こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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「風のガーデン」見ています。

2008-11-13 23:21:00 | 訪問看護、緩和ケア
毎週、「風のガーデン」見ています。
やっぱり、倉本聡さんの脚本はすごいですよね。
在宅医療や、終末期医療など、きっとすごく勉強されたんだと思います。
なかなか、マニアックな作品だと思います。
ちょっとした、エピソードが現場でよく経験する事です。
普段は介護に手を出さないものの、いよいよ病状が悪くなると、現れて「病院に入れて治療しろ。ちゃんと治療もしないなんて許せない!」と騒ぐ家族。
ずっと一生懸命介護をしてきた家族や、本人の意思をわかろうともしない。
心配していると言う体裁?ここにも家族がいるというパフォーマンス?
在宅を選択すると言う事は、みんな考えた末の結果です。
特に、看取りを前提とした在宅介護は、一大決心だと思います。
今、何が一番必要なのか、どうしたらその人らしい最後を迎えられるのか。
穏やかで、苦痛のない、やすらかな最後は、本人と一番そばにいる人が決めるべきだと思います。
本人が、戦う事を良しとし、入院や最後まで積極的な治療を望めば、そうするべきだし、その選択の時をちゃんと示してあげるのは、主治医の役目だと思います。
そういう1シーンのなかで、緒方拳扮する在宅医が、東京から来た息子に語りかけるシーンが印象的でした。
私たちも、在宅での看取りを、ご家族が決心する場面によく同席します。
めぐみ在宅クリニックの小澤先生は、よく「腹をくくりましょう」といいます。
まさに、腹をくくる場面だと思います。
もちろん、私たちがバックアップ出来る事をお伝えしますが、そこで「腹をくくれた」ご家族は、みんさん立派に看取りをされています。
そして、ほとんどの場合、一様に「家で看取れて本当に良かった」と言います。
毎日「死ぬ時」を意識して、仕事をしているので、自分自身の「死」もつい考えてしまいます。考えると怖くて怖くて、情けない有様ですが、今も、死を目前に毅然として、穏やかに時を待つ患者さんたちに、恥ずかしくない死に方をしないとな・・なんて考えたりもします。それから、やっぱり一番は、残していくであろう子供達に何かを残さないと、と言う思いは強くあります。
そんな思いで、ドラマを見ていると、さんざんほったらかしにした我が子に、何とか接触しようとしたり、自分が一番輝いていた時期をすごした故郷に、戻ってきた主人公の想いが、少しはわかるような気がします。

そんな、おもーい展開の最後に、平原 綾香の「ノクターン」が・・・・
なんて効果的なエンディング曲。
ちなみに、息子に頼んで「ノクターン」を、メールの着信音にしてもらいました。