砂漠の音楽

本と音楽について淡々と思いをぶつけるブログ。

ナンバーガール「我々は逆噴射である」@Zepp Tokyo

2021-12-27 11:19:29 | 日本の音楽
みなさまこんにちは、いよいよ年の瀬ですね。
今更ですがひとつ疑問に思うことがあって。
年の瀬の「瀬」ってどういう意味なんでしょうか。
切羽詰まっているような、ぎりぎりな様子が連想されるのですが、どうなんでしょうか。

というわけで調べてみました。
「瀬」とは川の流れが速い箇所のことを表す言葉のようです。確かに「浅瀬」とか言いますよね。
つまり年の瀬というのは、年末でばたばたとしていること、慌ただしくて時間の流れが速いさまを表しているようです。なるほど、勉強になりました。



余談が長くなりました。
今日はナンバーガールのライブレポートを。
昨日12月26日、鉄のような風が吹きすさぶなか行ってまいりました。
場所はお台場シティのZepp Tokyo、海沿いだから風が強いのなんの。猫でも飛んできそうでした。

今回のライブは感染症対策のため、声を出すのはおろか立つことも禁止。
完全着席で無発声、さながらクラシックのコンサートです。
そんな今回のライブですが、正直言って楽しめるのかどうか不安でした。
だって折角のライブじゃん。大声出したいし動きたいじゃん、声援送りたいじゃん。
それがダメなんて…ヘドバン禁止のラウドパークかよ…。

でもね。
ものすごく良かったんです。
もう1回観たい、いやあと3回は観たい。明日もライブやってくれ…!と思わせる仕上がりでした。配信チケットもあとで買おうと心に決めました。
向井の謎MCはさておき、最初から最後まで本当に良くて。最後のイギーポップファンクラブでうるっときて、ちらっと隣を見たらその人も泣いてました。観客がみなOMOIDE IN MY HEAD状態になっていました。


彼らのライブを見るのは2年ぶりになります。
そのときは広島で、向井の喉の調子も良くなさそうで、アヒトのドラムにもキレがなくて…。
すごく期待していたぶん、なんだか落胆する気持ちにもなったのです。

しかしながら。
今回はバンドとしてのアンサンブルがすごく良かった。
大きめの会場だったし着席だったから音楽に集中できたってのもありますが、ひさ子氏や向井がギターソロを弾くときに中尾憲太郎47歳が指を差したり、キメの部分でお互い視線を合わせたりと「みんなで一緒にやっている感」が以前見た時よりぐっと強くなっていて。

4人の演奏でそれが見られてテンションがぶちあがったし、初期~後期までの曲をまんべんなくやってくれていたのも嬉しかったです。
終盤に「福岡市博多区からやってまいりました、ナンバーガールです」というお決まりのMC後にやった「タッチ」、アンコール1曲目の「はいから狂い」がすごく良かった。「桜のダンス」も良かったし、「U-REI」のベースラインが原曲と違っていたのも格好良かった、痺れた。


だからこそ、ですよ。
目の前でこんなにいい演奏されたら、動きたくて仕方なくて。
フラストレーションインマイブラッド状態になってしまったのです。
次こそはちゃんとスタンディングで観たいなあ。押し合いへし合いしたい。
あと「排水管」音源化されないかな、欲を言えばアルバム作ってくれないかな、と思ったり。


クリスマスには「ポップしなないで」というユニットのライブも配信で見て。
こちらもすごくよかった、次ライブに行くとしたら彼らのリキッドルームです。当たりますように。
さて年の瀬です。
私はばたばたせずに仕事をさぼっており「瀬」とは無縁ですが、どうかみなさまお元気で。


以前ナンバーガールについて書いたもの
「NUM-HEAVYMETALLIC」
「ライブレポ 逆噴射バンド@広島クラブクアトロ」

怠惰の神様サボリヌス

2021-12-08 17:48:21 | 日記
ブログを書いていないのでブログを書きます。

皆さんご無沙汰しております。
前回の記事は9月21日だったのですね。ついにこのブログにも「※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。」という表示が、広告とともに出現するようになりました。これもひとえに私の怠慢の成果です。ガハハ。どうだ、思い知ったか。

この2ヶ月何をしていたか。
端的に言うとすごく忙しかったのです。
それはもう忙しかったのです。


個人的なことで言うなら、転居したり実家に帰ったり。
それから人と会う約束がいくつかあって。
物理的にも精神的にも、落ち着くまでに時間がかかりました。

仕事が忙しいタイミングも重なって。
職場に実習生が来て面倒を見たり、会議や書類作成が多かったり、予約がどしどし埋まっていたり。
詳しいことは言えないんですけど、曜日によっては3月まで予約が埋まっています。アタマガオカシイ!!

なんでこんなに忙しいんだろう。
気づいたら週末が来て、気づいたら出勤して。気づいたら酒を飲んで、気づいたら寝てて。
気づいたらダブルブッキングして、気づいたら午前休取ったのに職場まで3時間かけて歩いて出勤して…。
今何のために何をしているのかを、次第に見失いはじめていました。気持ちにあまり余裕がなかったのでしょう、たいへん恐ろしいことです。

そして今、私のこころに去来しているのは「サボりなさい」という神様からのメッセージです。
ありがとう、怠惰の神様サボリヌス(大嘘)


さてこの2ヶ月。
いちおう本も読んでいたし音楽も聴いていたけれど、それについて深く考えて記事にするまでの気持ちにはならず。カレンダーに目をやると、はや年の瀬を迎えつつあるわけです。やんなっちゃうね。
そんなわけで今年面白かった本をざっと紹介。

小川公代
『ケアの倫理とエンパワメント』
著者は上智大学の先生。ヴァージニア・ウルフやワイルド、多和田葉子などの文学作品をもとに、近代~現代までのケアについての概念の変遷と、そこに対する筆者の省察が書かれています。フェミニズム思想の理解にもつながる、大変面白い本でした。これを機に初めてヴァージニア・ウルフを読みました。

村上靖彦
『ケアとは何か』
精神科医が書いている本。看護師へのインタビュー、在宅介護など、様々な現場でどのようにケアがなされているのか、ケアとは何を目指す営みなのかについて描かれています。読みやすくて、こちらもすごく面白かったです。

ヴァージニア・ウルフ
『自分ひとりの部屋』
小川先生の本に触発されて読みました。女性が創作を志すさい、どういう試練や困難が待ち受けているのか、創作には何が必要なのか。女子大学生に向けた講演をもとにしたエッセイです。空想とリアリズムの入り混じったような内容で、さすが近代を代表するイギリスの作家であるだけの、たいへん力強い本でした。

あとはチェーホフの短編をいくつか読んだのと、今はムジールの『寄宿生テルレスの混乱』を読んでいます。
転居する前は図書館が近かったので、夏頃にはふらっと行って勉強したりもしていたのですが、新しい家からは図書館が遠のいてしまいました。悲しいです。
あとコンビニも家から30秒の位置にあったのですが、転居したせいで徒歩で8分くらいかかる距離になってしまいました。まあ実家からコンビニに行くことを考えたらなんでもない距離ですけどね、実家だと歩いて2時間半かかったので。

そう、あれは高校2年生の夏のお話。
深夜に同じ部活の友達と「今からあそこのコンビニで合流しようぜ!」みたいな軽いノリで家を出て、2時間半かけてコンビニにたどり着き、その友達と夜中の3時半くらいに一緒にガリガリ君を齧りました。ものの数分もせずに解散し、帰宅したのは朝6時を回っていました。翌日の部活は筋肉痛でまったく使いものになりませんでした。
そんな僻地出身の私からしたら、徒歩8分にコンビニがあることがすでに奇跡です。


この前実家に帰ったら、やっぱり家の中だと電波が入らなくて。でもむしろ安心しました。
朝起きたら裏山でイノシシの鳴き声が響き渡っていました。でもむしろ安心しました。
どうもありがとうございました。