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令和2(2020)年の全道秋サケ来遊状況 5年魚が少なく、資源量は減少傾向、成熟年齢の若齢化

2020-12-01 21:56:41 | ニュース

 令和2年前中期(10月末)の全道秋サケ来遊数(沿岸での漁獲数と河川での捕獲数の合計)は1,719万尾と予測比94%と予想値に近い数量となったが、海区別にみると、根室、えりも以西で予測を大きく下回った。沿岸域の水温が高く、前期群の来遊に影響し、知床半島の高水温の水塊がオホーツク東部地区の不振につながったとも考えられる。

 今年は5年魚の来遊が191万尾と少なく、予測値の85%、前年同期の33%だった。年齢組成は平成30年に類似し、年級別の来遊数をみると、サケの資源量は減少傾向にある。4年魚で回帰した平成28年級は1,315万尾で予測値の97%、前年同期の158%と平成24年級と同程度にまで増加したものの、資源回復にはほど遠い水準で、平成20年級以降、年々5年魚の割合が低下し続けており、成熟年齢の若齢化が進んでいる。

 そのため、魚体重は小型で推移したが、10月下旬以降は大型化し、平年並みまで戻した。しかし、3年魚の増加によりオホーツク海区の10月中旬以降、根室海区の10月上旬以降は平成30年より小型化した。

 以上は、11月26日の道連合海区漁業調整委員会の報告(道総研さけます・内水面水試)による。

 また、道さけ・ます増殖事業協会が取りまとめた11月10現在の魚種毎の捕獲採卵状況は、サケは親魚捕獲計画の126万4,640尾に対し、実績が240万8,550尾で達成率190%。採卵は11億8164万粒の計画に対し、実績が9億3,864万粒で達成率79%。海区別にみると、親魚捕獲は根室とえりも以東が計画に対し49%にとどまり、採卵数も同じく51%となっている。


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