繁浩太郎の自動車と世の中ブログ(新)

モータージャーナリストとブランドコンサルタントの両方の眼で、自動車と社会をしっかりと見ていきます。

三菱自動車 のニュースから考える

2016-01-22 10:36:43 | 日記
以前から販売不振が続いている三菱自動車は、今後のラインアップ計画を明らかにしたようです。


北海道の冬季試乗会の懇親会の場で、開発統括部門長の橋本徹氏より発表。


その内容は・・・
・2017年度にコンパクトSUVのアッパー分野に新型車投入。2019年度には『RVR』の後継にあたるロアー領域に新型車投入。
・クロスオーバーSUVは『アウトランダー』含めて、大、中、小の3車種とし、それぞれにエンジン車と電動車の両方で6車種となる。この6車種が中期的なラインアップの柱を担う。
・SUVとEVそしてPHEVでラインアップの強化をする。


SUVに舵を切ったのは、マーケティングの結果からトレンドを捉えての事かどうかはわかりませんが、とにかく結果として大きなトレンドにはのっていますし、4WDをやってきた三菱ブランドにとっても良い事と思います。

しかし、「三菱=SUV(クロスオーバー)」ブランドとするなら、昔のパジェロのような、その象徴となるモデルが必要となります。
三菱自動車のようなそれ程多くの販売量でないメーカーにとっては、あれもあります、これもあります、というような品揃えよりも、三菱自動車の象徴になる「一投入魂商品」で、ブランド作りをする方がマーケットやユーザーにより響くと思います。

その方向は、SUVの中でもユーザーがより多いのは、三菱自動車のいう「COMPACT」領域。
「MID」以上の大きなものは、北米マーケットでは良いですが、日本や他ではそのマーケットは比較的小さいと思うのです。

ホンダのCR-Vは北米では良いが、日本では辛くヴェゼル位の価格/サイズの方がユーザーに受け入れられている事を見ても明らかです。

私はレネゲードのような商品がこれからのSUVのトレンドではないかと思っています。
レネゲードは日本のマーケット専用ではないため、全長4255・全高1695は良いにしても全幅が1805mmもありチトデカイのが残念ですが、その商品コンセプトはトレンドを捉えていると思います。

いわゆるシャープなデザインで「カッコイイ」方向よりも、「脱力系」「遊び」「楽しさ」などがコンセプトになっているクルマです。

ホンダのヴェゼルもトヨタのC-HRも三菱のEXコンセプトも全て「カッコイイ」系です。
デザインもシャープですよね。
スマートなイタリア人がカッコイイスーツをきているようです。

「カッコイイ」系は誰が見ても、かっこ良く、ハンサムな人はモテルという不変の価値観にのっとっていると思いますが、ここんとこ、アイドルにしてもそんなに「カッコイイ」系ではないですよね。
トレンドとはそういうことだと思います。

しかし、SUV特化では台数的に厳しいと思う方もおられると思いますが、これも昨今はユーザーを絞りその価値観を深く掘った商品が先行層にヒットする事が多くみられます。

そういう意味では良いのですが、「ユーザーの価値観を深く堀る」ことが大切になります。
外すと誰もこない。

魚のいない漁場に釣り糸をたれてどんなに美味しいそうな餌をつけても釣れません。
これはあたり前の事として、たとえ魚のいる漁場で釣り糸を垂れても、魚が好む餌をつけていないということになってしまいます。

魚はボチボチ美味しいコース料理の餌は食べ飽きて、B級グルメ?になってきているかもですね。


カッコイイホンダのヴェゼルは14年は10万台近くの販売台数でしたが、15年は7万台程度です。
CX3はカッコイイと言われていますが、15年6月以降は月販目標台数の3000台に届いていません。




また、同様にカッコイイ方向のトヨタのC-HRは発売されればこれらの2車よりもはるかに結構な台数はいくと思いますが、それは既納客(トヨタ車ユーザー)の多さと販売力の差であって、トヨタの場合は先行層よりマジョリティを直接狙うことで量を稼げる体力のあるメーカーなのです。
言いたいのは、トヨタと三菱自動車では狙うユーザーが異なり、当然商品も異ならなければいけないということです。
トヨタがカッコイイ方向を貫くなら、三菱はチャンスかもしれません。



三菱自動車にとっては、昨年のモーターショーに出品したデザインのままでいいのでしょうか?



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