音楽とスパイの小説って、どんなの?
本屋大賞へのノミネートが決まった頃、
全然想像がつかなくて、他の本から読んだ(つまりは後回し)。
おもしろかったのよね。
武器はチェロ。
潜入先は音楽教室。
ああ!あの、著作権問題!
音楽教室での練習は、練習曲は、
著作権料の支払い対象なのか、
講師の模範演奏はどうなのか問題!
蘇るあの頃!
今もコンサートで取り上げる曲にはどのくらいの著作権料の支払いが発生するのか? と
頭を悩ませる一つ!!
音楽教室での生徒と先生の関係は
少しずつなんとなく変化していって、
長く習えば習うほど、特別な関係になる気がする。
という感じで、すごくわかるわかる! というのと、
嘘の上に危なっかしく築かれる関係に、
心が痛くなるような感覚で読み終えました。
私にも大切な音楽の師がいるのだけれど、
子供が通っていた大手音楽教室に置き換えたほうが、
この話はよりリアルに思えました。
そして久しぶりに思い出した先生。
うちには弾き手が家を出たので置き去られている楽器が鎮座している。
使われないのもアレだなぁ、と思うので、
そうかいっそ、私が習えばいいんじゃない?
習うならやっばり、あの先生がいいな。
めちゃくちゃ厳しかったけれど、
初めて演奏を聴いたときに
「この先生に習いたいね!」
って子供ともども感じた方。
お元気かなぁ。
きっとパワフルに教えていらっしゃるんだろうなあ。
…なんて思っていたのだけれど、
数年前に亡くなられたとのこと。
私より若いのに!
あんなに多才でカリスマ性のある方だったのに。
ショックでだいぶ前に読了していたけれども、
感想が書けずにいました。
ご冥福をお祈りするとともに
人生には限りがあることを痛感。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます