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まんまるログ

融通性か?和・洋・中・無国籍・ジャンクとなんでも食べる胃袋と脳みそ。

百円の恋

2016年03月08日 | 映画
愛と誠…ガムコ。
助番役だった。

異才を放っていた。
存在感があった。
「かぞくのくに」…安藤サクラがいいよ。
から聞いたけど…見ていない。

「0.5ミリ」は導入から事件で始る。
どんどん引き込まれていく。

“一寸先は闇”の一寸は3センチちょっとだと思うが…映画の中で起きる事件は0.5ミリ先の話。

「私の日常でも普通におきうることなのかもしれない」身につまされる。
物悲しい。
そしておかしい。

老人と介護。そして生と性。
人間というものの持つ業のやっかいさ。

しみじみと見せてくれる “ま”…主人公と脇の俳優陣の汚さと巧さ。

「百円の恋」は底辺で希望のない主人公を演じる。
前半は肥満…中盤以降は痩躯という体力の限界にも挑む。
底辺のその下と言ってもいい生活から…ボクシングに没頭していく主人公。

自堕落なデブから…20k以上減量をする事。
それも短期間(二週間ぐらいだと聞いた)その変貌には、死を意識するぐらいの覚悟があった筈だ。

終盤の、ボクシングに挑む彼女の眼光の迫力と試合全部のシーンに集約されて心を撃つ。

自分の現実と未来に折り合いをつける事は難しい。
だれもがままならない人生を生きている。

連打を浴びながらマットに沈んでいく彼女の顔。
顔が腫れ上がっているのに美しい。
負けるな。
負けるな…とは思うが、負ける事がじーん じーんとかっこいい。

安藤サクラさんは凄い女優だと思う。
彼女はたくさんの顔をもっている。
「百円の…」では演技というものの枠を超えてしまったんだと思う。

映画だけではなく…表現者としての彼女は翼をそなえている。
イカロスの翼ではない。

太陽の熱さで溶けるような翼をもつ…やわな女優ではない。

クロッカスの花が咲いた。
我が家の桜はまだ固い。















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便利屋…萬の事承ります。

2015年05月30日 | 映画
映画『まほろ駅前多田便利軒』『まほろ駅前狂騒曲』…ドラマ『まほろ駅前番外地』
三浦しをん氏の原作はオフ・ビートでリズム間が気持ちに入ってくる所がいい。

ドラマも…映画も…原作のイメージを損なわず人情の機微を感じさせてくれる。
さすが、大森監督。
オフ・ビート…通常とは、はずれたところ…ジャズ演奏で特徴的に現れるリズム…強拍があること。
映画の中…随所のシーンで感じた。
舞台は東京近郊のまほろ駅前。
便利屋を営む多田啓介(瑛太)と、そこに転がり込んできた同級生、行天春彦(松田龍平)。
ペットあずかり…塾の送迎、納屋の整理、遺品の整理etc.etc.
都会ではありふれた依頼のはず…なのだが、多田便利軒のコンビ(多田&行天)がからむと、きな臭くなるし…ドラマが生まれる。
起承転結がビシッとしてなくて、なんとなく流れていくようなゆるい映画だが微妙に心に残る。
ジム・ジャームッシュの味がある…まほろ駅前。

チラシ配布、害虫駆除、不用品引取り。
エアコンサービス、ハウスクリーニング、引越し・家具移動、水廻りサービス、庭周り作業。
便利屋さんは仕事が多い。

長男がなんでも屋〝萬屋金ちゃん〟を立ち上げてから4年目。
なんでも屋は便利屋である。

メロンの出荷、昆布の収穫、暗渠、田植え、稲刈り、草刈り。
運送一般、ころ柿の消毒、剪定…出荷。
さすがに都会とは一線を画す感がある…そこは、ど田舎の便利屋。

人のつながりと運命の出会いで仕事が広がる。
都市部でも、ど田舎でも…ビートがオフでもオンでもニュートラルでも。

人間が出会う、触れ合う、その時に生まれる音。
 がら ガラ 柄。
〝人柄〟の柄(がら)は人間同士が出会う、袖擦りあう、肩がぶつかる、会話を交わす時に生じる音だ。
音を理解すること、感知する事、その音を本能で取り込んでぶつかっていける事、その事の煩わしさも含めて呑み込んでいく気概。
そして呼吸、仕事をくれるみなさんを愛してます…そんな希望をもつ勇気。
そして希望を自分の財産に変える力…それは才能だと思う。

萬(よろず)とは…何事につけ、すべて、万事の意味がある。…が…。
ビシッとは決まらない。…萬どころか千ほど、嫌 百ほど、否 十です とほほ、その方がピッタリくる話…だが。
仕事の切れ間がないのは流石。
ソウル(長男)の持ち味だと誉めておく。
ウ~ン。
誉めるのも苦しい。

    

自分で決めて、種をまいた。
蕾くらいまでは…育てた。

大輪の花が咲き、終わりかけの頃に、花茎ごとばっさりと切ってしまう…思い切りの良さが肝心。
すべての芽を育てると栄養が十分に行き渡らない。
次の年に花が咲かなくなったり、咲いても小さな花しか咲かなくなるので注意が必要。

老婆心だけの母親は助言ができない。

本人が頭を打ち、迷いながら歩いていく道。

何分にも現実は映画のようではない。

只、現実が映画や小説を凌駕する事もある。

自由に生きて行く事を選んだ息子に羨望を感じながら…心から応援している私がいる。

陰ながら。
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マクリーンの川(リバー・ランド)…そしてFURY(フューリー)

2015年04月18日 | 映画
ノーマン・マクリーンの『マクリーンの川』好きな小説である。
20年以上前に映画になった。
俳優のR・レッドフォードが監督した。
舞台となったモンタナ州の雄大な自然とフライフィッシングの美しい描写で、第65回アカデミー賞では撮影賞を受賞。
主演のブラッド・ピット(レッドフォード2世といわれたが演技の重みはなかった)は若手俳優としての地位を確立した。
美しい俳優。
ハンサムという形容詞は彼の為にある。
映画の題名はリバー・ランズ・スルー・イット(A River Runs Through It)。

人々の人生は様々で喜・怒・哀・楽はあるが、そんな時間の流れのなかでも、川は変わらぬ姿で流れ続けるという物語。
ブラッド・ピットも彼の俳優人生が川の様に…急流も緩流も浅瀬も深みもあったと思うが…付き合いがないので想像して見るしかない。
映画を観ながら勝手に感じる事である。

☆テルマ&ルイーズJ.D.役~リバー・ランズ・スルー・イット
☆インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア ☆レジェンド・オブ・フォール/果てしなき想い(画面の中で流れる汗がダイヤモンドの輝き)
☆セブン…モーガン・フリーマンが引退間際の刑事役でいい味。
☆12モンキーズ…ブルース・ウィリスが脇役だったようなきがする。
☆スリーパーズ
1997 ☆デビル…悲しい殺人者の役。☆セブン・イヤーズ・イン・チベット
1998 ☆ジョー・ブラックをよろしく…どんな話だったか忘れてしまったぜ。
1999 マルコヴィッチの穴☆ファイト・クラブ、オーシャンズ11
2004 トロイ…アキレスだったか、あたり役だった。オーシャンズ12
2005 Mr.&Mrs. スミス…奥方(A・ジョリー)と息がぴったりで素敵。
2006 バベル…菊池凜子と役所氏が巧い。
2007 オーシャンズ13、ジェシー・ジェームズの暗殺
2008 バーン・アフター・リーディング、ベンジャミン・バトン 数奇な人生
2011 ツリー・オブ・ライフ、マネーボール…メジャーリーグの経営の凄まじさ。
2012 ジャッキー・コーガン…何ともいえない。最後まで見たのは見た。ぼろぼろ、灰色の殺し屋。
2013 ワールド・ウォーZ、それでも夜は明ける…プロデュースの一人で助演、悪の法則…端役。
2014 フューリー 昨日観た。
戦争場面は悲惨だったが、男たちの戦い…ヨーロッパ戦線を戦い抜く5人の男たち。
幾星霜を経て渋みが増した美男子…頼りがいのあるいぶし銀の俳優が戦車の中にいる。

映画好きではあるが、ブラッド・ピットのファンではない。
それでも…彼の歴史は銀幕の中に刻印されている。
顔、スタイルを凌駕して人間の魅力がにじみ出ている男になった。
見事な歴史を刻んでいると思わされた〝FURY〟であった。

映画は窓。
演技者の姿も世界の姿も…見せてくれる。

矮小で脳みそが発酵しそうな私の姿も又。

発酵は腐敗とはちがうでぇ。

腐敗よりも幾分か…ましや

幾分かましなうちに…研鑽と努力を今から。

いいや。
明日から。

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梅は咲いたし…桜はまだかいな

2015年03月30日 | 映画
息子が〝猿の惑星 新世紀〟を観ている。
「今日は朝から映画三昧の日」
そう言いながら2本目。
久しぶりの休日。
彼なりの楽しみ方。

外回りの作業をしながら…ながらで画面を見る。



梅は咲いた。

桜はまだまだ 固い蕾で…咲く気配はない。

田んぼの周りの土上げ。
そしてごみ拾い。
この定住の鴉が5匹いて…ビニール袋や紐、新聞の広告紙‥をまき散らかしている。

冬の間、雪の下で冬眠していたビニール袋の色は変色して、土の色…いや鉄の色(錆色)
引っ張り出して乾かす。
そんでもって燃やす。
緑色や黄色の農薬?の袋。田んぼの栄養素なのか。
かき色もどきもある。
ダイオキシンがいっぱい。
「ゴホッ ゴホッ」咳なんぞかまっていられない。
一気呵成にごみの処理。

映画は3本目〝アメリカン・ハッスル〟に変わっている。

暇な私はナイト・ショー。

真夜中にゆっくり時間を使える幸せが待つ。
映画を好きな時間に観る。
贅沢な時が過ぎていく。
ゴホッ ゴホッ。

桜は咲く時に見事に咲き誇る。

私の花もまだまだ。

ゴホッ。




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王の男…テンイヤーズ・アフター

2015年03月10日 | 映画
16世紀の李氏朝鮮の時代。
2人の大道芸人チャンセンとコンギルは仮面劇(山台劇)の最高の相棒。
大道芸人は身分階級では最下位。よりも下。

2人は漢陽(当時の朝鮮の都、現在のソウル)の街で暴君・燕山君を風刺した芝居をして死罪に処せられそうになる。
チャンセンは王を笑わせられたら罪を免ぜられるべきであると豪語する。
女形であるコンギルの演技でついに王を笑わせることに成功した2人。
王宮付きの芸人として召し抱えられ、狂王に仕えるが、次第に宮廷の陰謀に巻き込まれていく。
また、王の寵愛を美貌のコンギルに奪われたと嫉妬する寵姫・緑水(チャン・ノクス)も策謀を巡らせていく。

チャン・ノクスは妓生(キーセン)でヒエラルキーで言えば芸人の2段階ほど上。
大差ない身分階級である。
暗愚な燕山君に気に入られれたのは、〝類友〟の縁の成せる技でしかない。



10面年前に観た映画を再び観た。

チャン・ノクスの卑しさ。
卑しさと美貌で王の愛妃になった罪悪感と嫉妬。

教養がなく、ましてや素養すら及ぶべくもない女の見苦しさ。
あるのは、美貌と肢体だけで、来るべく老いが恐ろしいだけ。
コンギルを演じる〝イ・ジュンギ〟。
美しい。
男である彼に嫉妬するノクス。
気の毒ではある。
イ・ジュンギ…彼のファンであった私は、だからこの映画を観た。
10年前のお話。

チャンセンを演じた〝カム・ウソン〟。
彼に興味がそそられて、再度映画を観ることになった。

見事な俳優である。
芸人の綱渡りのシーンはスタントなし。
自らが演じたそうだが、大きくうなずける。
カム・ウソンは元々は画家で商業主義についていけない…そういう理由で絵をやめている。
彼の声…韓国語だが、暖かく慈愛と声音の重さを感じる。
声が観るもの、聴くものを圧倒する。
燕山君を演じたチョン・ジニョン。
名優である。

10年も前に観た映画でのラストシーン。

私のこころの血塊があふれた。

〝カム・ウソン〟について調べたい。
彼を知りたい。

そう思っている。

映画を観る事。
何度も反芻して観る映画もある事。

それは自分の現郷を知る事であるし、今の自分の心を観る事でもある。



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