(本当に一日でこれだけ天気が変わるものなのですね。昨晩は何日ぶりかでクーラーを入れずに熟睡できました。 今日も昼間はまだ暑いものの空気がカラッとしていて心地良い感じ。)
昨夜はクーラーなしの心地よい秋を感じながら、録画していた1990年のイタリア映画「みんな元気」(英名:Everybody's Fine)を観ました。
以前から観たかった映画なのですが機会がなく、やっと実現したという次第です。
監督はジュゼッペ・トルナトーレ、主演はマルチェロ・マストロヤンニ、更に音楽はエンニオ・モリコーネという豪華メンバーです。
大まかなストーリーは、妻を亡くしシチリアに一人住まいの70歳のマッテオは、5人の子ども全員にオペラの主人公の名を付けるほどの、オペラの大ファンですが、最近はシチリアに帰ってきてくれない子供たちを驚かせてやろうと、列車或いはヒッチハイクでイタリア各地をまわるというロードムービーです。
自分の頭の中で美化されている幼い頃の子供たちと、生活に直面している現在の子供たちとのギャップに戸惑いながらもイタリアを南から北へ向かう旅行は、失望に次ぐ失望、そして最後に知るのは子供の一人が自殺というショッキングな事実でした。
マッテオの訪問は、子どもたちの歓迎を必ずしも受けませんでしたが、一見、水臭そうに見えて、実は親子の深い愛情が垣間見えるもので、日本の小津安二郎監督、笠智衆と原節子が主演した「東京物語」を思い浮かべるような映画です。
ビックリしたのは、子供たちの幼い頃を思い浮かべる場面で、1988年作の「ニューシネマパラダイス」で主人公サルヴァトーレの「トト」と呼ばれていた子供時代を演じて超人気だったサルヴァトーレ・カシオが、殆ど「ニューシネマパラダイス」と同じ格好で出ていることでした。
同じ監督で、ほぼ同じころの作品なので当然かも知れませんが、とにかくビックリしました。
たまたま先日もマルチェロ・マストロヤンニがカトリーヌ・ドヌーヴと共演した、1972年のイタリア・フランスのドラマ映画「ひきしお」(監督はマルコ・フェレーリ)を観たばかりです、
これは地中海の孤島で出会った一組の男女がゆがんだ主従関係を結ぶようになる様子を取り上げた異色作品ですが、どちらの映画でも主演のマルチェロ・マストロヤンニの演技は極めて渋く、彼が名コンビと言われるイタリアの名女優であるソフィア・ローレンとの共演作である『昨日・今日・明日』(1963年)や、『ひまわり』(1970年)なども改めて観たくなりました。
尚、この「みんな元気」は2009年には、ロバート・デ・ニーロ主演でアメリカでリメイクされたようですので、これも観てみたいですね。(まさ)
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