永らくのご無沙汰でございます。
「人肌孔雀」と聞いて、色っぽい系の映画かなと
思ったら山本富士子が珍しい男装→若侍姿から
あでやかな芸者姿へと変化し悪人に立ち向かう
れっきとした時代劇娯楽作でした。市川雷蔵が共演。
まあそれにしても美しいこと。美しいこと。
お座敷での華麗な日舞に
うっとり。あんぐり。
まるで伊東深水の絵画から
抜け出してきたようです。鈴の音のような声で
主題歌も歌っていらっしゃいます。なんでもおできになるんですねえ。
一朝一夕では身につかない身のこなしとせりふ回し・・
やはりこういう女優さんはもう現れないのかなと思ってしまいました。
セットも素晴らしく
夏のお屋敷のしつらえ、屏風 お花といちいち完璧です。
堺正章のお父さんの堺俊二が、岡っ引き役。達者な演技で笑わせてくれ・・
カッコいい雷蔵といいコントラストです。
江戸っ子弁が耳に心地よい・・
「はばかりながら、こちとらちったあ世に知れた泥棒様でぇ。
なまくら頭の浪人のサビになっちゃあ叶わねえ!!」
「これ、年寄りをなぶるでない!」
この頃あまり耳にしない味のある台詞に反応!
日本語ってほんとにいいですよね。
つけまつげもばっちりの雷蔵と山本富士子、麗しすぎます。
この映画を観ていて気がついたのですが
盛り上がる場面には切れ目なく音楽が流れている!
ハリウッドのマイケル・マン監督のアクション映画などでたえず音楽が鳴っているのを
最近の日本の映画は真似しているのでは?と思っていたのですが
もうすでにこのころからそうだったのですね~~目からうろこでした。
勧善懲悪、悪い奴には必ず天罰が下る!!
そう思っていないとやってられないですよね!
1958年 森一生監督
●時代劇専門チャンネルにて
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