昭和41年版の総集編第一部では
義経の兄を慕ういちずな面と、
戦において
神かかり的な手腕を発揮する天才武将としての面
そして
頼朝との亀裂の始まりが描かれていた。
一の谷の奇襲で華々しい勝利を収めたまさにその日、
金売り吉次(加東大介)が義経を案じ、
平泉からの出立を止めなかった自分を責めて
泣くシーンがあり
その後の義経の運命を思うときわめて暗示的だった。
あまりの栄達、飛びぬけた才能のほとばしりと共に
儚さや危さもすでに見えていたのか。
尾上菊之助(現菊五郎)には常人とかけ離れた神秘的なオーラが漂う。
ピュアで全瞬間全力投球の一生懸命さに
応援せずにいられなくなるのだ。
真摯なまなざしは見るものの心を芯から熱くさせる。
屋島での決戦は
さらっと逸話のみで流されていたが
圧巻だったのは
壇ノ浦の合戦だった!
まず空から当時の(現代)壇ノ浦地区の
入り組んだ地形を鮮明に映し出し、
さらに絵図面で平家と源氏の船の配置を
時間を追って克明に記している。
800年以上たった今も変わらないという、
当地の特異な潮の流れも詳しく説明されていた。
丁寧な説明によって
手にとるように義経の巧妙な作戦がわかる仕組みだ。
そしていよいよ合戦シーンになるのだが
驚いたことに
すべての音楽は消され、
びゅんびゅん鳴る弓の音と
掛け声、叫び声のみが聞こえ、
まるでドキュメンタリーを見ているかのような
緊迫感をあおってくる。
カメラは船の下、横、上からと
あらゆるアングルで、
斬りあい、組みあいながら
共に海に落ちる凄まじい戦闘を映し出す。
郎党たちの体を張った大熱演もさることながら
中村富十郎演じる知盛と、
強弓として知られる能登守教経(山口崇)の猛将ぶりには震えがくるほど興奮した。
船に乗った大将同士が
共に名乗りを挙げる古式に乗っ取った戦い方にも注目した。
女官たちの入水の場面は
哀しみに満ちている。
海中に漂う黒髪と沈んでいく兜。
無音の深海の美しさ。
ここにいたって、
「滅びの美学」の真の意味、
「無常」ということ、
「壇ノ浦の戦い」がなぜ私たちの心をつかむのかがわかった!
驚異の勝利を収めた義経を、
称えるどころか
頼朝は言い知れぬ不安を感じ、
もはや自分の手にあまると判断する。
頼朝の心をはじめて知った義経が
驚いて鎌倉に駆けつけるが面会を拒否され、
切々と心中を訴える長い書状をしたためるところでこの回は終わっている。
弁慶との堅い絆も痛いほど伝わり
芸術的ともいえる昭和41年版のドラマの高い水準に
あらためて驚嘆した。
興奮!してしまい、長々と失礼いたしました。
主な配役は前回の記事■昭和41年版「源義経」第一部に書いてあります。
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義経の兄を慕ういちずな面と、
戦において
神かかり的な手腕を発揮する天才武将としての面
そして
頼朝との亀裂の始まりが描かれていた。
一の谷の奇襲で華々しい勝利を収めたまさにその日、
金売り吉次(加東大介)が義経を案じ、
平泉からの出立を止めなかった自分を責めて
泣くシーンがあり
その後の義経の運命を思うときわめて暗示的だった。
あまりの栄達、飛びぬけた才能のほとばしりと共に
儚さや危さもすでに見えていたのか。
尾上菊之助(現菊五郎)には常人とかけ離れた神秘的なオーラが漂う。
ピュアで全瞬間全力投球の一生懸命さに
応援せずにいられなくなるのだ。
真摯なまなざしは見るものの心を芯から熱くさせる。
屋島での決戦は
さらっと逸話のみで流されていたが
圧巻だったのは
壇ノ浦の合戦だった!
まず空から当時の(現代)壇ノ浦地区の
入り組んだ地形を鮮明に映し出し、
さらに絵図面で平家と源氏の船の配置を
時間を追って克明に記している。
800年以上たった今も変わらないという、
当地の特異な潮の流れも詳しく説明されていた。
丁寧な説明によって
手にとるように義経の巧妙な作戦がわかる仕組みだ。
そしていよいよ合戦シーンになるのだが
驚いたことに
すべての音楽は消され、
びゅんびゅん鳴る弓の音と
掛け声、叫び声のみが聞こえ、
まるでドキュメンタリーを見ているかのような
緊迫感をあおってくる。
カメラは船の下、横、上からと
あらゆるアングルで、
斬りあい、組みあいながら
共に海に落ちる凄まじい戦闘を映し出す。
郎党たちの体を張った大熱演もさることながら
中村富十郎演じる知盛と、
強弓として知られる能登守教経(山口崇)の猛将ぶりには震えがくるほど興奮した。
船に乗った大将同士が
共に名乗りを挙げる古式に乗っ取った戦い方にも注目した。
女官たちの入水の場面は
哀しみに満ちている。
海中に漂う黒髪と沈んでいく兜。
無音の深海の美しさ。
ここにいたって、
「滅びの美学」の真の意味、
「無常」ということ、
「壇ノ浦の戦い」がなぜ私たちの心をつかむのかがわかった!
驚異の勝利を収めた義経を、
称えるどころか
頼朝は言い知れぬ不安を感じ、
もはや自分の手にあまると判断する。
頼朝の心をはじめて知った義経が
驚いて鎌倉に駆けつけるが面会を拒否され、
切々と心中を訴える長い書状をしたためるところでこの回は終わっている。
弁慶との堅い絆も痛いほど伝わり
芸術的ともいえる昭和41年版のドラマの高い水準に
あらためて驚嘆した。
興奮!してしまい、長々と失礼いたしました。
主な配役は前回の記事■昭和41年版「源義経」第一部に書いてあります。
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