先日、息子を幼稚園にお迎えに行った時のことです。
天気の良い日は、幼稚園が終わった後に、園児達が、それぞれ仲の良いお友達と一緒に幼稚園の外の広場で遊んだりします。
辺りは自然豊かなところで、うちの子を含めて虫好きの子たちにはまた楽しい季節になってきましたが、これは同時に親にとっては大変な季節の到来でもあります。
我が家でも息子が捕まえてきたナナホシテントウの飼育がなかなか大変で、というのも、ナナホシテントウの主食のアブラムシの確保が大変だったからです。
この日は幼稚園の後で広場の生垣に人だかりができていて、行ってみると、てんとう虫の卵を見つけたという事で子供達が興奮していました。
この少し前に私は息子のお友達のママとナナホシテントウの飼育についてお話していました。スタイリッシュな若いママで、それまでの人生において虫の飼育は無縁だったようで、大の虫好きのお子様が虫を取ってきては死なせてしまい、困っていました。それで私は、ナナホシテントウの飼育にはアブラムシが必要だと説明すると、そもそもどこにアブラムシがいるか分からない、と仰られたタイミングの人だかりだったのでとてもタイムリーでした。
生垣の辺りには虫籠を持ったママがたくさんいて、「上級者」のママ達はせっせせっせとアブラムシの付いた草を虫籠の中へ入れていきます。
家に帰って妻と話している時にこの話題になって、彼女としても、ママ達が集まってみんなで一生懸命アブラムシを集めている風景が独特で面白いようでした。そして彼女は既に上級者ママから「アブラムシは虫籠を脱出するからペーパータオルやバーゼで上部を覆っておいた方が良い」という情報を仕入れていて、そのテクニックを我が家でも導入したら脱走して床やテーブルを歩いているアブラムシがいなくなり快適です。
その後私は自宅の庭の雑草にアブラムシがいる事に気づき、飼育がぐんと楽になりました。ナナホシテントウが我が家に来て20日ぐらいになりますが、とても元気で毎日のように卵を産みます。
それにしても妙なものだなと思います。自分の人生に於いても、アブラムシをとても必要とする事は今までにはなかった事です。むしろアブラムシは育てている植物に付着して厄介な存在でした。見た目もあまり好きではなかったのに、今ではとても愛しく感じます。毎日感謝しながらいただいています。生活圏に居てくれないと困る、いなくてはならない存在です。雑草も雑草ではなくなりました。アブラムシの大切なおうちであり食糧です。
そこで思うのは、我々の人生における好き嫌いの多くは実はとても相対的であり、状況に左右されるものだという事です。絶対に好きなものも、絶対に嫌いなものも、実はそうそうないのかもしれないと。
好きなものを疑ってみる必要はないかもしれないけれど、嫌いなものについてその相対性や状況依存性について意識してみると、新しい気づきなど出てくるかもしれないと思います。
コメントありがとうございます。
ヤブキリの幼虫!なんともハイレベルですね。ヤブキリは、去年の夏にキャンプ場で捕まえたものを飼育していましたが、捕食性の強さに驚きました。大カマキリより強いんじゃないかと。ヤブキリの幼虫期の生態については全くしらないのですが、やはり子供のころから肉食なのですね。非常に興味深いです。