今日で8月も終わりますね。
このご時世というのもあり、今年は実家に帰りませんでした。
木魚も叩いてないし甲子園を見ながら家族と他愛ない会話もしなかったから、なんだか夏が終わる気がしないな。
最近お笑い芸人のオードリーにはまっています。
きっかけは8月上旬に風邪をひいたとき。
久しぶりに熱を出して、仕事を休んでうんうん寝込んでいました。でも1日くらいでよくなって、職場からは大事をとって数日休んでくれと言われて。しょうがないから暇つぶしにオードリーのラジオをだらだら聞いていたのです。あとは中京テレビでやっている「オードリーさん ぜひ会って欲しい人がいるんです(通称オドぜひ)」というローカル番組をYouTubeで見て、彼らの面白さに気づいたのです。
彼らが売れ始めたのは2008年頃なんですね。
自分は大学生になってからほとんどTVのない生活だったので、彼らの魅力を全然知りませんでした。ピンクのベストを着た変な人と、ぱっと見地味だけど根は陰険なんだろうなぁ、三菱とか憎んでそうだなぁ…みたいな人の組み合わせという認識でした。
でも彼らのオールナイトニッポンを聞くようになって、すごく面白いコンビだなと思うようになって。
まずトーク。冒頭のフリートークが毎回面白いし、雑談しているだけに見せてちゃんとオチまでつけている構成力。深夜ラジオというのもあって、下ネタとかいじりネタとか、結構きわどいラインを攻めることもあるけど、ここは超えちゃいけないっていう見極めもすごい。リスナーが不愉快にならない加減を心得ている感じがして、どんな話でも安心して聞けます。
あとは観察力。ラジオで毎週喋るからってのもあるんでしょうが、いろんなことにアンテナを張って細かいことも笑いのネタにしようとしています。例えばしょうもないマッサージ屋のエピソードとか、エコバッグ買って失敗した話、売れない頃の話、中学高校の思い出、ベランダで弁当を腐らせたこと、箱根の仲井(いっぱつカマス氏)、お笑いに対する思い…いろんなことを掘り起こして、トークとして使えるかたちにしています。
人間生きていればトークの材料になるものはあれこれあるでしょうが、それを毎週笑えるよう、興味を引くように加工して持ってくるのが素直にすごいなと思います。そのぶん疲れるんだろうけど。そりゃ一人でキューバ行ったりモンゴル行ったりしたくなるよな。
なにより若林の陰険さ。これが自分とって一番しっくりくるところです。
ラジオで話す2人は、テレビで見かける彼らのイメージと全然違いました。若林は自意識過剰で陰険で、春日は比較的まっとうというか、まあドケチで変人だけど性格はねじ曲がっていません。ラジオのように若林が奇抜なボケをかまし、春日が独特の口調でつっこむ方が断然面白いです。
ある程度は演出なんだろうけど、若林が率直にイライラしたり文句を言ったりするのが好きです。
ここで少し話が逸れます。怒りの感情について。
怒りの感情に身を任せるのは、一般的には良くないことだと言われています。コンビニでは「もう怒らない」とか「怒りをコントールする」みたいな啓発本がしばしば売られていますね。
仏教では三毒という考えがあり、「貪瞋痴(とんじんち)」といって、欲望を貪ること、怒ること、正しくものを知らない愚かさを表します。これらによって人間は苦しむことになる、という思想です。まあそういう気はするよね。
でも生きてれば怒らなきゃならないときがある。
以前の記事でも少し書いたけど、自分は怒るのが下手です。「自分が我慢すれば」という思いが先立ち、あとからイライラが湧き上がってきて、結果的に余計面倒くさいことになる。婉曲的に怒りが出てきたり、酒に逃げたり遁走したくなったり。そうなるくらいならとっとと怒った方が楽だと、頭ではわかっていてもなかなかできない。人間、簡単には変わらないものです。一時期は鏡に向かって怒る練習をしたこともあったんですけどねぇ…あれはなんやったんやろな…。
だからなのか。
若林のようにあちこち噛みつける人が羨ましいです。彼は気軽に相方の春日や、ディレクターや共演している女子アナ(かの有名な市野瀬アナ)に対して気軽に腹を立て、それをネタにする。エコーの効いた声で「ふざけるなーっ!」と叫んだり、「共演している人のなかで一番嫌いなんだよね」とさらりと言ってのけたり。
もちろん彼はしたたかにラインを見極めています。関係が破綻しない程度に、怒りや苛立ちをうまく笑いに変えている。もはや才能レベルです。その絶妙な見極めは、過去に色々傷ついたり失敗したりした賜物なのかもしれません。だとしたら中高時代の人間関係や、売れない時に相当悩んだのかな、とか邪推してしまいます。それに上でも触れた観察力。この人はどこまでいじっていいのかを、きっと冷静に見定めているのでしょう。根は人見知りらしいし。
そして春日の抜群の包容力。きつめの言葉でいじられてもほとんど許す春日の胸の広さよ。さすがボディビルやってるだけあるわ。そう考えるとすごくいいバランスで成り立っているコンビなんだろうな、と思います。こんなにお笑い芸人にはまったのはラーメンズ以来です。あの2人も天才ナルシシストと小心者の変人という、すごい組み合わせですよね。彼らも大好きだなぁ。
8月も終わりますね。
今年もあっという間に過ぎていく。人生は円環的のようにも思うし、自分がずんずん年を取っていって、周囲が変わっていくのを見ていると、自分だけ同じ場所にぐるぐるとどまっている気もします。
生きるのって大変だよな。こんなに大変ならもっと早く教えてくれよ、と思わなくもないけど、怒りを昇華して残りを生きていきたいと思います。みなさまどうもありがとうございました、気が向いたらオードリーのラジオを聞いてみてください。市野瀬アナとのプロレス、春日がぼけてない話、若林の人見知りの話がオススメです。
このご時世というのもあり、今年は実家に帰りませんでした。
木魚も叩いてないし甲子園を見ながら家族と他愛ない会話もしなかったから、なんだか夏が終わる気がしないな。
最近お笑い芸人のオードリーにはまっています。
きっかけは8月上旬に風邪をひいたとき。
久しぶりに熱を出して、仕事を休んでうんうん寝込んでいました。でも1日くらいでよくなって、職場からは大事をとって数日休んでくれと言われて。しょうがないから暇つぶしにオードリーのラジオをだらだら聞いていたのです。あとは中京テレビでやっている「オードリーさん ぜひ会って欲しい人がいるんです(通称オドぜひ)」というローカル番組をYouTubeで見て、彼らの面白さに気づいたのです。
彼らが売れ始めたのは2008年頃なんですね。
自分は大学生になってからほとんどTVのない生活だったので、彼らの魅力を全然知りませんでした。ピンクのベストを着た変な人と、ぱっと見地味だけど根は陰険なんだろうなぁ、三菱とか憎んでそうだなぁ…みたいな人の組み合わせという認識でした。
でも彼らのオールナイトニッポンを聞くようになって、すごく面白いコンビだなと思うようになって。
まずトーク。冒頭のフリートークが毎回面白いし、雑談しているだけに見せてちゃんとオチまでつけている構成力。深夜ラジオというのもあって、下ネタとかいじりネタとか、結構きわどいラインを攻めることもあるけど、ここは超えちゃいけないっていう見極めもすごい。リスナーが不愉快にならない加減を心得ている感じがして、どんな話でも安心して聞けます。
あとは観察力。ラジオで毎週喋るからってのもあるんでしょうが、いろんなことにアンテナを張って細かいことも笑いのネタにしようとしています。例えばしょうもないマッサージ屋のエピソードとか、エコバッグ買って失敗した話、売れない頃の話、中学高校の思い出、ベランダで弁当を腐らせたこと、箱根の仲井(いっぱつカマス氏)、お笑いに対する思い…いろんなことを掘り起こして、トークとして使えるかたちにしています。
人間生きていればトークの材料になるものはあれこれあるでしょうが、それを毎週笑えるよう、興味を引くように加工して持ってくるのが素直にすごいなと思います。そのぶん疲れるんだろうけど。そりゃ一人でキューバ行ったりモンゴル行ったりしたくなるよな。
なにより若林の陰険さ。これが自分とって一番しっくりくるところです。
ラジオで話す2人は、テレビで見かける彼らのイメージと全然違いました。若林は自意識過剰で陰険で、春日は比較的まっとうというか、まあドケチで変人だけど性格はねじ曲がっていません。ラジオのように若林が奇抜なボケをかまし、春日が独特の口調でつっこむ方が断然面白いです。
ある程度は演出なんだろうけど、若林が率直にイライラしたり文句を言ったりするのが好きです。
ここで少し話が逸れます。怒りの感情について。
怒りの感情に身を任せるのは、一般的には良くないことだと言われています。コンビニでは「もう怒らない」とか「怒りをコントールする」みたいな啓発本がしばしば売られていますね。
仏教では三毒という考えがあり、「貪瞋痴(とんじんち)」といって、欲望を貪ること、怒ること、正しくものを知らない愚かさを表します。これらによって人間は苦しむことになる、という思想です。まあそういう気はするよね。
でも生きてれば怒らなきゃならないときがある。
以前の記事でも少し書いたけど、自分は怒るのが下手です。「自分が我慢すれば」という思いが先立ち、あとからイライラが湧き上がってきて、結果的に余計面倒くさいことになる。婉曲的に怒りが出てきたり、酒に逃げたり遁走したくなったり。そうなるくらいならとっとと怒った方が楽だと、頭ではわかっていてもなかなかできない。人間、簡単には変わらないものです。一時期は鏡に向かって怒る練習をしたこともあったんですけどねぇ…あれはなんやったんやろな…。
だからなのか。
若林のようにあちこち噛みつける人が羨ましいです。彼は気軽に相方の春日や、ディレクターや共演している女子アナ(かの有名な市野瀬アナ)に対して気軽に腹を立て、それをネタにする。エコーの効いた声で「ふざけるなーっ!」と叫んだり、「共演している人のなかで一番嫌いなんだよね」とさらりと言ってのけたり。
もちろん彼はしたたかにラインを見極めています。関係が破綻しない程度に、怒りや苛立ちをうまく笑いに変えている。もはや才能レベルです。その絶妙な見極めは、過去に色々傷ついたり失敗したりした賜物なのかもしれません。だとしたら中高時代の人間関係や、売れない時に相当悩んだのかな、とか邪推してしまいます。それに上でも触れた観察力。この人はどこまでいじっていいのかを、きっと冷静に見定めているのでしょう。根は人見知りらしいし。
そして春日の抜群の包容力。きつめの言葉でいじられてもほとんど許す春日の胸の広さよ。さすがボディビルやってるだけあるわ。そう考えるとすごくいいバランスで成り立っているコンビなんだろうな、と思います。こんなにお笑い芸人にはまったのはラーメンズ以来です。あの2人も天才ナルシシストと小心者の変人という、すごい組み合わせですよね。彼らも大好きだなぁ。
8月も終わりますね。
今年もあっという間に過ぎていく。人生は円環的のようにも思うし、自分がずんずん年を取っていって、周囲が変わっていくのを見ていると、自分だけ同じ場所にぐるぐるとどまっている気もします。
生きるのって大変だよな。こんなに大変ならもっと早く教えてくれよ、と思わなくもないけど、怒りを昇華して残りを生きていきたいと思います。みなさまどうもありがとうございました、気が向いたらオードリーのラジオを聞いてみてください。市野瀬アナとのプロレス、春日がぼけてない話、若林の人見知りの話がオススメです。