静岡で単身赴任をしているムスカ大佐(夫)からついに
手作りマスクの緊急作成依頼がきた。
細かな指示つきで。
「白でプリーツタイプで9×18㎝にしてね。
あと、高くていいからネットで1箱買っといて」
えー布マスク作るならそれでいいじゃん、と言ったのだけど
買え買えうるさい。
自分で買えばいいじゃん いや、買っといてよ の応酬になった。
あと、白い生地が全くないので「柄になるよ」と言うと
8年前に1枚だけ置いて行ったYシャツを使えという。
かなり着古してるから私なら加齢臭が気になるけど
本人がいいなら私はちっとも構わない。
でも形はプリーツじゃなくてもいいでしょ、と言うと
そこはもうプリーツじゃなくてはダメだと言う。
「プリーツだよ、プリーツ!
作り方分からない?分かるよね?
折りたためばいいの、折るの、ね?簡単じゃん」
針も糸も布も持ったことないくせに上から目線だ。
・・・なんて似た者夫婦なんだ。
表面はYシャツでいいとして、裏面はどうしよう・・といくつか布をあててみたけど
はっきりした色柄の生地ばかりで使えない。
でもキッチンの食器棚の引き出しから
未使用の白綿フキンが2枚出て来たのでコレでいくことにした。
翌日大佐から電話がきた。
「やっぱり布マスクだけでいいわ」
会社で軽く「カミさんに縫って貰う」ってしゃべったら
思いがけなく「いいですね、いいですね」って言われたらしく
「オレもう、うーさんの手作りマスクでいくわ」
とウキウキと言ってきた。
どうやら奥さんから愛されている自分を演出して酔いしれたいらしい。
この人直球だとダメなんだけど、中継を挟むと扱いやすいのかもしれない。