こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
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本格始動「定期巡回・随時対応型介護看護」

2012-10-06 22:04:08 | 訪問看護、緩和ケア
24年4月からついに本格始動が始まりました。

先日、区の居宅介護事業連絡会で紹介があり、その詳細が初めてわかりました。

当初の話と比べると、かなりゆるーい感じにはなっていますので、聞いた感じだとすごくいいように感じますが、よく考えるとやっぱりいろいろ問題があるようです。

瀬谷区は、ジャパンケアサービスが参入することになっていて、地域の訪問看護ステーションとの連携型です。

訪問看護を利用しない場合と、利用している場合では利用料が違ってきます。
要は、ヘルパーのサービスを巡回で使用し、水分補給や配膳下膳、モーニングケアやおむつ交換などを行うとともに、時間にかかわらずおむつ交換をしたり、転倒などの対応をするわけです。
これが24時間いつでも連絡できるので、安心安全が確保できます、という事です。
もし、オペレーターが病状に関してのアドバイスが必要と考えれば、訪問看護ステーションに連絡が行くわけで、必要があれば緊急に訪問することになります。
ちなみに、訪問看護サービスを利用していなくても、訪問看護師の訪問を受けれるようです。
また、定期的な看護師のアセスメントもうけらるれので、(これはジャパンケアサービスの看護師が行うそうです。)医療ニードの必要があれば訪問看護サービスにもすぐ繋ぐことができます。

では、訪問看護サービスも併用する場合です。
このサービスとして訪問看護を利用するには、連携事業所でなければいけません。

訪問看護料金は1月につき2920単位です。
介護度5の人はプラス800単位が加算されます。
逆に特別指示書などで一定期間医療保険での訪問になると一日に付き98単位の減算となります。

ちなみに、介護保険の訪問看護の利用料は60分で830単位です。
毎週1回の訪問看護では、1か月に3320単位、緊急訪問などを入れなくてもこの時点で足が出ます。(事業所側に)

つまり、月に2回とか、1回とかの訪問看護、もしくは30分(425単位)×4回の訪問看護で緊急訪問とかがなければ、すごく儲かります。(~_~;)

でも・・
その程度の訪問看護で大丈夫な患者さんで、そんなに毎日巡回サービスやら随時サービスが必要な患者さんが、果たしてどのくらいいるのか・・。
今のところ、うちの患者さんを見渡しても、一人もいませんね。


事例をいくつか出してくれたのですが、たとえば糖尿病で血統のコントロールが不良な独居老人がいました。当初訪問看護が毎週60分で入っていました。
インシュリンや服薬の確認に毎日ヘルパーが入り、食事もちゃんととれるようになったら、血糖がすごく下がりました。
足浴などの清潔援助も看護師ではなくヘルパーがやるようにしたので、訪問看護は月2回で済むようになりました。

どうです、すごいでしょう?

って、こういう事例がいくつかあったのですが、訪問看護って血糖さえコントロールできればいいの??
清潔援助、全部ヘルパーさんにお願いしていいの?
何で、足浴していたの?
清潔援助で観察してたこと、あったんじゃないの?
そうやって、訪問看護の回数を減らさないと、収益が上がらないわけで、必然的にそうせざる得ないってこと?


このサービスでの訪問看護では管理できない場合、通常の訪問看護サービスを利用してもいいそうですが、たとえば要介護3の人は17800単位をこのサービスで使っているので、支給限度額26750単位から残りを引くと7950単位しか残りませんから、いろんな加算分を入れたりすると、かなり厳しいことになります。
ましてそういう方の場合、残りの単位で訪問入浴やらショートステイやらの、他のサービスを使わないといけませんから、よほどヘルパーの利用にのみ依存する場合でないと、いろんな日好きが出てきますね。
そう考えると、このサービスが適応になる利用者さんは、かなり少ないように思えます。
(一時的な利用でもいいそうですが・・)

ちなみに、現行の小規模多機能でも、訪問入浴が使えないとか、よそのデイサービスを使えないなどの縛りがあって、困ることがありますから、しょうがないのでしょうか・・。

ターミナルの患者さんへのご利用もかなり意識しているようでした。
この場合、訪問看護は必然的に医療保険になりますから、単位は気にする必要はありません。
また、医療保険での訪問看護の場合は、連携事業所である必要はありません。

もうひとつ、ヘルパーの業務の中では一般的に利用される「お買い物行って調理」は、できないとは言わないけれど、滞在時間が長くなってしまうので、できればご家族の協力や配食サービスなどをご利用いただき、ヘルパーは配膳・下膳などの支援をする形にしてもらいたい・・。という事でした。


はてさて、今後の動向を見ていきながら、どこにニーズがあるのかを見極めて、参入を決めたいとおもいます。