やまじゅん通信 “きょうのヤマ場”

日本共産党前神戸市会議員 山本じゅんじ WEB通信

助けて!と言えない「自己責任」社会

2011-03-07 | 日記・エッセイ・コラム

 国民救援会の須磨支部の大会がありました。議事が一段落したところで、来賓として挨拶させていただきました。

 挨拶のちょうど直前、息子さんの過労死裁判をたたかっているNさんが発言をされました。最前線でたたかっておられる方の発言、重みのある話でした。あと、なんかちょっとしゃべりにくかったですね。何を話しても、とても軽い話になってしまいそうで…。

 システムエンジニアとして働いていた息子さん。生前、勤務されていた会社では非常に激務で、鬱にかかり、休職と復職を繰り返されていたそうです。結局、大量の抗鬱剤を服用し、27歳で亡くなりました。いま、母として、またこのようなことが再び起こさせてはならないと、苦しみを乗り越えながら裁判を闘っていらっしゃいます。判決は25日。

 話をお聞きしながら、ふと、以前あるテレビ番組で取り上げられていた若者の餓死事件のことを思い出しました。最近、書籍としても出版されているようです。

「助けてと言えない」というタイトルだったと思いますが、自己責任ということをことさら強調されて育ってきた世代。「自分がダメなんだ」と社会の枠にはまらないで脱落せざるを得なくなった多くの若者たち。どれだけ苦しくても、今の苦境は「自分がダメだから」と思わされてしまう、社会の風潮。さまざまな現代社会のひずみが、結局、多くの若者たちを中心に追い詰めていっている原因にもなっているのではないか…。そんな内容になっていた記憶があります。

 だからこそ、「助けて」と言えない。そういった状況が、被害を広げているともいえます。自己責任というのは、ことの本質をそらす、非常に都合のいい言葉です。

過労死でも、餓死でも、根っこは同じです。あいさつでは、こういった話もさせていただきました。ご招待いただき、ありがとうございました。Nさんのたたかいを心から応援させていただきます。