在宅では、いろいろなタイプの水疱に手を焼くことがあります。
熱傷や褥瘡の初期、類天疱瘡やヘルペスなど原因は様々です。
悩みの種は、巨大な原因不明の水疱。
両下腿の著しい浮腫があり、皮膚は赤から茶褐色に変色しています。
浮腫は、くるぶしを中心に膨れ上がり、足首のくびれの上に大きくかぶさり垂れ下がるのです。
足の甲も盛り上がり、足全体でいえば通常の2倍から3倍の大きさと重さになっています。
でも、病院からはその下肢の状態についての説明も病名もついていません。
外観で判断すれば、それは重度のリンパ浮腫のように見えます。画像
リンパ浮腫の原因として考えられるのは、この方の場合、深部静脈血栓症しかありません。
さらに重度の肥満による活動性の低下もあり、かなり循環状態は悪いように思えます。
病院からの指示は、弾性包帯による圧迫。
でも、すぐにずれ落ちてしまい、あまり効果的には思えません。
そうこうしているうちに、足首付近の肥厚した部分に大きな水疱が形成されました。
直径12センチほどの水疱には、透明な液がたっぷりと溜まっています。
片方の足は、水疱が小さいうちに、なんと自分で針で潰したそうで、すでに破泡し、ジュクジュクしています。
とにかくそっと足浴をし、がーぜでくるみ包帯をして、通院先の病院を受診しました。
診察室で包帯を外していたら、いきなり水泡が自然に破れ、中の漿液がどっと出てしまったそうで、先生もびっくりだったそうです。
「なんでこんな風になるんですか?」「なんでだろうね・・」
と言われ、破泡した皮を鋏できれいに全部取って、赤剥けた肌にドレッシング材を貼って、帰宅したと連絡がありました。
でも・・
こういう水疱、全部皮を切っちゃうのってどうなのかなと思たりして・・。
表皮の裂傷などは、よく洗浄して、そーっと表皮を戻してからフィルム材などで保護すると、そのままきれいにくっついて、剥がれた皮膚の下できれいに上皮化したりします。(アズノールに、モイスキンパットでも、うまくいきました。)
通常、中程度くらいの水疱では、破れないようにフィルム材などで保護し、そのまま吸収を待つことで、感染も防ぎきれいに上皮化します。
類天疱瘡などの水疱は、どんどん勝手に癒合しては敗れるので、ソルベースなどの水を吸収する軟膏をべっとり塗ったりします。
大きい水疱は、フィルム材の上から穿刺して水だけを抜き、その上からガーゼなどで保護して上皮化を待ったり、ほんのちょっと鋏を入れて水をだし、あとは皮をそのままにして抗生剤の軟膏などと一緒に保護したりしていました。
いずれもきれいに治っています。
ただ、15㎝四方の浮腫でパンパンの部分の皮膚を全部切り取っちゃうのは、どうなのだろうかと心配です。
ネット上では、<破れちゃったら切り取ってウェットドレッシング>というのがいくつかありましたが、なんだか納得できません。
特にこれだけの水疱が浮腫の下肢にできるという事は、リンパ漏を考えてしまうのです。
過去、リンパ漏には本当に苦労しました。
リンパ浮腫の下肢に傷がつき、リンパ漏となって2次感染をおこし、毎日2時間近い処置をしに行った覚えがあります。
さらに、リンパ浮腫を伴う患者さんがなくなられた後、紙おむつで保護していたにもかかわらず、ベットマットがリンパ漏の廃液でぐしょぐしょになっていたこともありました。
その皮膚を全部はがす・・。
とりあえず、今日は紙おむつを下に敷いて、寝ていただくことにしました。
明日、状況を見に行くことにしましたが、この手の水疱の治療は、何が一番感染のリスクが少なく、きれいに早く上皮化するんでしょうね??
破疱した皮膚は、本当にとっちゃったほうがいいのか??
あちこちリサーチしてみたいと思います。
熱傷や褥瘡の初期、類天疱瘡やヘルペスなど原因は様々です。
悩みの種は、巨大な原因不明の水疱。
両下腿の著しい浮腫があり、皮膚は赤から茶褐色に変色しています。
浮腫は、くるぶしを中心に膨れ上がり、足首のくびれの上に大きくかぶさり垂れ下がるのです。
足の甲も盛り上がり、足全体でいえば通常の2倍から3倍の大きさと重さになっています。
でも、病院からはその下肢の状態についての説明も病名もついていません。
外観で判断すれば、それは重度のリンパ浮腫のように見えます。画像
リンパ浮腫の原因として考えられるのは、この方の場合、深部静脈血栓症しかありません。
さらに重度の肥満による活動性の低下もあり、かなり循環状態は悪いように思えます。
病院からの指示は、弾性包帯による圧迫。
でも、すぐにずれ落ちてしまい、あまり効果的には思えません。
そうこうしているうちに、足首付近の肥厚した部分に大きな水疱が形成されました。
直径12センチほどの水疱には、透明な液がたっぷりと溜まっています。
片方の足は、水疱が小さいうちに、なんと自分で針で潰したそうで、すでに破泡し、ジュクジュクしています。
とにかくそっと足浴をし、がーぜでくるみ包帯をして、通院先の病院を受診しました。
診察室で包帯を外していたら、いきなり水泡が自然に破れ、中の漿液がどっと出てしまったそうで、先生もびっくりだったそうです。
「なんでこんな風になるんですか?」「なんでだろうね・・」
と言われ、破泡した皮を鋏できれいに全部取って、赤剥けた肌にドレッシング材を貼って、帰宅したと連絡がありました。
でも・・
こういう水疱、全部皮を切っちゃうのってどうなのかなと思たりして・・。
表皮の裂傷などは、よく洗浄して、そーっと表皮を戻してからフィルム材などで保護すると、そのままきれいにくっついて、剥がれた皮膚の下できれいに上皮化したりします。(アズノールに、モイスキンパットでも、うまくいきました。)
通常、中程度くらいの水疱では、破れないようにフィルム材などで保護し、そのまま吸収を待つことで、感染も防ぎきれいに上皮化します。
類天疱瘡などの水疱は、どんどん勝手に癒合しては敗れるので、ソルベースなどの水を吸収する軟膏をべっとり塗ったりします。
大きい水疱は、フィルム材の上から穿刺して水だけを抜き、その上からガーゼなどで保護して上皮化を待ったり、ほんのちょっと鋏を入れて水をだし、あとは皮をそのままにして抗生剤の軟膏などと一緒に保護したりしていました。
いずれもきれいに治っています。
ただ、15㎝四方の浮腫でパンパンの部分の皮膚を全部切り取っちゃうのは、どうなのだろうかと心配です。
ネット上では、<破れちゃったら切り取ってウェットドレッシング>というのがいくつかありましたが、なんだか納得できません。
特にこれだけの水疱が浮腫の下肢にできるという事は、リンパ漏を考えてしまうのです。
過去、リンパ漏には本当に苦労しました。
リンパ浮腫の下肢に傷がつき、リンパ漏となって2次感染をおこし、毎日2時間近い処置をしに行った覚えがあります。
さらに、リンパ浮腫を伴う患者さんがなくなられた後、紙おむつで保護していたにもかかわらず、ベットマットがリンパ漏の廃液でぐしょぐしょになっていたこともありました。
その皮膚を全部はがす・・。
とりあえず、今日は紙おむつを下に敷いて、寝ていただくことにしました。
明日、状況を見に行くことにしましたが、この手の水疱の治療は、何が一番感染のリスクが少なく、きれいに早く上皮化するんでしょうね??
破疱した皮膚は、本当にとっちゃったほうがいいのか??
あちこちリサーチしてみたいと思います。