こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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今日もまた、ばたばたと過ぎていきました。

2009-04-08 23:55:12 | 訪問看護、緩和ケア
毎日が、ごちゃごちゃになって過ぎていきます。
うれしいことも、悲しいことも、切ないことも、素敵なことも・・

先日お見送りしたSさんのお宅でお線香をあげさせていただきました。
ケアマネと、ヘルパー責任者も一緒です。
「いかがですか?少し落ち着かれましたか?」と伺うと、ご主人は
何かを言いかけて、そのまま肩を震わせて顔を覆いました。
「すみません。・・話をしようとすると、泣けてしまって・・・まだ、だめなんです・・」と。
「27年、二人で店をやりました。ずっとそばにいたんです。突然いなくなってしまって、何もこたえてくれない・・」と。
言葉を無くしてしまいました。
なぐさめは、通じない。
一緒に泣くことしかできませんでした。



帰ってからは、いろんな電話が次々とかかってきます。
それから、やはり先日グループホームでお見送りをしたIさんのご家族が、ご挨拶に来て下さいました。
その時、「これは、父からの手紙だと思って下さい。」とメッセージカードをいただきました。
封筒からカードを出して、開いてみると・・・

      「 お世話になったね。
        ありがとう。   」

そう書いてありました。
そして、「世話になったね。」と「ありがとう。」の間に、笑顔でピースをする
Iさんのモノクロ写真がありました。
さらに、一番下に、ホームで書いたサインが入っていました。

なんて、素敵な笑顔。
明るい、陰りのひとかけらもない、くったくないピースの写真。

そして、何より嘘のない心のこもった言葉。

素敵な娘さんたちにみとられて、静かで温かな最後を送られたIさんらしいご挨拶でした。
こんな素敵なご挨拶の仕方があったんですね。
あんまりいい笑顔なので、また泣けてしまいました。
涙腺、壊れてます。

それから、長いこと入院中のYさんのお嫁さんが見えて、「今までいろんな事があったけど、すべて水に流して、連れて帰ってあげたい」とご相談がありました。
もちろん、早く連れて帰ってきてくださいとお伝えしました。
やっぱり、いいお嫁さんですよ。本当に大変なバトルだったけど、「おばあちゃんが、かわいそうで・・私が見ます。」と言ってくれました。
すごくうれしくなって、気持ちが明るくなりました。

絶対、いいことありますって。
人生を後悔しないために、人として間違えないために。
人を貶めたり、お金にいやしかったり、ずるいことをしたり、見捨てたりそんなことをする人は、絶対いい最後はおくれませんから。
最後の表情に、その人の生きざまがでますから。
いろいろなご家族を見ていて、ほんとうにそう思います。

午後からも、新患さんの初回訪問にいったり、なんだかんだ度忙しい一日でした。
夕方、新しく在宅専門として開業される先生が、スタッフのかたとご挨拶に来て下さいました。
在宅支援診療所として、子供からターミナルの在宅緩和ケアまで、やっていきたいとのことでした。
まだ、お若い先生でしたので、これからこの地域で、頑張ってほしいなと思いました。
めぐみ在宅クリニックの小澤先生みたいに、患者さんのこころの声を聞けるお医者さんであることを、心から願っています。