ヒマラヤ アンナプルナ山系の花
チョムロン~ニューブリッジ~トルカ~ポタナ~カンデ
セロジネ・クリスタータ ラン科 coelogyne cristata
撮影場所:チィヌウ付近 標高1700m前後
ヒマラヤ周辺からインドにかけての標高1000~2000mの樹林帯に生育する着生ランです。
3月から4月にかけて、大きさ5~9 cm程の白い花を、3~10個の房状に、長さ15~20 cm程に咲かせます。花弁の長さは4~5 cm程度で、唇弁の中央に黄橙色の突起があります。葉は槍状線形で長さ15~30 cm、幅2~3 cm程です。
生育環境は、夏は21~24℃で乾燥状態、冬は冷涼で10~13℃、夜間温度は6~8℃程になるようです。
カタバミ カタバミ科 Oxalis corniculata
撮影場所:チィヌウ~ニューブリッジ間 標高1300m前後
世界中の熱帯、温帯地域に分布しており、原産地は詳らかではありません。
葉は、ハート型の小葉三枚が集まって一枚の葉を形成する三出複葉で、地面を這う枝を周囲に伸ばして、その先に根を出して広がります。
日本では、5月から9月ごろにかけて黄色い花を咲かせます。長短5本ずつ、計10本の雄蕊の先に黄色い葯がつき、5本の柱頭と長い雄しべの葯が同じぐらいの高さにあります。カタバミは自家受精でも種子を稔らせることができます。
リンデンゲルギア・グランディフロラ シソ目 Lindenbergia grandiflora
撮影場所:チィヌウ~ニューブリッジ間 標高1300m前後
インド北部、ブータン、チベット、ビルマなどに分布する一年生草です。草丈は15~80 cm程です。
葉は対生し、卵形の葉は先が狭まり、大きさ12~13cm×6cm程で、6~10本の側脈があり、周囲を鋸歯が囲みます。葉柄は7cm、萼は8㎜程度で花筒を包み、線毛に包まれます。
花被は山吹色で、約3cm、花筒は萼の2~3倍程、花唇は花筒の長さの半分程度です。
イヌハッカ ? シソ科 Nepeta cataria
撮影場所:チィヌウ~ニューブリッジ間 標高1300m前後
ヨーロッパから西アジア地域原産の多年草で、チクマハッカ、キャットニップの別名があります。
草丈は50~100cmで、直立する四角い茎の先に総状花序に唇形の花を咲かせます。卵形の葉は対生で周囲に粗い鋸歯があります。
写真の花は多くの特徴がイヌハッカと合致しますが、茎に毛が密集していますので、多種との交雑種か別種の可能性があります。
オオルリソウ ムラサキ科 Cynoglossum zeylanicum
撮影場所:チィヌウ~ニューブリッジ間 標高1300m前後
アフガニスタン、ネパール、ブータン、インド、セイロン、中国東部、日本、マレーシアに広く分布する越年草です。ヒマラヤ周辺の標高1200~4100mの場所に普通に見られ、6月から11月にかけて花を咲かせます。
英名では「Ceylon Forget Me Not 」(セイロンワスレナグサ)と呼ばれます。
楕円形か披針形の葉は互生で、大きさは10~25×3~7 cm程。葉先が鋭く、基部はくさび形です。花は枝先に集まって咲き、花が付く枝は長さ10~35cmで、毛が生えています。
青い花冠は直径3~5 mm程で、鐘形をしています。雄蕊は5本ですが、花冠の中に隠れて見えません。
タバコ ナス科 Nicotiana tabacum
撮影場所:トルカ付近 1700m前後
タバコはナス科タバコ属の多年草で、熱帯アメリカ原産とされ、現在では世界中で栽培される亜熱帯性植物です。
タバコは通常1~2mほどに生育し、長さ60~100cmにも達する葉が、茎の周囲に螺旋状につきます。白、クリーム色、ピンク、赤紫色などの花が茎の先端に群生し、漏斗型の花の先端が5つに分かれています。
栽培種では、葉に栄養をまわす目的で、蕾のうちに花が摘み取られるので、通常は花を目にすることができません。
ステラリア・ネパレンシス ナデシコ科 Stellaria nepalensis
撮影場所:ピチュクデオラリ附近 標高1800m前後
インド、ネパール、ブータンの2500~3100 mの林床に分布する多年草です。
葉は広卵形か卵形で、大きさは0.5~1.5×0.4~1.3 cm程、葉裏には疎らに伏毛が生え、葉表は無毛です。葉の基部はハート形で、先端は鋭角、周囲に毛があります。
花の直径は1~1.2cmで、白い花弁は萼片よりも長く、基部まで深く裂けます。雄蕊は10本、糸状の花柱は3本で長さは3㎜ほどです。
ヨウンギア・グラピリテス キク科 Youngia gracilipes
撮影場所:ポタナ附近 標高1900m前後
ネパール、北インド、ブータンなどに分布する多年草で、標高2700~4800 mの林縁や砂礫質の草地に分布します。
草丈は3~10cm、倒皮針形の葉は2~5×0.3~1 cm程で、羽状中裂します。頭花は直径2~2.5cmで、12~20個の黄色い舌状花の先端には5個の歯があります。
総苞は広円筒形で8~10 mm、総苞片は暗黒色がかった緑色で、外側のものは内側のものの1/3程の長さです。
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