「お待たせ。…あれ、どうしたの?」
「うん、ちょっと腱鞘炎ぎみなのよ、最近。」
「ふうん。仕事じゃ、しょうがないよね。
そうだ、さっき変な光景を見たよ。」
「どんな?」
「駅前に一人の男が立ってたんだけど、
しばらくして、もう一人男がやってきてさ、
いきなり派手に言い争いを始めたみたいなんだ。」
「『みたい』?」
「離れてたから良くわからなかったけど、二人とも、
腕を振り回しながら興奮してしゃべってたよ。」
「そう。それから?」
「後から来た方が、自分と相手を指差して、
いきなり右手の中指を上に突き上げたんだ。
これはてっきり殴り合いになるかと思ったね。」
「まぁ。それでどうなったの?」
「ところが、二人は笑って、抱き合ったんだ。
涙なんか流したりして。感動の再会って感じだったよ。…どう思う?」
「…なるほどね。私、わかったわ。」
「え、どの辺で?…あ、そうか、君の職業と関係あるんだね。」
「うん、ちょっと腱鞘炎ぎみなのよ、最近。」
「ふうん。仕事じゃ、しょうがないよね。
そうだ、さっき変な光景を見たよ。」
「どんな?」
「駅前に一人の男が立ってたんだけど、
しばらくして、もう一人男がやってきてさ、
いきなり派手に言い争いを始めたみたいなんだ。」
「『みたい』?」
「離れてたから良くわからなかったけど、二人とも、
腕を振り回しながら興奮してしゃべってたよ。」
「そう。それから?」
「後から来た方が、自分と相手を指差して、
いきなり右手の中指を上に突き上げたんだ。
これはてっきり殴り合いになるかと思ったね。」
「まぁ。それでどうなったの?」
「ところが、二人は笑って、抱き合ったんだ。
涙なんか流したりして。感動の再会って感じだったよ。…どう思う?」
「…なるほどね。私、わかったわ。」
「え、どの辺で?…あ、そうか、君の職業と関係あるんだね。」