興味津々心理学

アメリカ発の臨床心理学博士、黒川隆徳によるあなたの日常の心理学。三度の飯よりサイコセラピーが好き。

Open-ended questions

2009-02-25 | プチ臨床心理学
 世の中のあらゆる質問は、Open-endedとClose-endedの二つに分けられる。
 たとえばあなたの友人が旅行から帰ってきたときに、「楽しかった?」と聞くのがClose-ended question (閉ざされた質問)であるのに対し、「旅行はどうだった?」と聞くのがOpen-ended question (開かれた質問)である。

 我々サイコセラピストが通常使うのはOpen-ended questionだけれど、それはOpen-ended questionが、文字通り、回答者に自由で広範な(つまりOpenな)回答の機会を与えるからだ。
 
 Close-endedな質問では、「うん、楽しかった」で終わってしまうかもしれないが、Open-ended questionでは、「楽しかったよ。渋滞が酷かったけど食べ物がおいしくて空気がきれいで景色もすっごいきれいだった」というより多くの情報がでてくるかもしれない。そして会話はさらに促進されてゆく。

 これは日常のいろいろなところで役立つもので、誰かが困っていて悩みを打ち明けてきたときなどに、ところどころでOpen-ended questionをしていると(アドバイスや判断を急がずに)相手はどんどん心を開いてくるし、その人のことや悩みの本質などがよく分かってくる。

 しかしOpen-ended questionは万能なわけではなく、その失敗例が上記の写真である。