こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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援助って・・・?

2009-04-25 02:21:22 | 訪問看護、緩和ケア
訪問看護は、ご家庭の中まで入って、看護を提供する仕事です。
ですから、それはそれはいろんな人に出会います。
時々、びっくり仰天の訴えをされる方もおられます。
私たちは、出来る限り患者さんの思いに沿って援助をしたいと思っていますが・・・
でも・・・想いに沿うことと、我ままを全部聞くこととは、違うと思っています。
じゃあどれがわがままで、どれがご本人の思いなのかと聞かれると、明確に線引が難しいのですが・・・
たとえば、末期のがんで歩けなくなって、介護のことや本人の負担を考えると、もうオムツにしたほうが良いとも思っても、ご本人のつよい意志で、トイレに這って行きたいといえば、私たちは協力します。
どうしたら痛くなく移動できるか、ご家族の支援は大丈夫かなど考慮し、トイレの近くにベットを移してもご本人の思いに沿いたいと思います。
それは、その方がトイレに自分で行くという事が支えであり、自律のプラスであるからです。でも、その人がいよいよご自分でトイレに行くことをやめ、ご家族にオムツを取り替えてもらうことを、委ねられれば、それも自律のプラスなんです。
失われた支えが、家族にゆだねることで再び支えられる。
そこまでの、本人のスピリチュアルペインを、援助的コミュニケーションで委ねられる自律へプラスに転換することが、想いに沿うことと思っています。
(この場合、自立、と自律は違うのです。一見負の要素であっても、自分で委ねることを選べることが出来れば、それで自律は達成されると考えるわけです)
でも、「あいつは気に入らないから、こいつを自分の都合のいい時間に変えろ」とか、「病気のことは自分で全部わかっているから余計なことは言うな。黙って俺の言うことをやってればいい。」
というような、お話には沿うことはできません。
理不尽な思いに苦しんでいる方の、現実と理想のギャップを埋めるお手伝いが出来ること。それが援助的コミュニケーションなのですから。

どこの世界にもクレーマーと呼ばれる人たちがいます。
ヘルパーの、カレーの箱のふたの閉め方が悪い!とか、少ない予算しか渡さなくて牛肉の質が悪い!とか・・・
必然的な病状変化なのに、「看護師が、何かしたんじゃないの?」と必要に問いただしたり、・・・ふーって感じです。

いい話ばかりじゃないんですよね。この世界も・・・
「あいつはもう首」などと言われたスタッフの気持ちを考えると、たまりません。
私も昔、ありました。一人はすごい被害妄想でしたのでしょうがないと思ったのですが、もう一人は、患者さんのご家族に、執拗に攻撃されて担当を降りたことがありました。
人間同士ですから、向き不向きもありますが、やっぱり人格否定されたみたいで、結構こたえるものなんです。

でも、それも経験ですし、一つずつ乗り越えてどんな人にも動じずに、きちんと対応できるようにならないと・・・ね。
なんか、七めんどうくさい、ややこしい話になりましたが、小澤先生のもと、こんな勉強をもう3年近くやっています。
それにしては、いまひとつ成長していないなー。
5月からはぼちぼち実習生も来るのに、ちゃんと説明できるかなー??