素振りブログ。

一般でスピーチできる話の素振りのはずなのに、無理な話がほとんどのブログ。

アウターゾーン

2020年03月14日 03時44分30秒 | 日記
アウターゾーンが舞台になるとかいうネットニュースを読んだ。

懐かしいなぁ。

大昔にジャンプで連載してた漫画で、ジャンルはなんだろ?
ブラック寄りの世にも奇妙な物語、ですかね。
ホラーという説明をしているサイトもあったけど、違うと思う。
(例えば不良と優等生の基準が逆転する世界の話とか、別にどこも怖くないし)
無論、マジモンホラーの話もあるんですけど。

世にも奇妙な物語のタモリにあたる人物が、謎の美女ミザリィで。
話によっては笑ウせぇるすまんの喪黒福造の役回りも務めます。

基本的に一話完結。
話の設定も様々で。
宇宙人が攻めて来たり、異次元から謎の生物が襲って来たり、超未来の世界だったり。
魔法の実在する世界観だったり。

共通しているのは、DQNは悲惨な最期を遂げることと。
あと、善人は救われるってことで。

作者が「善人が騙されて破滅するだけの話に何の意味がある!」って信念持ってて、通常だと破滅するパターンだろというところで逆転の手を打ってハッピーエンド。
これが多かったですね。(全部記憶しているわけじゃないから絶対とは言えない)

例えば、二分の一の確率を言い当てる能力を持った干し首、というマジックアイテムが出る話では。

主人公はギャンブル好きの男で。
カジノに通い、日々博打を打ってるのですが。(ちなみに可愛い恋人持ち。彼の恋人は最近ギャンブルにはまりだして金を使い込む主人公を心配している)

ある日、その「二分の一を言い当てる」干し首を手に入れる。

で、言われるままに干し首を使い、これまでの負けを取り戻す大勝ちをするんですけど。

干し首「この能力には回数制限がある。次で最後だ。出来るだけ大きく張るんだな」

こう言われて。
主人公、ギャングに言って大金を貸し付けてもらうんですね。
恋人を担保に。
約束の時間までに金が返せなければ、恋人は身売りされてしまう約束。

で、いざ勝負に臨むのですが。

ここまで言われるとさ、結末は予想できますよね。
よくある結末は。

これまで言い当ててきた干し首が、絶対に負けられない戦いのときわざと嘘を教えてくる。

で、取り返しがつかなくなり、破滅。
よくあるパターン。

でもこの話は違いまして。
最後の負けられない戦いで、主人公は干し首が嘘を教えてくることを予測。
干し首の言葉の逆に張って、大勝利する。

なんでそんなことが出来たのか?
それは、彼の父親がマジモンのギャンブル狂で、同じように干し首を得て、最後の戦いで干し首に裏切られて自殺したから。
遺書に自分が死を選んだ経緯を書き残していて、それを読んだ主人公が「干し首に復讐する」と決意。
カジノ通いを続けていたのも、干し首に出会って、最高の形で復讐するためで。
最後に「いつもいつも、俺たちがお前らにいいようにやられると思うなよ!」と言い捨てて干し首を便所に流してEND。そして、干し首を出し抜いて得た大金で、恋人と一緒に幸せになりました。
そういうお話。

ちなみにこれが善人パターン。

では悪人パターンはどうか?

主人公はプライドばかり高いだけで無能。品性は下劣で性格も最低のクズ男で。
毎日会社で上司に「お前本当に学校出てるのか!?」と厳しく叱責され「なんで俺があんなカスどもに。俺の家が大金持ちならこんな思いをしなくて済むのによぉ」とふざけたことを考えていて。
ある日、憂さ晴らしでミザリィにイタ電を偶然かけてしまい。そのときに「あなたにピッタリのアイテムをあげる」と言われて。

一口飲めば一定時間他人から存在を認識されなくなる薬。

これをもらう。
ようは実質透明人間になる薬ですね。
いや、それ以上かもしれない。
だって「存在を認識できなくさせる」わけだから、姿は見えないし、音も聞こえない。
捉えようが無い存在になってしまうわけですから。

ミザリィは注意として「一度に二口以上は飲んではダメよ。二口以上一度に飲むと、一生透明人間だから」

男は薬を使ってやりたい放題。

ものは盗む。
自分を叱責しまくった気に入らない上司を刺殺。
高い酒も盗んで飲み放題で、この世の春を謳歌するんですけど。

透明人間薬が残り二口に。

ここで二択。
一生透明になるか、それとも透明タイムを2回堪能してお開きにするか。

男の出した結論は「一生透明が一番いいに決まってる!」
迷わず全部飲み干して、そのときちょうど近くを通りかかった、会社のイイ女を見て「家をつきとめてレイプしてやるか」と後をつけはじめるんですけど。

いきなり車に撥ねられる。

彼を撥ねた運転手は何も気づかない。
だって、彼の存在を誰も認識できないのだから。

即死しなかったものの、彼は重傷を負っていて。
道行く人に「救急車を呼んでくれ!」と助けを求めるも、誰も気づかない。
だって見えて無いんだもの。聞こえて無いんだもの。

そこでようやく気付くわけです。
誰にも認識されなくなるってことは、やりたい放題になるってことだけじゃなく。
誰にも助けてもらえないってことなんだ、ってことに。

そこから時間が経ち。

その場所を通りがかる人は「変だな」と思うようになるんですわ。

なんか異様に臭い。

それもそのはず。
通行人には見えて無いけど、そこには息絶えた愚かな元透明人間の腐乱死体が転がっていて。
薬の効果も腐臭だけはごまかしが効かなかったのか、臭いだけはさせ続けた。
そんなEND。

他にも皮肉が効いた良いENDが多いんですわ。
(ママと悪魔、魔女狩りの村、笑う校長、等)
面白かったなぁ。

作者は映画好きで、映画を見ててこういう話を思いついたりするそうなんですけど。
他にも、社会を騒がせている事件や事故で、沸き上がった思いを漫画にぶつけるパターンもあって。
一時期、学校の飼育動物を惨殺する事件が相次いだときは、そういう犯人が遊びで殺そうとした動物たちが魔界の動物と入れ替わっていて、逆に嬲り殺しに遭ってしまうとか。そんな話も描いてた。
漫画の表現の規制が騒がれだしたときは、ネットでは有名な話になってるので知ってる人も多数でしょうけど「一般的な漫画が違法になってる世界」を描いてみたり。
説教臭いわとか言う人もいるかもだけど、そんなところも好きな作家さんでしたね。
最近は少年誌ではあまり見かけないわなー。そういう人。


コメントを投稿