時代劇だけを365日放送しているその名もずばり
「時代劇専門チャンネル」で
美輪明宏が
丸山明宏を名乗っていたころ(三十代)のテレビドラマシリーズ「雪之丞変化」(全13話)を放送している。
長谷川一夫主演:市川崑監督の映画版は筆者の大好物なのですが、
この美輪版も素晴らしい。
妖しい魅力を放つ雪之丞は美輪明宏にぴったし!の題材だと思いました。
無残に死に追い込まれた親の仇を付け狙う
あやかしの女形役者、雪之丞。
それを助ける
謎の盗賊、闇太郎(二役)。
しっとりとした女言葉の雪之丞(メイクは究極に濃い)は、
美しく艶やかですが
男性、しかし
女のエッセンスを凝縮したような存在。
そしてべらんめえで粋な闇太郎は
仕草もバシッときまっていて
男以上に男っぽく見えます。(しかしメイクは大変に濃い)
要するに美輪的世界基準にデフォルメされた存在なのです。
この二人が入れ替わり立ち代り現れて視聴者の頭を混乱させます。
さらにややこしいのは
雪之丞に恋い焦がれる熱狂的ファンの娘(映画では若尾文子が演じた)との絡みは、
女同志のラブシーンのようにみえて、実は男女なのですが
演じてるのが美輪さんなので、ジェンダー的によくわからなくなります (^_^;)
「逆宝塚」ともいえる
倒錯・幻惑の世界です!
さらにこんがらかるのは、雪之丞と闇太郎のツーショット。
なんと!ひとりでラブシーンが成立という離れ業。
誰にでもできる芸当ではありません。相手役が必要無いのですから!!!!
けれんといえばこれほどけれん味たっぷりの
作品はなかなか無いかも。またそれを一級のエンターテイメントにしているところが
さすがです。
さらに、
用心棒侍の細川俊之が
雪之丞を
「ふたなりの化け物」・・・と言い放つシーンがあり、
こういう台詞を
言わせてしまう
美輪明宏の度量の大きさに びっくりしました。
長谷川一夫が演じる、味わい深いボルドーワインのような雪之丞も
素晴らしいですが
この美輪版も、
強烈さでいえばウォッカ、
香りでいえば
強烈な芳香を放つブランデーのような味わいといえましょう!
平凡な日常に辟易している 老若男女におすすめです!
美しいもの、怖いもの(^_^;)、刺激を好む 方はさらにおすすめ。
メリハリのある派手な演出ならこの人!の、御大五社英雄が監督であることも付け加えておきます。
*補足:全13話放送とのことでしたが、差別的表現が含まれるということで
二話分カットされるそうです。非常に残念。
「逆宝塚」、、、、解ります。解ります。笑
歳の離れた姉が、美輪ファンで、お給料入ると
松坂屋前の シャンソン喫茶の「銀巴里」へ
よく連れていってくれました。
首まで透き通るような美肌、手を抜かない歌唱力。
8年前に行ったコンサートでは 花束について
『この不景気に、お花は高いですし、
皆さま、以後はお気持ちだけで十分ですから』
と話され、苦労された方だからこその率直な言葉。
こういうコメント 耳にしたアーティストさんは
初めてなので 感動したことありました。
薄いピンクのドレス、決まってました。
お言葉、心がほっと暖かになりますね。
直に聞いたならなおさらでしょう。
銀巴里、噂には聞いていますが
行ったことがありませんでした。
貴重なお話ありがとうございます。