2007.03.12(月)
~ラスト・サムライ~(2003年・アメリカ)(My DVD Collection)
監督:エドワード・ズウィック
出演:トム・クルーズ,ティモシー・スポール,渡辺謙,ビリー・コノリー,真田広之 他
19世紀末…南北戦争の英雄「オールグレン」(トム・クルーズ)は,原住民討伐戦に失望し,酒に溺れる日々を送っていた…そんな彼が,近代化を目指す日本政府に軍隊の教官として招かれる…初めて侍と戦いを交えた日,負傷したオールグレンは捕えられ,「勝元」(渡辺謙)の村へ運ばれた…勝元は,天皇に忠義を捧げながら,武士の根絶を目論む官軍に反旗を翻していた…異国の村で,侍の生活を目の当たりにしたオールグレンは,やがて,その静かで強い精神に心を動かされていく…
ハリウッドが日本を描く時に,日本人としてまず気になるのは,これまで数々の作品で体験してきた「違和感」…アメリカのレンズに映される日本人の姿は,どこか滑稽で奇妙で,得体の知れないエイリアンでしかなかった…変わりゆく時代に失望し,誇りを失った主人公「オールグレン」は,遠き異国の日本で,信念を貫く武士の精神を吸収していく…ここでは,オールグレンがエイリアンであり,彼が出会った日本の侍たちが真のヒーローとして描かれる…
勝元を演じた渡辺謙の迫力は、トムをも凌ぐほど強烈…さらに,真田広之,原田眞人や福田清三などの実力派俳優たちが凛とした素晴しい演技を見せ,日本人による日本の演技がきちんと表現されている…アメリカらしい演出が出すぎた部分もあるが,ハリウッドが持つリアリズムへのこだわりが異なる文化をうまく際立たせ,充分に納得し且つ楽しめる大作となった…
「勝元」役を演じた渡辺謙は,アカデミー助演男優賞にノミネートされたのは記憶に新しい…