睡蓮の千夜一夜

馬はモンゴルの誇り、
馬は草原の風の生まれ変わり。
坂口安吾の言葉「生きよ・堕ちよ」を拝す。

木洩れ日の落ちる場所(2)

2009-11-25 07:33:51 | アート(画・書・創作)

裏山へ抜ける道は
石垣を越え
だらだら坂をのぼり
お社の朱門をくぐる

 木洩れ陽の落ちる場所を目指し
 息をきらし暗い参道をかけあがった



心が騒いでしかたがないときは
いつもここにいる
やり場のない憤りに疲れたときも
ここにくる



なにをするでもなし
タバコをくわえ
木々をすかせて空を見る

まぶしい木洩れ陽に
目をとじれば
残像に消えゆく群青の空

 

乾いた枯れ葉が風に舞い
軽やかに木々を渉る音
ひゅう~ひゅっ~ひゅう
ころころ、かさかさ

落ち葉の吹き溜まり
そのなかに
小さなシメジが息づいていた



雨がぽつぽつ天の雫
むせるような
湿った匂いに包まれる
さあ帰ろうか



帰り道
急ぎ足を止めた可憐な花
そぼふる雨に濡れていた



山の息吹に
五感が戻り
雨に打たれ
励まされた
ありがとう 




 



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