ハナウタ うたこの「宝物がいっぱい」

自分にとっての「好き」や「嬉しい」を集めて綴る、ささやかなことのブログです。

『誰もボクを見ていない』

2018年03月04日 | ❷ 本とか映画とか

友達がこの事件覚えてる?と言って教えてくれた本。

 

もちろん覚えている。

2014年の3月に埼玉県川口市で起きた老夫婦殺害事件。

 

後に捕まった犯人は老夫婦の実の孫で、17歳の少年だった。

 

こんなことが出来るなんて、なんて極悪非道なんだ。

親は?周囲は?

何があった?

祖父母との関係がこじれにこじれての末の復讐か?

手に負えないほどに荒れた若者の起こした事件なのだろうか。

矛先がよくある両親ではなく祖父母だということは 祖父母に育てられていたのだろうか。

情報が少なくて何もわからない。

 

 

後日 ニュースをみて驚いた。

その目的が「金目当ての犯行」と報道されていたからだ。

17才の少年が 本当に金欲しさに祖父母を殺すものなのか!?

 

違和感があった。

だから覚えていたのだと思う。

 

 

教えてくれた友達は法律事務所に勤めていて

仕事柄知った本をよく薦めてくれる。

たいてい、知らなければいけないと思うような内容の本だ。

 

親や社会の犠牲になる子どもは後をたたず

それでもそのまま成長して大人になれば行動のすべては自己責任となる。

人は生まれる環境を選べず それがこんなにも不公平なことだとは

 

あまりにもやりきれない事件の背景だった。

 

犯した罪を背負い 向き合いながら 彼はこの先どう生きて行くのだろう。

 

 

 

 


や、柳沢教授!

2018年02月23日 | ❷ 本とか映画とか

久能山東照宮の帰りに大江戸温泉なんとか・・という温泉施設に行った。

東照宮の石段の下から無料のシャトルバスが出ていて、

温泉まで連れて行ってくれるっていうものだから。

 

着いてびっくり、無駄に広い敷地。

サバゲ―もある。

ゴーカートかなんかのサーキットもある。

食べ物屋さんもある。

館内にはゲーセンコーナーも。

お風呂は700円だった。

 

胃もたれ中の私は少し休憩してから入浴すると言い残し

ムスカ大佐(夫)と息子を男湯に送り出して ひとりマンガのある休憩室へ。

そこで!奇跡の!再会が!

 

教授! ああ教授! お久しぶりです。

こんなところにいらっしゃったなんて。

センスのいい温泉施設だわー。

34巻勢揃い。

見事です。

この部屋に2泊くらいしたい。

いや、住みたい。

もう風呂なんか入りたくない(うそ、入りたい)。

入ってる場合ではない。

 

入りましたけど。

 

あともう2~3冊読みたい、と

湯上りに待ち合わせの場所で懇願したけど却下された。

そりゃあ、ちょっとは待たせて悪かったけどさ

大佐と息子の気持ちの小ささを再確認しました

私だったら読んでいっていいよって言うのに~

 

 

私は柳沢教授が好きです。

ちはやふるの原田先生や スラムダンクの安西先生と同じくらい好きなの。

オスカルや長谷川平蔵くらい好きだし

なんなら大佐よりも好きなわけ。

てやんでー。

ざまーみろ。

 

 

 


エラそうな私とそれを許す息子と好きな本

2017年04月28日 | ❷ 本とか映画とか

水を飲んでいて、うっかりこぼしてしまった、口元の右からも左からも

私ちょっとヘタなんです、飲み物を飲むのが。

どのくらい器をあおると丁度良く飲めるのか、

そのパワーバランスがまだよく体得出来ていないのかもしれません、大人なのに

 

隣で夕飯を食べていた息子がこっちを見たので

「今 お母さんちょっと水こぼしちゃったけど、見てないよね?」

って聞いたら

「見たよ」って。

 

「もう一度聞くね。

 お母さんが水飲む時にちょっと勢いつけ過ぎてこぼしちゃったのは、見てないよね?」

「見た」

 

「もう一度聞くね。

 見てないよね?」

「見た」

 

ここは大事な教育的指導ポイントです。

 

「君は正直だから事実と違うことは言わないのかもしれないけど、

 もしも女の子に『今の私の(見られたくない)失敗・・・見てた?』って聞かれたらどう答えますか。

 答え方のバリエーションのひとつとして〝「見てないよ」とあえて言う〟を加えましょう」

 

こうして今日も自分の失敗を棚に上げるハナウタでした。

でも息子には見抜かれてると思う。

くっくと笑いながら「わかった」って言われたから。

 

 

さあ、気を取り直して好きな本の紹介にいきましょう。

図書館で何度借りたことか。

 

このページとか

 

このページとか

 

このページが そりゃもう大好き

 

前田順子さんの手仕事が、素敵なんです。

 

 

 

 


図書館の本のこと

2017年04月06日 | ❷ 本とか映画とか

フィンランドでは図書館で本を借りると

作家に1冊15円の印税が入るのだそうです。

少し税金が上がるかもしれないけど、日本もそうすればいいのに。

 

私の手元にはつねに図書館で借りた本があって、

正直言って めったに本を買いません。

このことには案外胸をいためておりまして

日夜 唯一無二の作品を生み出す努力をしている作家の人たちに

申し訳なく思うのです。

 

カラオケだって誰かが歌えば権利収入があるでしょう。

本もそうだといいのにな。

 

 

 

 


なかなか。

2017年01月29日 | ❷ 本とか映画とか

確か『ミレニアム』(スティーブンソン)と同時期に図書館に予約を入れた本だ。

『ミレニアム』を面白い!と薦めていた人が 

『その女アレックス』(P・ルメートル)も面白い!と薦めていたのだ。

やっと順番が回ってきた。

 

フランスで発表された犯罪推理小説だそうだ。

文庫で450ページほどあり第一部、第二部、第三部の構成。

しょっぱな、第一部の一行目から、軽快で楽しく、さらさら読める。

だからまさかあっという間に、

こんなにハードでグロい展開になるとは想像できなかった。

 

第一部のまだ冒頭と言ってもいいくらいのあたりで

既にクライマックス感半端ないんですけど 残されてるページ数が釣り合わない。

何が起こるの?一体どんな話なの?と、不安と言うか奇妙な気持ちになりました。

 

 

訳者のあとがきにもあるんだけど、

何を書いてもネタバレになりそうだし、

そもそもうまく説明できない。

言えるのは最後まで読むこと、でしょうか。

最後まで読んではじめて、

それまでの違和感や不安感や操られ感が決着をみるので。

 

本文の言葉を少し借りるなら

「真実」について「正義」について

「強さ」について「自分を譲り渡すこと、渡さないこと」について

揺さぶられ、切なくなる本なのでした。

犯罪推理小説であるような、別の何かであるような。