連日、茹だるような暑さ。サッカーの話はこれで当分お休みします。
以下、香川真司、ドイツ経由で目指すブラジルW杯(7月22日Sportsnavi)から引用
この夏、香川真司は念願かなってドイツ・ブンデスリーガ1部、ドルトムントへの移籍を果たした。既にオーストリア・シュテガースバッハで行われているプレシーズン合宿に合流しており、ブンデスリーガ特有のハードなトレーニングに舌を巻きながらも、新鮮な日々に胸を躍らせている。クロップ監督の覚えもめでたいようで、戦術練習や練習試合で早くも結果を出している様子が連日伝えられている。
<中略>
それほどまでにこだわったW杯メンバーだったが、結果はサポートメンバーとして日本代表チームに帯同するにとどまった。サポートメンバーとは、本大会に出場できず、本登録される23名とともに練習に参加する選手たちのこと。紅白戦などでは人数合わせとしての役割も求められる。日本サッカー協会側としては、将来的にこの帯同経験を生かしてほしいという意図があり、大学生を含む若手メンバー4人が選ばれる形となった。
<中略>
だが、南アフリカで見せた香川の表情は冴えなかった。Jリーグでは中断前の第12節終了時点で7得点、得点ランキング2位につけており、W杯メンバーの誰よりも結果を出していた。それだけにコンディションも良く、プレーのキレも精度も高い。だが、決して試合に出ることはないのだ。
「気持ちは毎日揺れています。つらいと言えばつらいし、つらくない日もある。モリ(森本貴幸)なんかもいるし、合宿生活自体は楽しいんですよね。でも、1人で考えてしまう時間もあるし……」
自ら納得した上でのサポートメンバーではあったが、実際に過ごす日々はつらかった。消化し切れない思いはフラフラと日和見的に動く。その度に胸を痛め、それでも気持ちを高めて練習に参加する。だが、夜ともなればひとり暗闇に思いをはせる日々が続いた。
<中略>
だが、練習こそ共にするが試合を外から見守るだけの香川の意見は若干異なった。
「もったいないというか、何て言うんだろう。もっともっと攻撃できるのではないかと思う。みんなで守備っていうのもすごいけれど。そうじゃなく個の力を出すことももっとできるんじゃないかな。松井(大輔)さんとか大久保さんとか、持ち味をもっと出せると思う」
精神的にも物理的にも日本代表チームとともにいる。ただ、サッカーを外から見つめるその目線は客観的に保たれたままだった。
香川がようやく晴れやかな表情を見せたのは6月29日、決勝トーナメント1回戦のパラグアイ戦に敗れた後のことだった。サポートメンバーとしての長い40日間は終わった。泣きじゃくるチームメートを尻目に、香川の視線はすでに次のステージを向いていた。
「世界レベルでもまれて戦わないといけない。僕とか、日本全体の若い選手がもっと世界に出て行かないと、4年後も勝てないなと感じました。やっぱり、今回の4試合を通して、日本は守ることに精いっぱいというところがあった。でも、本当はもっと攻撃的なサッカーができたと僕は思っています。何よりも個の力が足りない。Jリーグでいくら経験しても、この舞台では通用しないと思いました。ラストの精度、球際の強さなど、世界レベルを経験して、この舞台に戻ってきたい」
ピッチにこそ立てなかったものの、W杯の緊張感もレベルの高さも感じた。充実感も残った。そして、結果的にこのつらい日々を選択したことが、新たなる舞台へ旅立つ彼を、より強く後押しすることとなった。
「おれはこれからドルトムントで戦わないといけない。この40日間はつらかったし、試合で勝ち進むにつれて、悔しくて試合に出たい思いが込み上げてきた。とにかくそのピッチに立ちたかった」
すぐそばにあるのに手が届かない、もどかしさと歯がゆさと悔しさとともにあった40日間。だが、ほかの誰とも異なった経験値を得て、香川は新天地ドイツへと旅立った。
「4年後は中心選手としてやらなくてはいけない」
あらためて強く抱いた思いを胸に、香川はブンデスリーガでの戦いに挑む。
先を見据えて。この夏はJリーグを少しでも多く観戦したい今日この頃です。
以下、香川真司、ドイツ経由で目指すブラジルW杯(7月22日Sportsnavi)から引用
この夏、香川真司は念願かなってドイツ・ブンデスリーガ1部、ドルトムントへの移籍を果たした。既にオーストリア・シュテガースバッハで行われているプレシーズン合宿に合流しており、ブンデスリーガ特有のハードなトレーニングに舌を巻きながらも、新鮮な日々に胸を躍らせている。クロップ監督の覚えもめでたいようで、戦術練習や練習試合で早くも結果を出している様子が連日伝えられている。
<中略>
それほどまでにこだわったW杯メンバーだったが、結果はサポートメンバーとして日本代表チームに帯同するにとどまった。サポートメンバーとは、本大会に出場できず、本登録される23名とともに練習に参加する選手たちのこと。紅白戦などでは人数合わせとしての役割も求められる。日本サッカー協会側としては、将来的にこの帯同経験を生かしてほしいという意図があり、大学生を含む若手メンバー4人が選ばれる形となった。
<中略>
だが、南アフリカで見せた香川の表情は冴えなかった。Jリーグでは中断前の第12節終了時点で7得点、得点ランキング2位につけており、W杯メンバーの誰よりも結果を出していた。それだけにコンディションも良く、プレーのキレも精度も高い。だが、決して試合に出ることはないのだ。
「気持ちは毎日揺れています。つらいと言えばつらいし、つらくない日もある。モリ(森本貴幸)なんかもいるし、合宿生活自体は楽しいんですよね。でも、1人で考えてしまう時間もあるし……」
自ら納得した上でのサポートメンバーではあったが、実際に過ごす日々はつらかった。消化し切れない思いはフラフラと日和見的に動く。その度に胸を痛め、それでも気持ちを高めて練習に参加する。だが、夜ともなればひとり暗闇に思いをはせる日々が続いた。
<中略>
だが、練習こそ共にするが試合を外から見守るだけの香川の意見は若干異なった。
「もったいないというか、何て言うんだろう。もっともっと攻撃できるのではないかと思う。みんなで守備っていうのもすごいけれど。そうじゃなく個の力を出すことももっとできるんじゃないかな。松井(大輔)さんとか大久保さんとか、持ち味をもっと出せると思う」
精神的にも物理的にも日本代表チームとともにいる。ただ、サッカーを外から見つめるその目線は客観的に保たれたままだった。
香川がようやく晴れやかな表情を見せたのは6月29日、決勝トーナメント1回戦のパラグアイ戦に敗れた後のことだった。サポートメンバーとしての長い40日間は終わった。泣きじゃくるチームメートを尻目に、香川の視線はすでに次のステージを向いていた。
「世界レベルでもまれて戦わないといけない。僕とか、日本全体の若い選手がもっと世界に出て行かないと、4年後も勝てないなと感じました。やっぱり、今回の4試合を通して、日本は守ることに精いっぱいというところがあった。でも、本当はもっと攻撃的なサッカーができたと僕は思っています。何よりも個の力が足りない。Jリーグでいくら経験しても、この舞台では通用しないと思いました。ラストの精度、球際の強さなど、世界レベルを経験して、この舞台に戻ってきたい」
ピッチにこそ立てなかったものの、W杯の緊張感もレベルの高さも感じた。充実感も残った。そして、結果的にこのつらい日々を選択したことが、新たなる舞台へ旅立つ彼を、より強く後押しすることとなった。
「おれはこれからドルトムントで戦わないといけない。この40日間はつらかったし、試合で勝ち進むにつれて、悔しくて試合に出たい思いが込み上げてきた。とにかくそのピッチに立ちたかった」
すぐそばにあるのに手が届かない、もどかしさと歯がゆさと悔しさとともにあった40日間。だが、ほかの誰とも異なった経験値を得て、香川は新天地ドイツへと旅立った。
「4年後は中心選手としてやらなくてはいけない」
あらためて強く抱いた思いを胸に、香川はブンデスリーガでの戦いに挑む。
先を見据えて。この夏はJリーグを少しでも多く観戦したい今日この頃です。