私達は睨み合っていた。
私のすぐ側では小さな息子が眠っている。
首輪をつけた白い猫が威嚇して来たので
私も負けじと唸って見せた。
すると相手は逃げるどころか目を見開き毛を逆立て
顔が半分に割れるほど口を大きく開けて化け猫のような形相になり
不穏な声色の鳴き声を上げながらこちらに向かってきた。
これはもうやるしかない!
この子を守るんだ!
私はありったけのはったりをかまして
「にゃあぁぁぁーーーー!」と言った。
途中で苦しくなって息が続かなくなり、
(ああ、こんなところで息継ぎしたら台無しなのに・・)
と思いつつ呼吸を整え再び、今度はさらに大きく
「にゃにゃにゃあぁごォォォォォーーーーーー!!」
と息の続く限り叫んだ。
「この子に何かしたらこの私が許さないぞ」
って気持ちを込めて、それっぽくぴょんぴょん跳ねて威嚇しながら。
「うーさん、うーさん、大丈夫か」
と隣で寝ていたムスカ大佐(夫)に起こされて気づいた、
夢か!
「にゃーにゃー言ってて・・途中一回静かになったけどまたにゃーにゃー言い始めて」って
ヤバイ、これはめちゃくちゃ恥ずかしいぞ。
「い、今さ、猫になった夢見てたんだよ。
動物になったのって人生で2度目。
かくかくしかじかで、息子を助けるためにタイマンはってたとこ。
いやー頑張ったわ、私」
って言うと
「そ、そうか・・・そ、それは大変だったね・・・」
震える声で大佐が言った。
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