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色男はいつも

2013-07-11 22:11:57 | 花の山

 

 苗場山を下山する祓川コースで、神楽ヶ峰へ登る途中までは陽が差していたのですが、上ノ芝を過ぎた辺りから、また雨が降り始めました。

 

 

 しかし、時折頬に当る程度だったので、そのまま雨具を付けずに先を急ぎました。

 

 標高が下がるにつれて、気温が上昇するのを感じます。

 

 

 

 

 祓川コースは木道が良く整備されていますので、ペースも上がり、いつの間にか針葉樹林帯に入っていました。

 

 そんな場所でふと目にしたのがヤマトユキザサです。

 

 私はこの植物を知りませんでした。

 

 デジカメで数枚の写真を撮り、帰宅後に図鑑を調べて名前を知りました。

 

ヤマトユキザサ

 

 

 花の山に登り、顔見知りの花に会うと嬉しいものですが、未知の花に出会って知識が広がれば、充実感を伴う楽しさを感じます。

 

 還暦を過ぎても知らないことばかりです。

 

 歳を重ねても、初めての場所を訪ねれば未知の花に出会えます。

 

 植物園に足繁く通い、新しい知識を得る方法も、つい最近会得しました

 

 持つものを語るより、未知のルートに分け入り、新しい知識を得ることの方が、私の性に合っているようです。

 

 

 殆ど何も考えずに山を下りてきました。

 ふと、気が付けば目の前に、あの雪の塊が見えて来ました。 

 

 

 この雪の塊のおかげで、慎重な山登りとなって、無事に下山することができました。

 

 

 

 登山口に着いたのは13時50分頃でした。

 

 

 一息入れてから、和田小屋を右に、スキー場のゲレンデを駐車場に向って歩き始めました。

 

 その時、突然雨脚が強まりました。

 

 まるでバケツをひっくり返すような状況でしたが、私はそこでもう一度呟きました、

 

 「色男はいつも濡れるもんさ」

 

 

 

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お花畑

2013-07-11 16:57:00 | 花の山

 

 苗場山の頂上周辺に30分ほども居たでしょうか。

 

 当初の予定では、花の写真を撮りながら2時間程度の滞在も考えていたのですが、山頂周辺には雪渓が残り、本格的な花の季節はまだ先のようです。

 

 

 更に、高湿低温で無風だったためにブヨが飛び回り、とてもゆっくりするような気分にはなれませんでした。

 

 

 

 山頂湿原は花のシーズンには少々早すぎるようでした。

 多分7月の三連休辺りから花が咲き始めるのかもしれません。

 

 しかし、下山する途中の神楽ヶ峰へ通じる鞍部には雪の姿こそ認めましたが、雲尾坂の途中から花の姿を目にするようになりました。

 

 

 雨の中を登っている時には気付かなかった花も見えてきます。

 

 

  ハクサンチドリ                 カラマツソウ

 

 今回はフィルムカメラと三脚を背負って来ましたが、フィルムで撮影する場合には、明るさが足りないと本当の色が出ないので、カメラはずっとリュックの中でした。

 

 

 雲尾坂を下りた辺りで、雲の切れ間から時々陽が差し始めましたので、鞍部の「お花畑」辺りからフィルムカメラの被写体を探す目になっていました。

 

 

     オオバキスミレ                  クモマニガナ

 

 しかし、三脚を構える、花に傷みの無い別嬪さんの花にはなかなか巡り会えません。

 

 振り返えると、下ってきた山稜は相変わらず雲の中です。

 

雲尾坂を背にしたコバイケイソウ

 

 頂上周辺とは僅か100m強の標高差なのに、鞍部では幾つかの花を目にすることができました。 

 

 

       オノエラン           ニコウキスゲ

 

 鞍部を過ぎて、神楽ヶ峰へ登る途中の雷清水で水を補給しました。

 ここは水量が多くありませんが、この先の祓川コースは和田小屋まで飲用水が手に入りません。

 

 

 周辺にはモミジイチゴやサラサドウダンなどが咲いていました。

 

   

   モミジイチゴ                  サラサドウダン

 

 先にご紹介したベニサラサドウダンと違って、サラサドウダンは花の下部、写真は花が下を向いていますので上の方、が淡黄色です。

 

 

 雷清水を越えた辺りで来し方を振り返れば、雲に霞む雲尾坂とその左手に白蛇のような長い雪渓が姿を見せていました。

 

 

 

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苗場山山頂にて

2013-07-11 10:58:12 | 花の山

 

 山頂周辺の湿原には雪渓が広がり、点在する池塘が湿原独特の雰囲気を見せていました。

 

 

 そんな池塘の中にスゲが白い花を咲かせていました。

 

 

 相変わらず、空を雨雲が覆ってはいますが、風を全く感じません。

 

 

 池塘の水面は波立つこともなく、鏡のような静けさで鈍色の空を映し込んでいました。

 

 

 木道の脇ではチングルマが五弁の花を咲かせていました。


 その横に小さなピンクのイワカガミの姿も見えます。

 

 

 湿原の中を苗場山のピークへ向かって少しずつ登って行くと、西の方角に広がる湿原が見えてきました。

 

 天気が良い日に、湿原を散策すれば、多彩な高山植物と巡り会えるかもしれません。

 

 何と言っても苗場山は花の百名山なのですから。

 

 

 

 

 ピーク到着は10時10分でした。


 登頂が主目的の登山ではありませんが、けじめは付けておきたいものです。

 

 

 

 後学のために、苗場山頂ヒュッテの様子を確認してきました。


 一泊二食8500円、中学生以下6500円、素泊5500円、ビール550円、トイレ100円、宿泊予約は0257-67-2202 だそうです。

 

 

 申し添えますが、私は当ヒュッテとは何の利害関係も義理もございません。

 

 ただ、小学校高学年以上であれば、お弁当と雨具程度の軽荷で祓川コースを登り、親子で山小屋に泊り、湿原の高山植物を観察したら、素敵な夏休みになるだろうなと、アイデアが浮かんだ次第です。

 

 小屋から徒歩1分の場所に、夕日の綺麗なビューポイントがあると掲示されていました。

 

 

 ビューポイントは雲の観察にも向いているかもしれません。

 

 山小屋の横のテーブルをお借りして、持参した菓子パンで早目の昼食を摂り、再び雨が降り出す前に下山するにしました。

 

 

 

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ヒヨリ虫の囁き

2013-07-11 09:23:12 | 花の山

 

 つい最近まで雪渓があったと思われる場所にショウジョウバカマが咲いていました。

 

 

 漢字で書くと「猩々袴」ですが、赤い花を酒好きの猩々と言う動物、葉の様子を袴に見立てての命名だそうです。


 この花も株によって、かなり色の変化が見られるようです。

 

 ショウジョウバカマのすこし先が神楽ヶ峰でした。

 

 

 神楽ヶ峰を通過してしばらくすると、雲が切れ、目の前にポッコリとした頂きが現れました。

 

 しかもそこへ至る途中は、見た目で100メートル以上も下っています。

 

 

 雨は断続的に降り続いていました。


 このような状況になると、何時もヒヨリ虫が耳元で「引き返すことを考えたら」と囁きます。

 

   ヒヨル(=日和る)とは登山などで、頑張らずに安易な選択肢へ流れること。  

 

 登山計画書を出した祓川コースの出発口にも「山では引き返す勇気を持とう」と書いてありました。

 

 足は止めずに躊躇していますと、二人組の登山者とすれ違いました。

 

 「天気悪いですね、頂上へ行ってこられたのですか」


 「ええ、苗場山の頂上もずっとこんな感じでした」


 「頂上までは、まだ時間が掛かりますか」


 「そ~、1時間20分ぐらい、いや、1時間ぐらいで行けるんじゃないかな」


 「そうですか、有難うございます」


 「どうぞお気を付けて」

 

 そうですか、見た目程にはルートは厳しくなさそうです。


 1時間程度であればリスクは少ないと判断しました。

 

 此処まで来て引き返すのも、ちょっとですしね。

 

 神楽ヶ峰から先の鞍部へ、「せっかく登って来たのにな~」のボヤキが出そうな心境で、下りたくない道を下って行きますと、鞍部に「お花畑」の標識がありました。

 

 

 両側に谷が落ち込んでいて、周囲にハクサンボウフウなどの花が咲いています。

 

 南蔵王を思い出させるような尾根道が雲の中へと登って行きます。

 

 

 谷の中に残雪の姿を認めました。

 

 

 岩が露出した場所では手を添えて、雲尾坂と呼ばれる山稜を20分程も登ると、湿原の中に雪渓が広がっていました。

 

 

 東京では多分、ガリガリ君が欲しくなるような暑さなんでしょうね。

 

 

 

 雨は止んでいました。

 

 ゆっくりと、雪渓上の足跡をたどり、苗場山のピークを目指します。

 

 登り始めて、わずか3時間半で雪渓の上に立てるなんて考えてもいませんでした。

 

 前回の川苔山は、登り3時間ですから、要求される脚力にそれ程の違いはありません。

 

 「案ずるより産むがやすし」の結果となりました。

 

 

 

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