忘己利他

書道をやっています。大切な仲間に恵まれ、ふれあい、共に楽しむために・・・

第53回現日書展 終了

2013-08-11 06:33:29 | 言葉
お陰さまで、第53回現日書展が終了しました。
猛暑の中をお運びくださった皆様、本当に有難うございました 

それにしても、暑いですね 

冷房の効いた建物から外へ出た時のうだるような不快感、
電車やバスから降りた時のむっとした空気、
街を歩くとアスファルトからの熱を感じ、
身体中の全ての毛穴から汗が吹き出るような、気持ち悪さを感じます。



今回の書展の私の作品です。
皆さんが全紙2枚継ぎを何本も書かれる中、私は半切2本とちょっと抑え気味に。
まあ、文字数は多いから、いいか…なんて 

鴨長明「方丈記」の冒頭を書いています。

この随筆は、「無常観」を表しているものですが、
長明は無常な世の中にただ絶望するのではなく、
その現実を受け容れながらも
自分らしく淡々と生きることの大切さを説いている。
と、作品解説に書いてありました。

平安王朝から鎌倉幕府へと政権が移った「戦乱・混迷の時代」に
「政治・戦の混乱」と合わせて相次いだのが「天変地異(自然災害)」、
人為ではどうしようのない自然の猛威に対しても、
鴨長明は冷静に『諸行無常の理』を語っています。


高校時代に古典の授業で習ったはずですが、
すっかり忘れてしまって、
今回、少しだけ読み返してみました。


「体験したことのない大雨」があったり、
40度近い猛暑続きだったり、
最近は、現代人もなすすべのない
異常気象に悩まされていますね。

また、今日も暑そうです。
皆様、どうぞご自愛ください。


第53回現日書展 私の好きな作品 ④

2013-08-09 22:57:07 | 書展
第53回現日書展も残すところ1日となりました。
明日の最終日は、午後2時終了となります。

書展が始まる時のワクワク感と対照的に
終わりが近づくと、名残惜しく寂しい気持ちになるのは、
私だけでしょうか? 

秋田や岩手では、「体験したことのない大雨」で
被害も出ているようです。
お見舞い申し上げます。

また、関東はものすごい暑さ。
明日は今日よりももっと暑いようで、
関東北部は38度の最高気温予想です。

皆さんくれぐれもご注意ください。

これまで現日書展の作品をいくつか、ご紹介してきましたが、
本日は、先日太空会書展でも素敵な作品を見せてくださった
木原光威氏の作品です。



(アキアカネ)蒼空に舞う 橋村満の詩より


いつもうまいなあと感心するのは、落款です。


(落款部分のみ拡大)

アキアカネというのは、赤とんぼのことですね。
都会では、赤とんぼなぞ、見なくなりました。
新潟の広大な自然の中に生活しておられるので、
選ばれる題材も作品も、ゆったりとした、おおらかさがあります。
都会に住んでいる者には、羨ましく、懐かく。

彼の作品は激しくもありますが、
私は、彼の作品の前に佇み、じ~とその場を離れたくないような、
安らぎを感じます。







第53回現日書展 私の好きな作品 ③

2013-08-09 08:37:03 | 書展
第53回現日書展の会期も、残り2日となりました。



現日会の庶務係主任 T先生の作品です。
「ばく焉」(漢字が難しくてブログ用の活字には表せないようです) 非常に遠いさま。遠くてはっきりしない様の意。
多分全紙6枚(横420縦70)の大作です。

豪放磊落でスケールの大きな作品をいつも書かれます。
人としての度量の大きさがそのまま作品に表れていると思います。

現日会の事務仕事や雑務の要になって、
みんなが嫌がる仕事を率先してやってくださり、
その献身的なお仕事ぶりは、いつも頭が下がります。
作品も大好きですし、そのお人柄を尊敬しています 




私の大の仲良し、Iさんの作品です。
「沙羅の花」
沙羅といえば、平家物語で
「沙羅双樹の花の色盛者必衰の理をあらわす」と無常観を示し、
かれんで儚くといったイメージがぴったりの作品です。

現日会のHPは、彼女が主体で作ってくださっています。
海外旅行にも度々行かれ、見識が広く、パソコンに強く、お酒も強い、
素敵な友達です。


現日会には大好きな仲間がたくさんいます。
私は、その素敵な人々に囲まれて、本当に幸せです 



嬉しい訪問者

2013-08-07 22:23:33 | 書展
暑~い、暑~い、一日でした。

上野駅を降りて公園口改札から都美術館への道のりは、
ことのほか暑さが堪えます。

ここ数日、現日書展通いをしていますが、
今日で拝見したのは、2回目。



どこの民族衣装でしょうか?
もしかして南米かな?
上野公園の木陰で、暑さを吹き飛ばす、
素敵な音楽を演奏している3人の外国の方がおられます。

その軽快なリズムは、上野公園内に響き、
たくさんの聴衆が周りを囲んでいます。
リズミカルな曲で、一緒に踊りだす方もいたりして。

演奏曲の中にサイモンとガールファンクルの「コンドルは飛んでいく」があって、
懐かしく聞き惚れていました 

そばに東京都の「ヘブンアーティスト」ののぼり。
ヘブンアーティストって何?
と、調べてみたら、
「東京都が実施する審査会に合格した
アーティストに公共施設や民間施設などを
活動場所として開放し、都民が気軽に
芸術文化に触れる機会を提供していくことを
目的としています 」
とのことです。


本日は友人のIさんが現日書展を見に来て下さり、
素敵なお友達を同行してくださいました。

鈴木さんという生まれつき脳性麻痺のハンディキャップのある男性ですが、
ヘッドギアに筆をつけて、30年近く書作をされているそうです。
鈴木さんを指導されている先生と
つきっきりでサポートされているヘルパーの方と
皆さんで熱心に現日書展をご覧くださいました 
書展をご覧になって、鈴木さんの次回作の構想が生まれた様子でした。



ちょうど池袋の西武デパートで「東京都障害者総合美術展」(主催 東京都)が開催中で、
そこで鈴木さんの「不言人是非」という作品が受賞されたそうです。(下の作品です)



長年、不自由なお身体にもかかわらず、
「書」に情熱を注いでおられる鈴木さんにお目にかかり、
健康な私たちは、もっともっとやらなければ、やれるんだという
勇気をいただきました 
ますます、鈴木さんにも、鈴木さんをサポートされる皆様にも、
頑張っていただきたいと思います。


西武池袋店の展覧会は、11日まで。
是非お立ち寄りください。






第53回現日書展 私の好きな作品 ②

2013-08-06 20:42:36 | 書展


金文作家として活躍される中谷翠泉先生の作品。
「瓦當」と言って、軒丸瓦の先端の半円または円形の部分です。
先端には文様や文字が施されるのですが、
今回は、「下若上林」と書かれています。
どんな意味?と調べてみると、「下若」はお酒で、「上林」は果物だそうです。

現日書展の会場の入口 第1室の超大作(全紙2枚継10曲)の隣に展示されているのですが、
その超大作の迫力に負けない、存在感を示しています

円形や半円の線は、紙へのくい込みが強く、女性の線とは思えないほどです。
「現日の女性は強い」と男性からいつも言われていますが、
気が強いとか気性が激しいのではなく、
作品への意識が高いということだろうと思います。

作品には、作家の意識や思考が大きく反映されます。
鑑賞者は、意欲を持って臨んだ作品を見ると、作家の熱意を感じ取ることができます。

中谷先生の作品からいつもメラメラと燃える情熱が感じられるのは、
「良い作品を書きたい」と常々口癖のようにおっしゃり、それを実践されているからでしょう


本日は、麗川会の「現日書展見学ツアー」
雨に降られず、渋滞に巻き込まれることなく、
スケジュール通りに見学することができました。


上大岡にある富士バスさんのマイクロバスをお借りしました。
後ろ向きなのは、にこやかなドライバーの栗原さん

21人乗りの小さなマイクロバスのつもりが、
配車されたのは、25人ぐらい乗れるシートがフカフカな豪華バスでラッキー

書展会場では、賑やかな団体のお通り・・・でした