神道において神様の数え方は一柱、二柱です。
神社の御神体は人間の形からイメージされた神像ではなく、石や鏡や玉である場合が多く、御神木と云われるように樹木が神とされる場合もある。
八百万の神は全ての自然物に宿るわけですから、御神体も様々であってもいいはずですが、樹木の神格化の例は全国といわず国境を越えて多くあります。
樹木を木材まで広げて考えれば、例はもっと多くなります。日本は木材で家を作る位ありふれた素材だからとも言えますが、それだけとも言えないような。
木柱といえば諏訪大社の御柱祭を思い出しますし、ストーンサークルの木柱版ともいえるウッドサークルは縄文時代まで歴史を遡ります。
神を柱と数えるその後ろには樹木を神格化する考え方があるのではと想像してしまいます。
寺社巡りをしていると、地面に挿した杖から根付いたという御神木の謂れがよくあります。
杖の持ち主は高僧であったり歴史上の有名人であったりと様々ですが、杖と大地が生み出す不思議は樹木に限らず、泉が湧き出した理由にもなっています。
杖もまた木であって、木-柱-杖は神または神の依り代として扱われ、密教の呪具としての錫杖には神聖な力があるとみなされます。
さらに箸もその関係につながって、茶碗に盛ったご飯に箸を突き立てることは現代でも葬祭儀礼の一つです。
四国には山の忌み木として錫杖木(しゃくじょうぎ)と呼ばれる木があるそうです。
錫杖の形を見ると○と1が合体したФ型ですが、自然樹形として想像すれば三股か窓型になるのでしょうか。
物の形がその性質を現している、という考え方は古くからあり、薬草でも「葉の形が~に似ているから~に効く」のような言い伝えも多くあります。
樹木は成長過程の偶然からとても変わった形を作り出すことがあります。
奇異な形を尊ぶ以外に、神聖を現す何かに似た形のものをもまた神聖であると捉える信仰も広くあります。
たとえば観音様に似た自然石を神として祭るなど。
錫杖は修験道において重要な呪具です。
修験道といえば日本全国に霊山がある山岳信仰で、山で仕事をする人々と修験者・山伏の信仰は関係が深い。
三股の木と神の言い伝えに関連がありそうです。
ちなみに修験道といえば真言、天台の密教と繋がっています。
密教の呪具である三鈷や五鈷の形は三股の木とよく似ている。個人的にはこのあたりが三股の木の言い伝えの元ではないかと思っているのですが。
参考図書
箸と俎 鳥越憲三郎 毎日新聞社
カミの発生 萩原秀三郎 大和書房
神社の御神体は人間の形からイメージされた神像ではなく、石や鏡や玉である場合が多く、御神木と云われるように樹木が神とされる場合もある。
八百万の神は全ての自然物に宿るわけですから、御神体も様々であってもいいはずですが、樹木の神格化の例は全国といわず国境を越えて多くあります。
樹木を木材まで広げて考えれば、例はもっと多くなります。日本は木材で家を作る位ありふれた素材だからとも言えますが、それだけとも言えないような。
木柱といえば諏訪大社の御柱祭を思い出しますし、ストーンサークルの木柱版ともいえるウッドサークルは縄文時代まで歴史を遡ります。
神を柱と数えるその後ろには樹木を神格化する考え方があるのではと想像してしまいます。
寺社巡りをしていると、地面に挿した杖から根付いたという御神木の謂れがよくあります。
杖の持ち主は高僧であったり歴史上の有名人であったりと様々ですが、杖と大地が生み出す不思議は樹木に限らず、泉が湧き出した理由にもなっています。
杖もまた木であって、木-柱-杖は神または神の依り代として扱われ、密教の呪具としての錫杖には神聖な力があるとみなされます。
さらに箸もその関係につながって、茶碗に盛ったご飯に箸を突き立てることは現代でも葬祭儀礼の一つです。
四国には山の忌み木として錫杖木(しゃくじょうぎ)と呼ばれる木があるそうです。
錫杖の形を見ると○と1が合体したФ型ですが、自然樹形として想像すれば三股か窓型になるのでしょうか。
物の形がその性質を現している、という考え方は古くからあり、薬草でも「葉の形が~に似ているから~に効く」のような言い伝えも多くあります。
樹木は成長過程の偶然からとても変わった形を作り出すことがあります。
奇異な形を尊ぶ以外に、神聖を現す何かに似た形のものをもまた神聖であると捉える信仰も広くあります。
たとえば観音様に似た自然石を神として祭るなど。
錫杖は修験道において重要な呪具です。
修験道といえば日本全国に霊山がある山岳信仰で、山で仕事をする人々と修験者・山伏の信仰は関係が深い。
三股の木と神の言い伝えに関連がありそうです。
ちなみに修験道といえば真言、天台の密教と繋がっています。
密教の呪具である三鈷や五鈷の形は三股の木とよく似ている。個人的にはこのあたりが三股の木の言い伝えの元ではないかと思っているのですが。
参考図書
箸と俎 鳥越憲三郎 毎日新聞社
カミの発生 萩原秀三郎 大和書房