登る時は気付かなかったのですが、登山道の脇にギンリョウソウを目にしました。
この植物は、菌体を介し、樹木の有機物を摂取する腐生植物で、全体が白く、光合成を行なう葉緑素を持ちません。
私がギンリョウソウに出会うのは、多分ロープウエーで登った谷川岳以来かもしれません。
登る時には目に入らなかったヤマボウシが、森の中で咲いていました。
周囲の木々や草花を眺めながら、のんびりと山を下ります。
しかし、少しずつ雨脚が強まってきました。
山道に水溜まりができて、傍らにワインレッドのジャケットを着た、小粋な蛙が佇んでいました。
本降りになってきたので、雨具を着るべきかと思いましたが、
「本降りになって出て行く雨宿り」の川柳に似た
「本降りになって蓑着る天邪鬼」ではコントみたいですから、足早に山を下りました
平坦な道にコアジサイが咲いて、雨を楽しむ風情を見せていました。
同様に先を急ぐ登山者が、雨具を付けない私に、怪訝な視線を投げかけます。
きっと雨具を忘れた粗忽者と思ったのでしょう。
いえいえ、ただの無精者なんですよ。
そんな風に、一人芝居を続けるうちに、あっと言う間に御師集落へ戻ってきました。
集落の路地に巡らされた石垣で、雨に咲くダイモンジソウの白い花が、濡れそぼる私に、優しい微笑みを投げかけていました。
2013年6月25日、こうして体力測定を兼ねた御岳山、大岳山のハイキングを無事に終えることができましたが、次の日から二日間、太腿の筋肉痛に悩まされました。
やっぱり、山遊びは用心しながら、徐々にペースを上げて行くのが無難なようです。
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