Tokyo Walker

諸事探訪

色と形

2025年02月16日 16時14分28秒 | カメラ

 ここしばらく花の色や形に魅了されて撮り続けて来た。同時にレンズの発色や歪み、ボケ等も探究しながファインダーから見える世界、映し込まれた二次元世界(写真)を眺めてきた。
いろいろなメーカーのレンズで試してみたり、比較したり、それはなかなか楽しいものではあったが、撮り続けているうちに気になることがあった。確かにレンズの特性(発色)の違いはあるようだが、大げさに言うほどの相違はないと思われる。ただ、好みの色と言うのはあって、自分の思い描いた色を得ることが「いいレンズ」であるように思われた。それはまったく感覚的な(他の人が何と言おうと)自分だけの追及の結果である。

 そんなことを考えながら撮っている訳だが、老眼になったり、乱視や白内障が進んできたり、肝心の視覚が劣化して来てピントも随分怪しくなっており、往年の自信もかなり揺らいでいる。
そこで、見ている色(感じている色)が、レンズの発色によるものか、或いは自分の目の色彩感覚によるものなのか、ふと疑問に思うようになった。確かに世の中には視覚異常の人が居る。所謂、色盲、色弱である。しかし、人の目は色盲、色弱と言わないまでも、それほど正確に出来ているものなのだろうか。とてもそうは思えない。色盲、色弱の検査は「日常で支障のない程度」という基準で振り分けているに過ぎないような気がする。つまり、実際はもっと緩やかにいろいろな色彩感覚があるのではないだろうかと。

 そんな折、NHK BSで「True Colors」というドラマが放送されている。主人公のカメラマンは進行性の難病になり、現実と自分の視覚の乖離に途方に暮れる。物語の本筋は別の所にあるのかもしれないが、それはそれとして、自分が見ている色は他の人が見ている色とは微妙に異なっているかもしれないことを知らしめている。

 この視点から見て、Web上に存在する幾多の画像の中にも、素晴らしいと思えるものが少なからず存在する。投稿されたそれら画像の成り立ちを可能な限り調べてみると、画像によっては向き不向きはあるかもしれないが、ほとんどランダムなレンズで撮られており、「いい写真」に使用しているレンズに偏りは見られない。つまり、どんなレンズでも「いい写真」は撮れるという事を示しているように思う。なによりも撮影者の視点の方が重要で、被写体をどう捉えるかということが非常に大切だと思われる。自然の中であれ、人工物の中であれ、その中で「美」なるもの、「面白い」もの、「魅力」あるものを発見することが出来れば、あとは撮り方だけの技術的な問題となる。しかし、見ている世界を漫然と眺めているだけではこの「美」を「発見する」ことは出来ない。けれど、この「美」は以外にも、大なり小なりどこにでも存在するものなのである。

 「美」も「醜」も混然としているのが自然である。そんな中にあって、写真用語で「構図」というものがあるが、これもまた「美」を構成するとても重要な要素である。何処にでも存在する「美」、その部分を適切に切り取ることで写真は完成しているように思う。しかし、NHK BS「世界は錯覚で出来ている/Frontiers」を見た時、その自信はいささか揺らいでしまう。自分の見ている「美」、「リアリティ」は果たして本物なのだろうか、と。

 写真もデジタル化されて久しい。けれど、それが何万色になったとしても、それは連続した変化の微積分の結果であり、サンプリングであり平均化である。あくまでも「近似」であって「連続した変化」そのものではない。同じ「近似」であるならば、出来るだけ余計な構成要素を排除した、光と影、モノクロこそが真の写真であるような気がして、そのたびに振り返ってしまう。


                   (OLYMPUS 35RC)

 カメラという道具を発明して以来、人は「写真を撮りたい」という衝動(魅惑)に駆られながら、相変わらず世界を旅し続けている。



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中秋

2024年11月21日 13時50分23秒 | カメラ

 D40xには標準のZoomレンズ以外に、「AF-S DX NIKKOR 35mmF1.8G/Nikon」という明るいレンズがあります。このレンズを探してオークションを徘徊しまたが、なかなか意中のものが見つかりません。あるものは高価過ぎ、あるものはボロ過ぎ。そして何とかそれなりのものを探し当てることができました。外観はマズマズ、レンズは綺麗、前後純正キャップ付き、しかも専用フード(HB-46)が付属しているものでした。大きさは標準のZoomレンズと比べると全長が4~5mm程小さいですが、直径は左程違いがありません。ですからレンズの大きさと言う点では小型軽量には感じません。しかし、レンズの枚数が多い割にはとても軽量なレンズです。
 時々日差しの射す薄曇りの日和ですが、早速、AF-S DX NIKKOR 35mmF1.8Gを付けて、いつものルートを散歩に出掛けました。

 我が家のシデコブシですが、残っている葉も僅かです。よく見るともう花芽が出来ておりました。


 赤とオレンジが素敵です。


 黄色とオレンジもいいですね。

「天高く馬肥ゆる秋」そのものですが、馬は久しく見掛けることはなくなりましたね。


 陽を受けて、キラキラと輝く緑と赤のグラデが何とも言えません。


 全てManualで撮っています。ISO感度は200で固定、絞りは2.5を使いました。
風もありましたし、手持ち撮影でもありましたので、シャッター速度は出来るだけ速くしました。
AF-S DX NIKKOR 35mmF1.8G」はコントラストが比較的高く、弱点、欠点のないLensだと言われていますが、受光素子(CCD)の特性と相まって、素敵な画像を作り出します。作り出すというより、目で見た雰囲気を損なわずに写し出すという感じでしょうか。瑞々しさもありますが、どことなくノスタルジックな色合いでもあります。そして1m位から最短までの近接撮影が意外にも素晴らしいと思いました。軟らかく溶けるようなボケ具合がとても気に入りました。ザワツキや二線ボケも出ないようです。6群8枚という豪勢なLens群がいいのか、非球面Lensの効果なのか判りませんが、これは新しいLensの良さだと思います。

こうなると昔のLensも使ってみたくなるのが人情です。なにせ不変のNikon F Mountですから。
NIKKOR-H Auto 50mmF2」や「Micro-NIKKOR-P Auto 55mmF3.5」、
NIKKOR-H・C Auto 85mmF1.8」とか、あるいは
NIKKOR-S.C Auto 55mmF1.2」など。

 公園の池の中央付近にある太鼓橋、その向こうにイチョウの木(中央)があります。
この木の右側にあるのもイチョウの木です。木の太さから言って右側の方が太いのですが、実は数年前に強い剪定がなされました。とても立派な見応えのあるシンボリックなイチョウの木だったのですが、何故剪定をする必要があったのか私には解りません。ある日突然、枝は全て払われて幹もプッツリと切られて、ただの棒になっておりました。最近やっと木らしくなってきましたが、あんなに切っても枯れないのですからイチョウの木の生命力は大変なもの、ギンナン(銀杏)の効能も解るような気がします。


 イチョウ(銀杏)です。明るい黄色が印象的でした。


 これでもかという紅葉です。陽を受けて燃えるような赤が印象的でした。


 小葉がナンテンに似、花がハギに似ていることからナンテンハギ(南天萩)だと思います。
公園に行く途中の道端に咲いておりました。この時期、紫の花は珍しいと思います。



Body    D40x/Nikon
Lens     AF-S DX NIKKOR 35mmF1.8G/Nikon
Mount Adapter 無し
Filter   無し
Hood   HB-46/Nikon

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小秋

2024年11月12日 17時50分18秒 | カメラ

 結構強めの曇り日ですが、午後から例の公園に出掛けてみました。前回訪問時と左程代り映えしませんが、やはり少しずつ秋が深まっていくのを感じます。さすがにこの時期咲く花は少ないですが、ヤクシソウ(薬師草)が満開でした。




 ノアザミ(野薊)の目の覚めるようなムラサキも印象的でした。


 歩道の落ち葉も秋色です。


 南天や、千両、万両、庭常、莢蒾、花水木等多くの草木が同じような形の赤い実を付けます。ですから、赤い実だけでは、なかなか判断が付きません。ガマズミ(莢蒾)には違いないと思いますが、低木で葉が小さいことからコバノガマズミ(小葉の莢蒾)と思われます。


 特に赤色はCCDの特徴を生かした色合いになっていると思います。空が大曇りだったので絞り開放でも、シャッタースピードが遅くなり、手振れ写真が多くなりました。さすがにVRとは言え無理がありました。感度はISO400で固定です。Zoomの機動性は解りますが、やはり明るいLensが欲しいですね。例え構図の機動性を犠牲にしても、撮影環境に有利な明るさと被写体の前後ボケ作りに憧れます。

 その他、冬の花であるカンツバキ(寒椿)の花をチラホラ見かけました。もうそんな時期になるのですね。一方、マムシグサ(蝮草)は全く緑のままです。昨年の今頃は真っ赤になっていましたが、やはり温暖化の影響でしょうか。そう言えばツワブキ(石蕗)も今年はまだ見掛けませんね。

Body    D40x/Nikon
Lens     AF-S DX NIKKOR 18-55mmF3.5-5.6 GⅡVR/Nikon
Mount Adapter 無し
Filter   無し
Hood   無し

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ちょっとだけ秋

2024年10月23日 15時07分23秒 | カメラ

 今日は曇り時々晴れという日和です。
例によって家の前の土手にある柿の木です。葉もほぼ落ちました。本格的秋の風情です。


公園に行ってみると、ちょっとだけ秋。


 いつもの階段の散歩道です。陽射しがあって結構明るくなりました。


階段の道にはたくさんのドングリ(コナラかな?)が落ちておりました。


萩でしょうか。


そしてこんな実も見掛けました。ガマズミでしょうか。


ニラ(韮)の花もまだ咲いておりました。


こんな花(ヤクシソウ)も見掛けました。


 その他、ノアザミやまだ緑濃いマムシグサも見掛けました。
ここから一ヶ月、秋が徐々に深まります。

ISO感度400(固定)、絞りはF5.3の優先、但し全てManualで撮影。

Body    D40x/Nikon
Lens     AF-S DX NIKKOR 18-55mmF3.5-5.6 GⅡVR/Nikon
Mount Adapter 無し
Filter   無し
Hood   無し

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初秋Ⅱ

2024年10月15日 00時48分36秒 | カメラ

 先週は雨ばかり降っていたが、今週は晴れそうな雰囲気。
早速、暮れなずむ少し前、例の公園へ散歩に出掛けてみた。坂を上り下りすると汗も出て来るが、ベンチに座ってジッとしていると、僅かな風が冷たくてとても心地よい。

 公園内のいつも通る散歩道はこんな感じ。池を取り巻く山の中腹に付けられた小道。結構な長い階段を上ります。未だ緑が濃いトンネルですが、キラキラと木漏れ日が射して秋の雰囲気が漂っていました。


 この時期どこにでも見掛けるセイタカアワダチソウ(背高泡立草)。
北アメリカ原産のキク科アキノキリンソウ属。明治の頃、観賞用に持ち込まれたとか。今ではすっかり帰化状態です。



 自宅前の土手の上にある柿の木ですが、今年の実の生り具合はこんな様子です。

下の方は、昨日地主が収穫してしまったので実が有りませんが、まあ可もなく不可も無く、並の出来といったところでしょうか。豊作の時は本当に鈴生りですからね。地主によれば、この残っている実は鳥たちのためなのだとか。これからしばらくは鳥たちがやって来て、色が濃くなって熟したものから順番に啄んでいきます。熟してないものは食べません。これも昔から行われて来た共存の習慣なのでしょうね。畑の隅に柿の木がある風情は日本の田舎の風景そのものですね。

Body   α7Ⅱ/SONY
Lens     ZUIKO Auto-Macro 50mmF3.5/Olympus
Mount Adapter OM-NEX Pro Adapter/K&F Concept
Filter   φ49mm MC Protector NEO(B)/Kenko
Hood   無し

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