暮れは「忠臣蔵」となると、正月にも見たいものがある。
それは「旗本退屈男」。
「この眉間に冴える三日月型は天下ご免の向こう傷。
直参旗本早乙女主水之介。人呼んで旗本退屈男。わはわはわははは・・」
早乙女主水之介、直参旗本の御曹子。
年齢不詳。無役。どうやら独身。
江戸城に登城する時も、キンキラキンの派手な着流し姿。
市川歌右衛門のあたり役です。
数年前に息子、北大路欣也がリメイクして、
シンボルである派手な衣装をそのまま使うということで話題になりました。
初めて見たときびっくりしたのは殿様、ほんとに「退屈」していること。
退屈だから事件に首をつっこむ。退屈すぎてどこへも出かけていく。
取り巻きの町人が「殿様、大変だ!」とお屋敷に駆け込むと、
退屈な殿様は、待ってました!とばかり「なに!?」と、身を乗り出す。
「また退屈の虫がさわぎだしたぞ、わっはっは」
一言で言うと、ものすごく「おせっかい」な殿様なんです。
住んでいるのはすごい御殿。
周りに美しい女をはべらせ、日がなぶらぶらしている殿様、主水之介(もんどのすけ)。
だが、実は諸羽流正眼崩し、剣の達人。悪は見逃すことが出来ない。
愉快痛快。殺陣もきまります。
このキャラクターを演じるのは市川歌右衛門しか考えられなかった。
底抜けに明るく、正義感が強い根っからのおぼっちゃま。
ゴージャスで品もある。
今のところ、北大路欣也がお家芸としてこの役を受け継いでいる。(世襲)
息子だから顔もよく似ているけど、
いい男すぎて豪放磊落なめちゃめちゃさが少し足りない。
あと他に誰がいるだろうと考えた。
歌舞伎の市川団十郎なんかが演じると、
荒唐無稽な雰囲気かもし出して面白いかなと思った。
「余が承知しても、この眉間の三日月が承知せぬわ!」
シリーズで何本か出ているが
このパターンは変わらない。ぜひお正月に見て晴れ晴れしたい。
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