水産北海道ブログ

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令和2年度第2回ゼニガタアザラシ科学委員会 定置網の捕獲が過去最高に、新年度は52頭捕獲の計画

2021-02-03 15:57:29 | ニュース

 えりも地区のゼニガタアザラシによる漁業被害軽減をめざす管理計画を検討する科学委員会が3日午前、札幌市でWEB会議を開き、モニタリング法に関する作業部会の報告、令和2年度事業の実施結果、令和3年度事業実施計画を協議した。

 主催者を代表し、環境省北海道事務所の安田直人所長が「昨年は定置網の捕獲が過去最高値となったが、えりも地域のサケ漁は大変な不漁であり、地元の理解を得ながら第2期目の管理を進めたい」と挨拶した。

 さっそく羽山伸一日本獣医生命科学大教授を座長にモニタリング方法に関する作業部会の検討状況が報告された。音波忌避装置は一時中断するが、引き続き情報収集を行う.ドローンによる生息調査の手法確立は今後、過去のデータも解析し、上陸数の調査をドローン主体に移行していく。漁業被害調査は、来年度に専門家からの意見を踏まえ作業部会での設計の詳細を詰め、再来年度から実施する。捕獲幼獣個体数の成獣個体数への換算割合は、当歳(幼獣)のみの捕獲では2倍の捕獲数が必要との解析結果が出たが、モニタリングの精度を上げ今後も毎年の捕獲目標50頭とする方針は変えない。その他、小林万里東京農業大教授からアザラシの上陸数が少なく、個体数の減少も懸念されることから、遺伝子による個体数推定と行動調査の提案があった。

 昨年の捕獲実績は、86頭の計画に対し、定置網による44頭と刺し網による37頭、空気銃による3頭の計84頭。これに混獲の59頭、漂着6頭が捕獲されたが、うち2頭の成獣には発信器を付けて放流した。

 令和3年度は、獲り残し2頭を加えた52頭を目安に捕獲を行うが、環境省は「昨年の定置網の捕獲が驚くほど多かったが、今年も同数程度獲れるか不透明」として定置網26頭、刺し網26頭を提案した。しかし、定置網による大型成獣を捕獲することが漁業被害の軽減につながると、春、秋の定置網で主に捕獲し、取り残しを翌年春の刺し網で獲るべきとの意見が多く、3月の地元協議会で漁業者らの意見を聞いて決定することになった。


道南太平洋沿岸スケソウ漁獲(1月末) 刺し網2万200㌧、その他7,500㌧で2万7,700㌧・5%増

2021-02-03 15:56:41 | ニュース

 道南太平洋の今シーズンの沿岸スケソウ漁は昨年10月の解禁から不調が続いていたが、12月下旬から上向き、1月中も約7千㌧の漁があり、累計では2万7千㌧台と前年を上回っている。

 道水産林務部漁業管理課のまとめによると、道南太平洋の沿岸スケソウ漁獲量1月末までの累計で、刺し網が2万229㌧、その他が7,548㌧で合計2万7,776㌧となり、前年同期に比べ5%上回った。刺し網が前年比79%にとどまっているのに対し、その他が807%と大幅に伸びた。管内別では、渡島が1万6,108㌧で同124%。刺し網が9,974㌧・78%、その他が6,134㌧・6116%。胆振が7,929㌧で同90%。刺し網が7,299㌧・89%、その他が629㌧・111%となっている。日高は3,739㌧で同79%。刺し網が2,954㌧・66%、その他が785㌧・293%。

 なお、11月1日から解禁された日本海の沿岸スケソウ漁獲量は11月に48㌧、12月が262㌧、1月が630㌧で推移し、1月末の累計で940㌧と前年比74%。TACの消化率45%。後志管内が631㌧で同77%、桧山管内が309㌧で同67%となっている。


栽培漁業の推進方向(素案)を道議会で報告 魚類養殖の定着促進と事業化に向けたステップアップ

2021-02-03 15:55:38 | ニュース

 道水産林務部が策定を進めている「栽培漁業の推進方向」の素案が2日の道議会水産林務委員会(三好雅委員長)で報告され、

新たな増養殖の検討状況や進め方などで質疑を交わした。

 素案では、秋サケ、ホタテ、コンブの生産回復、新たな増養殖の推進、地先種(ウニ・アワビなど)や広域種(ヒラメ・マツカワなど)に重点的に取り組む。

 新たな増養殖として(1)魚類養殖(サケ・マス類等)(2)二枚貝等養殖(3)マナマコ増養殖に取り組み、具体的には成長に優れたサクラマス、ムール貝、アカガイの魚種があがっている。

 佐々木大介道議(自民党・道民会議、石狩地域)が秋サケの資源回復に向けた取り組み、新たな増養殖の検討チームにおける検討状況、検討の進め方、栽培漁業の推進について道の考えを質した。特に期待される魚類養殖に対し、内部の検討だけでなく関係分野の専門家の意見や先進地の調査などを求めた。

 生田泰水産基盤整備担当局長は「道総研や国の研究機関、生産・流通団体など外部有識者の助言を得て、海水温が低い本道の優位性を活かしたサケ・マス類など魚類養殖を検討する」とした。また、佐藤卓哉部長は「魚類養殖の定着・促進に向け、実証試験を通じた養殖技術の普及、人材育成を行うなど、海域特性に応じた栽培漁業を一層推進する」と答えた。

 道水産林務部は今後、市町村や漁協などの意見を聞いて推進方向を年度末までに策定するとともに、令和4年度からスタートする栽培漁業基本計画に関連する取り組みを盛り込む。


定置漁業の漁場等の有効活用の考え方取りまとめ 厳しい経営、環境変化に対応した協業化、統廃合検討を

2021-02-03 15:54:55 | ニュース

 道水産林務部漁業管理課が主催する「北海道定置漁業等の有効利用の検討に係る懇談会」が1日、第3回目の会合を開き、考え方の取りまとめを協議し、学識、専門家、漁業者の代表から意見を聞いた。

 この検討は、昨年8月に懇談会を設置し、将来にわたる定置漁業の存続、現状の資源状況や社会経済状況に見合った漁業体制の見直しを行い、各地域の事情に対応した経営の効率化を漁業者が検討できるよう「定置漁業に係る漁場の有効活用の考え方」を策定するため、3回の懇談を踏まえて最終的な取りまとめを図った。

 道の説明によると、考え方は「Ⅰ序論」、「Ⅱ定置漁業に係る漁場等の有効活用の考え方」、「Ⅲ統廃合の必要性の検討」という3部構成で、「1.定置漁業の現状」「2.定置漁業の経営改善に係る協業化等の考え方」「3.経営改善に係る協業化等の検討」「4.漁場等の有効活用の検討」「5.定置漁業の経営状況の比較」「6.今後の漁獲状況の見通しと経営安定にむけての検討事項」「7.近年の経営改善事例」「8.現在の経営状況と免許件数」の8つのパートから成る。

 村木俊文サケマス・内水面担当課長は「地域によって様々なパターンが想定され、機械的に当てはめることは考えていない。定置は漁業者をはじめ、地域にとっても重要な漁業であり、個々の経営をどうするかという点は行政にとっても難しい課題だ。しかし、検討のスタートラインに立つ資料は整った」と各振興局を通じて考え方の内容を周知し、改正漁業法に基づく定置漁業権切替となる令和6年1月の第15次免許に向けて提案、地域の要望に従って具体的な検討に入る考えを示した。

 特に資源状況が厳しい地域は重点的に、早急な対応を検討し、令和3年度から取り組む。道は地域の検討・道との相談を踏まえ、今年冬には漁業権切替方針案、令和4年春から漁場計画を検討する。重点となる地域では経費削減、漁船・資材・労働力の共有、経営体や定置の統廃合等の免許について検討を進め、令和5年には漁場計画を樹立する予定。


2021年2月2日(火)発行/北海道漁協系統通信第6537号

2021-02-03 15:47:27 | 系統通信

定置漁業の漁場等の有効活用の考え方取りまとめ
厳しい経営、環境変化に対応した協業化、統廃合検討を
早急に資料配布、令和3年度から地域での検討スタート

令和2年 本道漁業生産高は114万㌧・2,013億円
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1月下旬から5年魚が徐々に来遊 メスの成熟率100%

2021年漁期 ロシア沿岸太平洋サケマス来遊46万㌧の予測

ロシアの漁獲量28万㌧と9%減
極東で21万㌧、うちスケソウ14万㌧いずれも下回る

日本政府が旧水産庁漁業取締船をインドネシアへ贈与

沖合底びき網漁業許可
道内沖底操業隻数39隻、釧路12隻、稚内・室蘭6隻