとそれを使う生活シーンが新しく、特に若者に歓迎されて、1つの時代を築いたのだと思っています。
(当時、軽は「安くて小さい」イメージで、いくら「Nっコロ」のスタイルが良くても、やはり世の中を変えるほどの事は難しかったのかもしれません。後々、時代は変わって、ワゴンRは軽でも世の中を変えましたが。)

シビックのハンドリングはキビキビしていましたが、タックインも強く、ブレーキ踏みながらハンドルきると、スピンモードになりやすかったです。雪道の下り等。
私達の世代はFRが当たり前で、その走りに慣れていたので、この走りは面白い人には面白く、危ない人には危なかったと思います。
高速で走ってて、アクセルオフでハンドル切ると、場合によってはスピンに入り、私の大学の先輩はこれで、シビックを廃車にしてしまいました。本人はなんでスピンしたかわからないと言っていました。
今では勿論、その走行フィールはFRとFFとでかなり近づきました。FF技術者の頑張りがすごかったと思います。

その後、クルマ社会の熟成とともにユーザーの価値観もスピードに代表される「走り」から、使い勝手や楽しさ方向で「室内の広さ」「静かさ」等に移り、FF車は「室内が広い」となり、ほとんどのクルマがFF化されていく事になりました。

確かに時期的には初代シビックはFFが盛り上がる入り口の頃のものなので、FF先駆者のように言われたりもしますが、実は走りとか「ハードのクルマ」から、「ファッションのクルマ」への時代の先駆けだったと思っています。
初代シビックと言うと、「FF先駆け」、「RS」、「小さくても広い」、「CVCC」など、ハードをよく語られますが、「クルマのファッション的位置づけ」を確立したクルマというのが、初代シビックに対する私の評価です。
作り手が、一生懸命、魂込めてハードを作っているからこそ、結果こういう形で世の中に受け入れられたのだと思います。

そんなシビックを当時、最初のクルマとして選んだ私は完全な中間層/フォロワー層でしたが、良かったと思っています。
買い物に行って、ハッチバックを開けてリヤ席を倒して、買った荷物を入れるときの「カー・ライフスタイル」は誇らしげで、楽しかった気持ちを思い出します。

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