朝の電車。
藤沢まで日経電子版を読み、その後爆睡。
何しろ眠くて、何も頭に入ってこない。
電車は、勤務先の駅にあっという間に到着し、
ホームに降り立つと、何者かに肩を叩かれた。
電子新聞が、
その肩を叩いた人物を認識するまで、
数秒を要した。
電子新聞は、眠くて意識が朦朧としていて
誰かにぶつかって
喧嘩を売られたのかと思ったのだ。
それなら逃げるまで。
電子新聞は争いごとを好まない。
どうやらそれは誤りだった。
次に、会社の人間かと思った。
電子新聞は一応管理職なので、
彼の肩を叩ける人物は限られてくる。
面倒だ。
電子新聞は会社で心を開いている人間が少ない。
それどころかあまり話したがらない。
しかし、それも誤りであることを認識した。
肩を叩いた人物をようやく認識した。
昆虫好きな男だ。
即ち、文庫本だ。
文庫本はひと回り以上年長だが、
明らかに電子新聞より爽快な表情だ。
朝に強いのだろうか。
それにしても良い朝だった。
ホームから改札までの間、色々と話した。
明日も会うのだろうか。
文庫本に伝えなければならない。
明日はいる。
明後日は数ヶ月ぶりに休暇を取るから、いない。
来週1週間は時差通勤なので、いない。