こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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すごかった。今日の在宅緩和ケア研究会

2009-04-22 00:15:27 | めぐみ在宅緩和ケア関連
今日は、めぐみ在宅クリニックの「在宅緩和ケア研究会」の日でした。
今日の会話記録は、うちのステーションから小澤先生にお願いした患者さんでした。
ご紹介当時、便秘から肝性昏睡になりかけ、意識レベルの落ちていた患者さんで、かなり傾眠傾向だったのですが、約45分ほどの往診時間の中で、びっくりするくらいお話をされていたことを知りました。
特に某病院から、まともな病状説明も、今後の選択肢も説明されずに、丸投げするように退院されてきた患者さんだったので、小澤先生との会話は、かなり衝撃的だったように思えます。
長い会話記録を読み合わせ、そのやりとりが現実味を帯びて見えてきます。
そのあと、先生との対話の中でどこがキーワードであるか、またどの対応が良くないか、ではどうすればよかったかを、村田理論や小澤先生の手法を学びながらディスカッションしていきます。
恒例のように私がまず指名され、そのあとで小澤先生が「品川先生は、どう思われますか?」と振りました。
私の真後ろに、穏やかな微笑みをたたえ、その方はいらっしゃいました。
どうやら、有名で偉い先生らしいのです。
小澤理論では「患者さんの苦しみをわかることはできない。しかし、その患者さんから見て、理解者であると思えるような存在になる」事が大切であるとしています。
思い込みや、自分の世界観を捨て、あくまでも相手の会話の中からキーワードを拾い、それを反復することで、次の重要な会話へと掘り下げ、支えを見出す手法です。
しかし、品川先生は「ご家族への感謝の言葉を、表出出来るように話を誘導し、この場合妻への感謝を伝えることが支えになる」というような事をお話しされました。
これは、小澤理論とは正反対の手法です。
で、小澤先生はさらに持論を展開し、品川先生もさらに持論を展開するという、公開講座のような研究会となりました。
品川先生は、後で調べたら品川博二先生と言って、スピリチュアルケアや、心理学の世界での第一人者だそうで、著書もたくさんあるし、あちこちで公開講座ももたれているすごい先生でした。

こんなすごい先生と、小澤先生の真っ向勝負が、こんなにまじかでただで見れるとは・・・。ラッキー
とはいえ、私たちはふだんから在宅の現場で、小澤流のケアを行っている身。
やっぱり小澤先生の理論のほうが納得できました。

訪問看護を初めて10年以上たちましたが、緩和ケアに取り組見始めて、この研究会にも必ず参加し、デスケースカンファや、たくさんの看とりの中から、本当にいろんな事をまなばせてもらったなーと感謝しています。
たまたま、小澤先生と一緒に仕事をするようになって、時代背景もあって、今在宅緩和ケアに取り組んでいますが、これってほんとうに贅沢なことなんだと思います。
自分だけの思い込みかもしれませんが、患者さんとの会話が、自然にできるようになりました。聞く姿勢がわかった気がします。
まだまだ未熟ですが、せめて寄り添おうとする気持ちを伝えられればと思っています。