
県北部の大田原市。市内には国際医療福祉大学があるため、同大学と最寄駅(那須塩原駅、西那須野駅)を結ぶ路線をはじめ、市内を網羅するように市営バスが運行されています。通常、自治体が運行するバスといえば、民間バス会社が撤退した路線を引き継いだものが多く、自治体の財政難の中、そのあり方が議論されているのが現状です。しかし、大田原市は少し異なり、上下で1日32本(平日)の運行本数のある那須塩原駅線を筆頭に、公共交通として活躍しています。
そんな大田原市営バスにこの度、国際医療福祉大学と那須塩原駅を従来より10分早く結ぶ路線や、来年4月に開校する黒羽統合中学校の生徒が利用できる2路線が新設されるそうです。確実に利用が見込める通学路線を整備しながら、一般の人も利用できる路線バスにすることで「公共交通空白地域」を減らすことができます。スクールバスに福祉バス、観光バスなど、目的別にバスを走らせている自治体も多いのですが、どちらが効率的なんでしょうね。地域交通としては、デマンド交通という選択肢もあるのですが…。
財政難、クルマ社会の中にあっての自治体運営バス。これから、各自治体で地域にふさわしい公共交通のあり方が活発に議論されていくことでしょう。