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雨に咲く花

2013-07-02 19:03:54 | 花の山

 

 

 

 登る時は気付かなかったのですが、登山道の脇にギンリョウソウを目にしました。

 

 この植物は、菌体を介し、樹木の有機物を摂取する腐生植物で、全体が白く、光合成を行なう葉緑素を持ちません。

 

 

 私がギンリョウソウに出会うのは、多分ロープウエーで登った谷川岳以来かもしれません。

 

 登る時には目に入らなかったヤマボウシが、森の中で咲いていました。

 

 

 周囲の木々や草花を眺めながら、のんびりと山を下ります。

 しかし、少しずつ雨脚が強まってきました。

 

 

 

 山道に水溜まりができて、傍らにワインレッドのジャケットを着た、小粋な蛙が佇んでいました。

 

 

 本降りになってきたので、雨具を着るべきかと思いましたが、

 「本降りになって出て行く雨宿り」の川柳に似た

 「本降りになって蓑着る天邪鬼」ではコントみたいですから、足早に山を下りました

 平坦な道にコアジサイが咲いて、雨を楽しむ風情を見せていました。

 

 

 同様に先を急ぐ登山者が、雨具を付けない私に、怪訝な視線を投げかけます。

 

 きっと雨具を忘れた粗忽者と思ったのでしょう。

 

 いえいえ、ただの無精者なんですよ。

 

 そんな風に、一人芝居を続けるうちに、あっと言う間に御師集落へ戻ってきました。

 

 集落の路地に巡らされた石垣で、雨に咲くダイモンジソウの白い花が、濡れそぼる私に、優しい微笑みを投げかけていました。

 

  

 2013年6月25日、こうして体力測定を兼ねた御岳山、大岳山のハイキングを無事に終えることができましたが、次の日から二日間、太腿の筋肉痛に悩まされました。

 やっぱり、山遊びは用心しながら、徐々にペースを上げて行くのが無難なようです。

 

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雨の大岳山

2013-07-02 18:14:34 | 花の山

 

 

 人影の少ない、森の声だけが聞える木立の中で、胸奥へ届く酸素に、都会では味わえない純度を感じます。

 

 しかし、ロックガーデンへの分岐を過ぎて、岩場に差し掛かった辺りで、とうとう雨が降り始めました。

 

 前を行く三人組は、傘を差して、雨の道を登って行きます。

 

 

 けれど、広葉樹の森では、木の葉に当る雨音が聞えても、体に届く水滴は殆どありません。

 私は合羽を羽織ると、かえって汗で中から濡れるので、暫く様子をみることにして、そのまま歩き続けました。

 

 

 御岳神社を出発してから約1時間15分程で、無人の大岳山荘に到着しましたが、雨は少しずつ程度を増していました。

 

 

 大岳山荘は無人でした。

 雨を避け、鍵の掛かっていない小屋へ入り、木の切り株の椅子に座り、自宅近所のスーパーで買ってきた、5個入り198円の大福餅を頬張りました。

 普段大福などは、胸が焼けるので絶対に食べないのですが、山では別腹です。

 

 この小屋で雨具を付けようかとも思いました。

 しかし、この程度のシトシト雨ならば濡れるも一興と、無精をして、そのまま雨の中へと歩を進めました。

 

 実は、若き日に山遊びをしていた頃、大雪山系のクワウンナイ川などで沢登りをしましたが、そんな時、膝から下は一日中濡れていましたし、滝登りでは全身に水を浴びますので、服が濡れることに抵抗がありません。

 

 クワウンナイ川の滑滝

水苔に覆われた岩の上を、ヒタヒタの水が流れる滑滝が数キロも続く)

 

 大岳小屋を出て、大岳神社の鳥居を潜り、鎖の付いた岩場を10分程も登ると大岳山のピークに到着しました。

 

 

 この山頂を踏んだのは今日が初めてですが、周囲は雲に覆われて視界が全く利きませんでした。

 サビタの花とクリの花の蕾が、所在なげに雨に濡れているばかりでした。

 

 

 

 夏山でも標高の高い山や風が強い場合は、体が濡れると体温を奪われ、遭難することがあります。

 

 しかし、今日は大丈夫。

 

 「色男はいつも濡れるもんさ」などとうそぶきつつ、雨の大岳山を後にしました。

 

 

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御岳山を越えて

2013-07-02 17:01:54 | 花の山

 御岳山山頂への杉並木を、一定のリズムでゆっくりと登って行きます。

 

 

 修験者が出てきそうな雰囲気の杉並木にはヤマアジサイの白い花が咲いていました。

 

 

 巨木に包まれた荘厳な雰囲気の坂道が終わると突然、宿坊などの連なる御師集落に入りました。

 

 

 ここには都が運営するビジターセンターがあり、御岳山周辺の様々な情報を提供してくれますので、花や鳥などに興味のある方にはお勧めです。

 

 集落には見事な茅葺の建物などが見えて、ここが都内であることを忘れてしまいそうです。

 

 

 長い石段を登り、山頂の武蔵御岳神社を参拝してから、大岳山へのルートへ進みました。 

 山の中とは思えない程の、平坦で幅広い散策路が森の中に続いていました

 

 

 広葉樹の森と杉の林が交互に現れます。

 杉は下枝が綺麗に切り落とされ、清しい光景を見せていました。

 

 

 到る所でコアジサイの花が迎えてくれます。

 

 

 

 静かな森の中に柔らかな土の道が続き、木立の間を雨雲が流れ、蛙の声が森に響き始めていました

 

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