水産北海道ブログ

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道漁連と加工連が本道水産業の外国人材確保を要請 検疫体制を確保した上でのビジネス往来の早期再開を

2021-02-21 15:02:53 | ニュース

 道漁連(川崎一好会長)と道水産物加工連(永澤二郎理事長)はこのほど道内選出国会議員らに新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言に伴い、すべての対象国・地域とのビジネス交流が禁止され、入国が認められない事態を受け、労働力不足に悩む本道水産業への外国人のビジネス往来を早期再開するよう要請した。

 本道水産業は、1月14日の緊急事態宣言によって外国人材の受け入れがストップしたため、令和3年度に予定されていた約1,000人の入国が困難となり、産地の漁業活動への影響や加工機能の低下が避けられない事態に直面している。特にオホーツク海のホタテ漁業は3月からの操業開始を控え、緊急の打開策の必要に迫られている。

 要請の主な内容は(1)検疫体制を確保した上でのビジネス往来の早期再開(2)新千歳空港での受入れ(3)特定活動にかかわる在留資格延長と掛増し経費の支援拡充(4)雇用調整助成金の延長(5)外国人技能実習から特定活動への移行手続きの簡便化(6)日本人臨時雇用等にかかる費用補助。


函館市がキングサーモンの完全養殖をめざす 種苗生産ための水槽整備、浮沈式生け簀の適地調査も

2021-02-21 14:59:43 | ニュース

 函館市魚類養殖推進協議がこのほど書面で開かれ、キングサーモン(マスノスケ)を対象にした完全養殖を実現する新たな魚類養殖の取り組みを決めた。

 函館市の資料によると、スルメイカの不漁など漁業不振、加工原料不足の深刻化に加え、国、道による養殖推進の方針を背景に、10年後の漁業を見据え、栽培漁業へのウエイトを高めることで漁業所得を向上させるため、関連産業への経済効果が期待できるキングサーモンの養殖の研究に着手するとしている。

 キングサーモンを選択した理由は、市場に潜在的なニーズがあるが、大企業がビジネスの対象として考えていない隙間商材であることをあげている。また、キングサーモンの幼魚を近海で採捕するのは困難なため、完全養殖技術を確立し優良個体を育種選抜していく。研究は函館市、北大大学院水産科学研究院、国際水産・海洋都市推進機構が共同で行う。

 函館市は令和3年度予算案で、魚類養殖推進費として5,900万円余を計上し国際水産・海洋総合研究センター内に淡水用1基、海水用2基の飼育水槽を整備するほか、養殖に使用する浮沈式生け簀の設置場所を決定するため,事前に潮流など海況基礎調査を実施する。北大で飼育している人工魚や南かやべ地区で定置網に入った天然魚を入手し、飼育試験を行って成熟、淡水・海水での馴致などの知見を得る。現状ではメスが成熟するまで4年とみているが、今後の飼育試験しだいで変化もある。北大所有のキングサーモンは平成30年にふ化し、令和4年には採卵が可能になる。海面養殖試験は5年目で一部水揚げを予定している。

 協議会の委員からは「天然資源の不漁が続き、今後はTACが強化される状況で、天然資源に依存しないこの事業への期待は大きい」(南かやべ漁協・中村正俊委員)との意見が聞かれたほか、嵯峨直恆会長(函館国際水産・海洋都市推進機構長)は「海洋環境の変化や外国漁船の無秩序な操業などから不安定な水揚げ状況が続いている。魚類養殖の実現は、漁業経営の安定、地域経済の活性化に寄与する」と関係機関の連携強化を強調した。


日本海沿岸ニシン漁獲状況速報(2月10日) 水揚げ量281㌧、銭函や厚田地区で群来

2021-02-21 14:36:45 | ニュース

 日本海沿岸ニシンの刺し網漁は、銭函や厚田地区で広範囲に渡る群来がみられるなど、2月に入り来遊が本格化。しかし、今年は時化が多く、2月10日時点の水揚げは281㌧と前年同期の38%にとどまっている。

 道水産林務部水産振興課普及指導員がまとめた2月10日時点の水揚げは、後志・石狩両管内が計281㌧と前年同期の51%。

 管内別では、後志47㌧(前年同期184㌧)、うち小樽市漁協20㌧(同92㌧)、余市郡漁協13㌧(同45㌧)、東しゃこたん漁協14㌧(同47㌧)。石狩は234㌧(同550㌧)、うち厚田支所102㌧(同228㌧)、石狩本所89㌧(同229㌧)、浜益支所は42㌧(同93㌧)。 

 また道総研中央水試の漁獲物調査が13日、小樽・厚田地区で実施され、小樽地区では尾叉長30㎝以上、平均体重345gの大型個体が全体を占めており、年齢組成は5年魚(2016年)が41%、6年魚(2015年)が37%、4年魚が20%。1回目の調査に比べて7年魚は減少し、6年魚が増加している。

 厚田地区では6年魚が47%、5年魚が36%と全体の8割を占めている。両地区ともメスはすべて完熟状態で、一部では「子ヌケ」個体も混獲されている。