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傑作!「仇討」

2005年08月20日 | ★ぐっとくる時代劇
中村獅童って錦之介の甥なんですか?

またもや橋本忍の脚本にぐいぐいとひっぱられ
クライマックスにいたっては
画面に入ってしまうかのように見入ってしまった。

ちょうど逆貞子状態というんでしょうか。私のありさまは。

ほんのささいなことから
抜き差しなら無い立場に追い込まれ
仇討に巻き込まれていく若者の悲劇を描く。
封建的で非情な武家社会への批判が痛烈に感じられる。

幾重も重なった層によって緻密に構築された脚本が、
主人公の悲劇をより際立たせている。

無駄な台詞がひとつとして無い脚本もすごいが
主役の萬屋錦之介
偉大さも思い知らされた作品。

先日も内田吐夢監督「宮本武蔵 一乗寺の決斗」
の一シーンを見たばかりだが
錦之介の素晴らしさは圧倒的な爆発力にあると思う。

ためにためた苦悩を吐き出すとき、
刀を持って全速力で走り出すとき、
そのエネルギーは天空に向かって放射されるようだ!

躍動する肉体、殺陣はもちろんのこと、
主人公の内面を克明に表現する演技は
観るものを釘付けにさせる。

等身大の人間としての侍と、彼をとりまく社会。
権力と欺瞞。

べたべたとした感傷を抜いて、ひりつくような
悲しみと絶望をあぶりだしていく今井監督の手腕も見事。

物語はどんどん加速していく。

終盤の展開は圧巻の一言。息もつけない。

進藤英太郎、田村高廣、丹波哲郎、石立鉄夫、
三島雅夫、加藤嘉 小沢昭一などの脇も素晴らしい。

「武士道残酷物語」も今井監督と
萬屋錦之介の黄金コンビだった。

社会派と呼ばれる今井正監督だが、
言いたいことがはっきりしている映画はとんでもない力を持つ。

傑作!

1964年 今井正監督作品 脚本 橋本忍 音楽 黛敏郎 美術 鈴木孝俊

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